概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 材料名 | ポリブタジエン、ポリブタジエンゴム |
| 略記号 | BR、PB、PBD |
| IUPAC名 | poly(buta-1,3-diene) |
| 英語名 | Polybutadiene、Polybutadiene Rubber、Butadiene Rubber |
| 日本語名・別名 | ポリブタジエン、ブタジエンゴム、BRゴム、1,4-ポリブタジエン |
| 分類 | 合成ゴム、ジエン系ゴム、不飽和炭化水素系エラストマー |
| プラスチック分類 | 加硫前は熱可塑的に加工できる未架橋ゴムであるが、一般的な製品では架橋後に熱硬化性エラストマーとして扱う。シンジオタクチック1,2-ポリブタジエンは熱可塑性材料として扱われる。 |
| 化学式 | (C4H6)n |
| CAS No. | 9003-17-2 |
| 代表構造 | cis-1,4構造、trans-1,4構造及び1,2-ビニル構造を含む。触媒及び重合条件により各構造の比率が変化する。 |
| 構造・主成分 | 1,3-ブタジエンの付加重合体であり、主鎖又は側鎖に炭素-炭素二重結合を有する非極性ポリマーである。 |
| 主な用途 | タイヤ、ベルト、ホース、靴底、防振ゴム、ゴルフボール、ゴム引布、HIPS及びABSの耐衝撃改質材、接着剤、シーラント、塗料、電気・電子材料である。 |
ポリブタジエンは、1,3-ブタジエンを重合して得られる代表的な合成ゴムである。特にcis-1,4構造を多く含む高シスBRは、ガラス転移温度が低く、反発弾性、耐摩耗性、低発熱性及び低温柔軟性に優れる。このため、タイヤ、靴底、ベルト、防振部品及びスポーツ用品などに広く使用される。
一方、ポリブタジエンは分子鎖中に不飽和結合を有するため、酸素、オゾン、紫外線及び熱による酸化劣化を受けやすい。また、非極性ポリマーであるため、水、希薄な酸及びアルカリには比較的安定であるが、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、燃料油及び鉱油では膨潤しやすい。
実用材料の特性は、ミクロ構造、分子量、分子量分布、分岐、加硫方式、架橋密度、カーボンブラック又はシリカの種類と配合量、可塑剤、老化防止剤及び他のゴムとのブレンド比率によって大きく変化する。材料選定では、未加硫ポリマーの値と加硫配合物の値を区別する必要がある。
特徴
長所
- ガラス転移温度が低く、低温でもゴム弾性を維持しやすい。
- 反発弾性が高く、動的変形時の発熱が比較的小さい。
- 適切に補強及び加硫した配合物は、耐摩耗性に優れる。
- 天然ゴム、SBR及びIRなどとのブレンド適性が高い。
- 耐水性及び電気絶縁性が比較的良好である。
- 高シスBR、低シスBR、高ビニルBR、液状BRなど、構造及び形態の選択肢が多い。
- HIPS及びABSの耐衝撃改質材として有用である。
短所
- 未補強又は単独配合では、引張強さ、引裂強さ及び加工時の粘着性が不足しやすい。
- 鉱油、燃料、芳香族炭化水素及び塩素系溶剤で著しく膨潤する場合がある。
- 耐オゾン性、耐候性及び耐熱酸化性はEPDM、シリコーンゴム及びフッ素ゴムより劣る。
- ガス透過性が比較的大きく、気体遮断用シールには適しにくい。
- 未加硫ゴムはコールドフローを生じる場合があり、保管及び搬送条件に注意を要する。
- 一般的な熱可塑性樹脂のような再溶融成形及びマテリアルリサイクルは、加硫後には困難である。
外観
未加硫の標準BRは、一般に淡黄色から乳白色のベール状又はブロック状である。液状BRは無色から淡黄色の粘稠液体である。加硫成形品の色調、表面性及び透明性は、充填材、可塑剤、顔料及び架橋剤に依存する。
耐熱性
一般的な加硫BRの連続使用温度は、配合及び荷重条件によりおおむね70~90℃程度が目安である。耐熱配合、過酸化物架橋及び酸化防止剤の使用により改善できる場合があるが、長時間の高温空気中では硬化、亀裂及び弾性低下を生じやすい。
耐薬品性
水、希薄な無機酸、希薄なアルカリ及び低級アルコールには比較的安定である。一方、トルエン、キシレン、ヘキサン、ガソリン、鉱油、塩素系溶剤などでは膨潤又は軟化しやすい。強酸化剤、濃硝酸、次亜塩素酸塩及び高濃度過酸化物では、二重結合の酸化及び主鎖切断に注意が必要である。
加工性
通常は、ロール又は密閉式混練機で充填材、可塑剤、加硫剤及び各種添加剤を配合し、押出、カレンダー、圧縮成形、トランスファー成形又はゴム射出成形後に加硫する。高シスBRは加工粘着性が低い場合があるため、天然ゴム又はSBRとのブレンド、樹脂系粘着付与剤及び分岐構造の調整などが行われる。
分類上の注意
一般的なBRは加硫して使用する合成ゴムである。一方、高結晶性のシンジオタクチック1,2-ポリブタジエン、液状ポリブタジエン及び末端官能化ポリブタジエンは、一般的な高シスBRとは加工方法及び物性が異なるため、同一の数値で評価してはならない。
構造式
1,3-ブタジエンは、触媒及び重合条件によってcis-1,4付加、trans-1,4付加又は1,2付加を生じる。工業用BRでは、これらの構造比率が低温特性、反発弾性、結晶性、加工性及び架橋反応性を左右する。
モノマー
モノマーは1,3-ブタジエンであり、化学式はCH2=CH-CH=CH2、分子式はC4H6である。
共重合体及び変性材料
- スチレンとの共重合体には、スチレン・ブタジエンゴム及びスチレン系熱可塑性エラストマーがある。
- アクリロニトリルとの共重合体には、アクリロニトリルブタジエンゴムがある。
- ポリスチレン中にBRを分散させた材料には、耐衝撃性ポリスチレンがある。
- SAN樹脂相とBR相を組み合わせた材料には、ABS樹脂がある。
- 末端水酸基、末端カルボキシル基、エポキシ基、無水マレイン酸基などを導入した液状BRは、接着剤、塗料、封止材及び複合材料に使用される。
種類・代表グレード
| 種類・グレード区分 | 主成分又は改質方法 | 長所・物性への影響 | 短所・注意点 | 主な用途 |
|---|---|---|---|---|
| 高シスBR | cis-1,4構造を一般に90%以上含む。ニッケル、コバルト、チタン又はネオジム系触媒などを使用する。 | 反発弾性、耐摩耗性、低発熱性及び低温柔軟性に優れる。 | 単独では加工粘着性及び引裂強さが不足する場合がある。 | タイヤ、ベルト、靴底、ゴルフボール、防振ゴム |
| 低シス・中シスBR | リチウム系触媒などで製造し、cis含有率が高シスBRより低い。 | 分子量、分岐及びビニル含有率を調整しやすく、樹脂改質に使用しやすい。 | 高シスBRと比較して反発弾性及び低発熱性が劣る場合がある。 | HIPS、ABS、タイヤ、工業用ゴム |
| 高ビニルBR | 1,2-ビニル構造を増加させたBRである。 | ガラス転移温度、硬さ、架橋性及び樹脂との相溶性を調整しやすい。 | 低温柔軟性及び反発弾性が低下する場合がある。 | タイヤ配合、樹脂改質、反応性材料 |
| 高分子量・高粘度グレード | 分子量又はムーニー粘度を高めたBRである。 | 耐摩耗性、強度及び動的耐久性を高めやすい。 | 混練負荷及び押出圧力が増加しやすい。 | タイヤ、ベルト、高耐久工業用品 |
| 低粘度・加工性改良グレード | 分子量、分岐又は分子量分布を調整したBRである。 | 混練性、フィラー分散性、押出性及びロール加工性を改善しやすい。 | 強度及び耐摩耗性が低下する場合がある。 | 高充填配合、押出製品、一般工業用品 |
| 油展BR | パラフィン系などのプロセスオイルを添加したBRである。 | 混練性、充填材受入性及び低硬度化に有利である。 | ブリード、揮発、耐油性及び低温特性への影響を確認する必要がある。 | タイヤ、靴底、工業用ゴム |
| シリカ配合対応・末端変性BR | シリカとの相互作用を高める末端基又は官能基を導入する。 | シリカ分散性、低発熱性及び動的特性を改善できる場合がある。 | 保管安定性、混練条件及びシランカップリング剤との反応管理が必要である。 | 低燃費タイヤ、動的ゴム部品 |
| 液状ポリブタジエン | 低分子量BRであり、末端官能基又は側鎖官能基を有する場合がある。 | 低粘度化、反応性付与、柔軟化及び疎水化に利用できる。 | 未反応成分、臭気、ブリード及び架橋不足に注意を要する。 | 接着剤、塗料、シーラント、封止材、樹脂改質 |
| シンジオタクチック1,2-ポリブタジエン | 1,2構造を立体規則的に重合した結晶性ポリブタジエンである。 | 熱可塑性、硬さ、剛性及び耐摩耗性を付与できる。 | 一般的なゴム状高シスBRとは溶融挙動及び加工法が異なる。 | ゴム補強材、フィルム、繊維、複合材料 |
| カーボンブラック補強配合 | カーボンブラックを一般に20~80 phr程度配合する。 | 引張強さ、耐摩耗性、耐疲労性及び導電性を改善しやすい。 | 密度、硬さ、発熱及び電気伝導性が増加する場合がある。 | タイヤ、ベルト、ローラー、防振部品 |
| シリカ補強配合 | シリカ及び必要に応じてシランカップリング剤を配合する。 | ウェットグリップ、低発熱性、色調及び電気絶縁性を調整できる。 | 混練時のシラニゼーション反応、水分及び分散条件の管理が必要である。 | タイヤ、淡色靴底、工業用品 |
成形加工・加工適性
| 加工方法 | 適性 | 主な用途 | 理由・注意点 |
|---|---|---|---|
| 混練・コンパウンド | ◎ | タイヤ、工業用ゴム、補強配合物 | 密閉式混練機又はロールを使用する。フィラー分散、温度上昇及び加硫剤のスコーチを管理する。 |
| 押出成形 | ○ | ホース、チューブ、ベルト、プロファイル | 未加硫コンパウンドを押し出した後、熱風、蒸気、塩浴などで加硫する。ダイスウェルと寸法変化に注意する。 |
| カレンダー成形 | ○ | シート、ゴム引布、タイヤ部材 | ロール温度、粘着性、収縮及び厚み精度を管理する。 |
| 圧縮成形 | ◎ | パッキン、防振部品、靴底、ゴルフボール | 金型内で加圧加熱し、架橋反応を進行させる代表的な方法である。 |
| トランスファー成形 | ○ | 複雑形状のゴム部品、インサート成形品 | 流動性、スコーチ時間及びウェルド部の強度を確認する。 |
| ゴム射出成形 | ○ | 量産シール、防振部品、工業部品 | 一般樹脂用射出成形とは異なり、低温シリンダーから高温金型へ未加硫ゴムを射出して加硫する。 |
| ブロー成形 | × | 通常は適用しない | 一般的な熱可塑性ブロー成形には適さない。特殊なゴム製中空品では別工程を用いる。 |
| インフレーション成形 | × | 通常は適用しない | 標準BRは熱可塑性フィルム用樹脂ではない。 |
| Tダイフィルム成形 | △ | シンジオタクチック1,2-PBなど | 熱可塑性の特殊ポリブタジエンに限られる。標準的な高シスBRには適用しない。 |
| 真空・圧空成形 | × | 通常は適用しない | 加硫BRシートは熱可塑性シートのように再軟化しない。 |
| 注型・硬化成形 | ○ | 液状BR系シーラント、接着剤、封止材 | 液状グレードに架橋剤、触媒又は反応性希釈剤を配合して硬化させる。 |
| 発泡成形 | ○ | 靴底、緩衝材、スポンジゴム | 発泡剤の分解温度と加硫速度のバランスが重要である。 |
| 3Dプリント | △ | 研究用途、液状BR系光硬化又は反応硬化材料 | 標準BRベールを直接造形する方法は一般的ではない。専用配合及び後硬化が必要である。 |
| 切削加工 | △ | 加硫ゴム板、ローラー、試作品 | 弾性変形と発熱により寸法精度が得にくい。冷却、低速加工又は研削が有効な場合がある。 |
| 接着 | △ | ゴム-金属、ゴム-繊維、ゴム-ゴム接合 | 低極性表面であるため、研磨、脱脂、プライマー、塩素化処理又は加硫接着剤が必要となる場合がある。 |
| 塗装・印刷 | △ | 識別表示、表面保護 | 表面移行物、可塑剤、離型剤及び低表面エネルギーに注意する。 |
| 二次加硫 | ○ | 残留成分低減、物性安定化 | 配合によっては熱老化を促進するため、温度及び時間を実配合で確認する。 |
代表的な成形・加硫条件
| 条件項目 | 単位 | 一般的な目安 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 予備乾燥 | - | 通常不要 | 吸湿性は低いが、シリカ配合、液状官能化BR又は水分反応性添加剤を含む場合は水分管理が必要である。 |
| 混練温度 | ℃ | 70~160 | マスターバッチ工程と加硫剤投入工程を分ける。加硫剤投入時はスコーチ防止のため低温側とする。 |
| 押出時コンパウンド温度 | ℃ | 60~110 | 配合及び押出速度により異なる。過熱するとスコーチ、表面荒れ及び寸法不安定を生じる。 |
| 金型加硫温度 | ℃ | 140~180 | 硫黄加硫又は過酸化物架橋系により異なる。 |
| 加硫時間 | min | 2~40 | 製品厚さ、金型温度、加硫系及び熱伝達によって大きく異なる。加硫曲線から適正時間を決定する。 |
| 成形圧力 | MPa | 5~20 | 圧縮成形の一般的目安であり、形状及び金型構造により調整する。 |
| 線収縮率 | % | 1~3 | 配合、加硫条件、製品形状及び離型後の緩和に依存する。実金型で確認する。 |
| 推奨肉厚 | mm | 一般化困難 | ゴム製品では熱伝達と加硫時間が肉厚に強く依存する。厚肉品では内部の加硫不足に注意する。 |
| 二次加硫 | - | 必要に応じて実施 | 過酸化物架橋品、低揮発要求品及び電気・電子用途などで検討する。 |
代表的な物性値又は機械的性質
以下は、主として高シスBRの未加硫原料及び代表的な補強・加硫配合物の一般的な範囲である。未加硫ポリマーと加硫配合物では試験対象が異なるため、同一列の数値として扱ってはならない。比較機能で使用する場合は、材料状態及びグレード区分を分離して登録する必要がある。
未加硫ポリマーの代表値
| 項目 | 単位 | 下限値 | 代表値 | 上限値 | 材料状態 | 備考・データ信頼度 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 密度 | g/cm³ | 0.89 | 0.90 | 0.92 | 未加硫、高シスBR | 23℃付近の代表範囲。A~B |
| 比重 | 無次元 | 0.89 | 0.90 | 0.92 | 未加硫、高シスBR | グレード及び安定剤量により変動する。A~B |
| cis-1,4含有率 | % | 90 | 95 | 98 | 高シスBR | 触媒系に依存する。A |
| ムーニー粘度 ML(1+4) 100℃ | MU | 25 | 45 | 70 | 未加硫 | ISO 289又はASTM D1646相当。グレード依存。A |
| ガラス転移温度 | ℃ | -110 | -105 | -85 | 未加硫 | 高シスBRは低い。ビニル含有率増加により高温側へ移行する。B |
| 融点 | ℃ | 該当なし | 該当なし | 該当なし | 一般的な非晶性BR | 明確な融点を持たない。高trans又は高結晶性1,2-PBは別扱いとする。 |
| 吸水率・24時間 | % | 0.01 | 0.05 | 0.20 | 未充填又は低充填材料 | 配合物では親水性フィラーにより増加する。C |
| 体積抵抗率 | Ω・cm | 1×1014 | 1×1015 | 1×1017 | 未充填又は絶縁配合 | カーボンブラック配合では大幅に低下する。B~C |
代表的な加硫配合物の物性
| 項目 | 単位 | 下限値 | 代表値 | 上限値 | グレード区分 | 試験条件・規格 | 備考・データ信頼度 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 密度 | g/cm³ | 1.00 | 1.12 | 1.30 | 補強・加硫配合物 | 23℃、代表値 | フィラー及びオイル配合量に依存する。B |
| 硬度 | ショアA | 35 | 60 | 90 | 加硫配合物 | ISO 48又はASTM D2240相当 | 架橋密度及びフィラー量により調整可能。B |
| 引張強さ・破断 | MPa | 8 | 16 | 25 | カーボンブラック又はシリカ補強加硫品 | ISO 37又はASTM D412相当、23℃ | 配合、加硫状態及び試験片形状に依存する。B |
| 引張破断伸び | % | 250 | 500 | 750 | 補強・加硫配合物 | ISO 37又はASTM D412相当、23℃ | 硬度及び架橋密度の増加により低下する。B |
| 100%引張応力 | MPa | 1.0 | 2.5 | 6.0 | 補強・加硫配合物 | ISO 37又はASTM D412相当 | 配合及び加硫条件依存。B~C |
| 300%引張応力 | MPa | 4 | 8 | 15 | 補強・加硫配合物 | ISO 37又はASTM D412相当 | 高硬度配合では300%伸長に達しない場合がある。B~C |
| 引裂強さ | kN/m | 15 | 35 | 70 | 補強・加硫配合物 | ISO 34-1又はASTM D624相当 | 天然ゴムより低い場合が多い。B |
| 反発弾性 | % | 55 | 70 | 85 | 高シスBR加硫品 | 23℃、代表値 | 高シスBRの代表的長所である。配合により変化する。B |
| 圧縮永久ひずみ | % | 15 | 35 | 70 | 加硫配合物 | 条件依存 | 温度、圧縮率、時間及び架橋方式を併記しない値の単純比較はできない。C |
| 動摩擦係数 | 無次元 | 0.4 | 0.8 | 1.3 | 加硫配合物 | 乾燥、相手材依存 | 相手材、粗さ、荷重、速度、温度及び潤滑条件で大きく変動する。C |
| 低温使用限界 | ℃ | -80 | -60 | -45 | 高シスBR加硫品 | 配合及び要求変形量依存 | 脆化温度と実用シール限界は一致しない。B~C |
| 連続使用温度 | ℃ | 70 | 80 | 90 | 一般加硫品 | 空気中、低荷重の目安 | 熱老化、酸素濃度、応力及び寿命要求に依存する。C |
| 短時間耐熱温度 | ℃ | 100 | 110 | 120 | 耐熱配合品 | 短時間、無負荷の目安 | 長時間使用温度としては扱わない。C |
| 熱伝導率 | W/(m・K) | 0.13 | 0.20 | 0.35 | 一般加硫品 | 23℃付近 | カーボンブラック及び熱伝導フィラーにより増加する。B~C |
| 線膨張係数 | 10-5/K | 12 | 18 | 25 | 一般加硫品 | 温度範囲依存 | フィラー量及び拘束状態により変化する。C |
| 絶縁破壊強さ | kV/mm | 10 | 20 | 30 | 絶縁配合品 | 厚さ及び試験法依存 | 導電性カーボン配合品には適用できない。C |
| 比誘電率・1 kHz | 無次元 | 2.3 | 2.7 | 3.5 | 未充填又は絶縁配合品 | 1 kHz、23℃付近 | フィラー及び水分に依存する。C |
| 限界酸素指数 | % | 17 | 18 | 20 | 一般配合品 | 代表範囲 | 可燃性であり、難燃グレードを除き自己消火性は期待しにくい。C |
| UL 94燃焼性 | 等級 | データなし | グレード依存 | データなし | 特定認証グレード | 厚さ及び色の確認が必要 | 材料群全体の等級として扱わない。 |
強化・改質配合物の比較
| 配合区分 | 密度 g/cm³ | 硬度 ショアA | 引張強さ MPa | 破断伸び % | 主な特徴 |
|---|---|---|---|---|---|
| 非補強加硫品 | 0.90~1.00 | 30~50 | 1~5 | 400~900 | 柔軟であるが、強度及び耐摩耗性が不足しやすい。 |
| カーボンブラック補強品 | 1.05~1.25 | 50~85 | 10~25 | 250~650 | 耐摩耗性、強度及び疲労耐久性を高めやすい。 |
| シリカ補強品 | 1.05~1.25 | 45~80 | 8~22 | 250~700 | 低発熱、淡色化及び動的特性の調整に使用される。 |
| 高結晶性1,2-PB複合品 | 0.95~1.15 | 60~95 | グレード依存 | グレード依存 | 硬さ、剛性、押出寸法安定性及び耐亀裂成長性を改善できる場合がある。 |
| GF・CF強化品 | 一般化困難 | 一般化困難 | データなし | データなし | 標準的なBR単独の代表グレードではない。短繊維又は織布との複合化は用途別配合として扱う。 |
耐薬品性
以下の評価は、一般的な加硫BRを23℃付近で短時間から中時間接触させた場合の目安である。実際の耐薬品性は、薬品濃度、温度、接触時間、浸漬又は飛沫接触、応力、架橋密度、フィラー、可塑剤及び他ゴムとのブレンドにより変化する。
| 薬品分類 | 代表薬品 | 濃度 | 温度 | 接触条件 | 評価 | 主な劣化形態 | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 水 | 水道水、純水 | - | 23℃ | 浸漬 | ◎ | 影響は比較的小さい | 配合剤の抽出及び長期浸漬後の物性を確認する。 |
| 温水 | 温水 | - | 60~80℃ | 連続浸漬 | ○ | 熱酸化、添加剤抽出 | 長期使用では硬化及び強度低下を確認する。 |
| 熱水・蒸気 | 熱水、飽和蒸気 | - | 100℃以上 | 連続又は反復 | △ | 熱老化、酸化、弾性低下 | EPDMなどの方が適する場合が多い。 |
| 希塩酸 | 塩酸 | 10%以下 | 23℃ | 浸漬 | ○ | 長期で添加剤抽出又は物性変化 | 濃度及び温度上昇時は実液試験を行う。 |
| 希硫酸 | 硫酸 | 10%以下 | 23℃ | 浸漬 | ○ | 長期で表面変化 | 濃硫酸及び高温では評価が低下する。 |
| 濃硫酸 | 硫酸 | 50%以上 | 23℃以上 | 浸漬 | × | 酸化、硬化、亀裂 | 濃度及び発熱に注意する。 |
| 硝酸 | 硝酸 | 希薄~濃厚 | 23℃ | 浸漬 | × | 酸化、主鎖切断、硬化 | 強酸化性のため不適である。 |
| 有機酸 | 酢酸 | 10%以下 | 23℃ | 浸漬 | ○ | 軽微な膨潤又は添加剤抽出 | 高濃度及び高温では確認が必要である。 |
| 強アルカリ | 水酸化ナトリウム | 10%以下 | 23℃ | 浸漬 | ◎ | 影響は比較的小さい | 高温、高濃度及び酸化剤併用条件を除く。 |
| 強アルカリ | 水酸化カリウム | 10%以下 | 23℃ | 浸漬 | ◎ | 影響は比較的小さい | 配合剤及び金属接着層への影響を確認する。 |
| 低級アルコール | メタノール、エタノール、IPA | 50%以下 | 23℃ | 浸漬 | ○ | 軽微な膨潤、添加剤抽出 | 燃料アルコール混合物では炭化水素成分の影響を受ける。 |
| 多価アルコール | グリセリン、プロピレングリコール | 原液 | 23℃ | 浸漬 | ◎ | 影響は比較的小さい | 高温冷却液では添加剤及び酸化生成物の影響を確認する。 |
| グリコールエーテル | MMB、ブチルセロソルブ | 原液 | 23℃ | 浸漬 | △ | 膨潤、軟化、添加剤抽出 | 溶剤構造により差が大きい。 |
| 芳香族炭化水素 | トルエン、キシレン | 原液 | 23℃ | 浸漬 | × | 著しい膨潤、軟化、強度低下 | SP値が近く、溶解又は膨潤しやすい。 |
| 脂肪族炭化水素 | ヘキサン、ヘプタン | 原液 | 23℃ | 浸漬 | × | 著しい膨潤、可塑剤抽出 | 短時間接触でも寸法及び硬度変化を確認する。 |
| ケトン | アセトン、MEK | 原液 | 23℃ | 浸漬 | △ | 膨潤、添加剤抽出 | 炭化水素系溶剤より影響が小さい場合があるが、配合依存である。 |
| エステル | 酢酸エチル、酢酸ブチル | 原液 | 23℃ | 浸漬 | △ | 膨潤、軟化 | 長時間接触には推奨しにくい。 |
| エーテル | THF、ジエチルエーテル | 原液 | 23℃ | 浸漬 | × | 著しい膨潤又は溶解 | 未架橋BRでは溶解する可能性が高い。 |
| 塩素系溶剤 | ジクロロメタン、クロロホルム、トリクロロエチレン | 原液 | 23℃ | 浸漬 | × | 著しい膨潤、軟化、溶解 | 使用を避けることが望ましい。 |
| 燃料 | ガソリン、ナフサ | 市販又は標準燃料 | 23℃ | 浸漬 | × | 膨潤、硬度低下、強度低下 | NBR又はFKMなどを比較検討する。 |
| 軽油・灯油 | 軽油、灯油 | 市販品 | 23℃ | 浸漬 | × | 膨潤、軟化 | 連続接触用途には適しにくい。 |
| 潤滑油・鉱油 | エンジン油、ギヤ油、鉱物油 | 市販品 | 23~100℃ | 浸漬 | × | 膨潤、軟化、添加剤抽出 | 油種及び温度により影響が大きい。 |
| シリコーン油 | ポリジメチルシロキサン | 原液 | 23℃ | 浸漬 | △ | 膨潤又は表面変化 | 粘度及び温度により異なる。 |
| ブレーキ液 | グリコール系ブレーキ液 | 市販品 | 23~120℃ | 浸漬 | △ | 膨潤、硬化又は添加剤抽出 | 実液及び高温条件で確認する。 |
| 塩水・海水 | 3.5%塩化ナトリウム水溶液、海水 | 約3.5% | 23℃ | 浸漬 | ◎ | 影響は比較的小さい | 金属接着部及び補強材の腐食に注意する。 |
| 食品油 | 植物油、動物油 | 原液 | 23~100℃ | 浸漬 | △ | 膨潤、軟化 | 油種、酸化状態及び温度で変化する。 |
| 界面活性剤 | 中性洗剤 | 1~5% | 23~60℃ | 浸漬 | ○ | 添加剤抽出、表面変化 | 溶剤、酸化剤又は強アルカリを含む洗浄剤は別途評価する。 |
| 次亜塩素酸塩 | 次亜塩素酸ナトリウム | 100~1000 ppm | 23℃ | 短時間接触 | △ | 表面酸化、硬化、亀裂 | 濃度、pH、温度及び繰返し回数を確認する。 |
| 過酸化物 | 過酸化水素 | 3%以上 | 23℃ | 浸漬 | △ | 酸化、硬化、強度低下 | 高濃度及び高温では不適となる可能性が高い。 |
評価基準は、◎:一般的な条件で影響が小さい、○:概ね使用可能であるが条件確認が必要、△:膨潤、軟化、強度低下、変色又は酸化に注意、×:著しい膨潤、溶解、分解又は割れが生じる可能性が高い、-:データなし又は評価困難、である。
SP値(溶解度パラメータ)
ポリブタジエンの代表的なSP値は、約17.0~17.6 MPa1/2であり、代表値として約17.2 MPa1/2が用いられる場合がある。従来単位では、おおむね8.3 cal1/2/cm3/2に相当する。
SP値は非極性溶剤に対する膨潤傾向の一次スクリーニングには有用であるが、架橋密度、結晶性、分子量、温度、混合溶剤、酸化反応、添加剤抽出及び応力状態を表現できない。SP値差だけで耐薬品性を確定してはならない。
溶解性の目安
| SP値差 MPa1/2 | 溶解・膨潤の目安 | 判定 |
|---|---|---|
| 0~2未満 | 未架橋材は溶解しやすく、架橋材は著しく膨潤・軟化しやすい。 | × |
| 2~5未満 | 条件により膨潤、軟化、添加剤抽出又は強度低下を生じる。 | △ |
| 5~8未満 | 短時間接触では比較的安定な場合があるが、長時間及び高温では確認が必要である。 | ○ |
| 8以上 | SP値だけからは溶解・膨潤しにくいと推定される。 | ◎ |
SP値から見た耐溶剤性
| 溶剤 | 代表SP値 MPa1/2 | BRとのSP値差 | 評価 | 実用上の注意 |
|---|---|---|---|---|
| n-ヘキサン | 14.9 | 2.3 | × | 非極性炭化水素であり、実際には著しく膨潤しやすい。 |
| n-ヘプタン | 15.3 | 1.9 | × | 加硫ゴムの標準膨潤試験液としても使用される。 |
| シクロヘキサン | 16.8 | 0.4 | × | SP値が非常に近く、膨潤又は溶解しやすい。 |
| トルエン | 18.2 | 1.0 | × | 未架橋BRは溶解し、架橋BRは著しく膨潤する。 |
| キシレン | 18.0 | 0.8 | × | 芳香族炭化水素であり、長時間接触には不適である。 |
| 酢酸エチル | 18.6 | 1.4 | △ | SP値差は小さいが、極性成分も影響する。配合物では膨潤試験が必要である。 |
| MEK | 19.0 | 1.8 | △ | 膨潤及び添加剤抽出に注意する。 |
| アセトン | 19.9 | 2.7 | △ | 架橋及び配合により影響が変わる。 |
| IPA | 23.5 | 6.3 | ○ | 短時間では比較的安定であるが、長期浸漬及び高温では確認する。 |
| エタノール | 26.0 | 8.8 | ◎ | SP値上は良好であるが、燃料混合物では炭化水素成分の影響を受ける。 |
| 水 | 47.9 | 30.7 | ◎ | 加水分解は生じにくいが、温水では熱老化及び添加剤抽出に注意する。 |
SP値から得られる判定と実際の耐薬品性が一致しない場合がある。特に、酸化剤、強酸、次亜塩素酸塩、過酸化物、混合燃料及び界面活性剤を含む洗浄剤では、化学反応、添加剤抽出及び界面現象を含めた実液試験が必要である。
耐候性・環境耐久性
| 評価項目 | 評価 | 主な挙動 | 対策・注意点 |
|---|---|---|---|
| 紫外線耐候性 | × | 表面硬化、亀裂、変色及び強度低下を生じやすい。 | カーボンブラック、紫外線吸収剤、HALS、ワックス及び表面被覆を検討する。 |
| 耐オゾン性 | × | 引張ひずみ下でオゾンクラックを生じやすい。 | オゾン劣化防止剤、ワックス又はEPDMとの材料変更を検討する。 |
| 熱酸化老化性 | △ | 硬化、脆化、亀裂又は主鎖切断を生じる。 | 酸化防止剤、金属不活性化剤、低温設計及び酸素遮断を検討する。 |
| 耐加水分解性 | ◎ | 主鎖に加水分解性結合を持たない。 | 水中でも熱酸化及び配合剤抽出は生じ得る。 |
| 耐塩水性 | ◎ | ポリマー自体への影響は比較的小さい。 | 金属補強材及び接着界面の腐食を評価する。 |
| 耐放射線性 | △ | 架橋及び主鎖切断により硬化又は脆化する。 | 線量、線量率、酸素及び温度を含めた実使用条件で確認する。 |
| 真空適性 | △ | 可塑剤、未反応物及び低分子成分がアウトガスとなる場合がある。 | 低揮発配合、二次加硫及び真空中質量減少試験を実施する。 |
接合・表面処理適性
| 処理・接合方法 | 適性 | 特徴 | 主な注意点 |
|---|---|---|---|
| 加硫接着 | ◎ | 未加硫ゴムと金属、繊維又は他ゴムを加硫時に一体化する。 | 専用プライマー、接着剤及び表面処理を使用し、加硫条件を適合させる。 |
| 接着剤接合 | △ | 加硫後の補修及び組立に使用できる。 | 表面研磨、脱脂、塩素化処理又はプライマーが必要となる場合がある。 |
| 溶剤接着 | △ | 未加硫BR又はゴムセメントに利用される。 | 炭化水素系溶剤による過度の膨潤、残留溶剤及び安全性に注意する。 |
| 機械締結 | ○ | 金具、クランプ及び補強布との組合せに用いる。 | 局所圧縮、引裂き、クリープ及び締付け過多に注意する。 |
| コロナ・プラズマ処理 | ○ | 表面エネルギーを高め、濡れ性及び接着性を改善できる。 | 処理効果の経時低下及び過処理による表面劣化を確認する。 |
| フレーム処理 | △ | 表面酸化により濡れ性を改善できる場合がある。 | 熱損傷、発火及び処理均一性に注意する。 |
| 塗装・印刷 | △ | 専用インキ又は柔軟性塗料を使用する。 | 可塑剤移行、表面ブルーム及び繰返し変形による剥離を評価する。 |
| めっき・蒸着 | × | 一般的用途では適用しにくい。 | 大変形、低表面エネルギー及び熱膨張差により密着性を確保しにくい。 |
寸法精度・設計特性
- ゴム弾性体であるため、弾性率は温度、周波数、ひずみ速度及び予備履歴に依存する。
- 圧縮又は引張荷重を長時間受ける部品では、クリープ、応力緩和及び圧縮永久ひずみを考慮する。
- 金属及び樹脂より線膨張係数が大きいため、温度変化による寸法変化を見込む必要がある。
- 溶剤又は油への接触では、膨潤により寸法、硬度及び接触圧が変化する。
- 鋭角、薄肉端部、ノッチ、ねじ部及びインサート端部では応力集中による引裂きを生じやすい。
- 締結部では座面を広くし、過度な締付けを避け、必要に応じて金属カラー又はワッシャーを使用する。
- 短時間の引張強さを設計許容応力として直接使用してはならない。温度、寿命、繰返し荷重、薬品及びばらつきを考慮した安全率が必要である。
品質・成形不良
| 不良現象 | 材料側の主な要因 | 加工条件側の主な要因 | 主な対策 |
|---|---|---|---|
| フィラー分散不良 | 高粘度、フィラー凝集、カップリング不足 | 混練時間不足、投入順序不適、温度不足 | 混練工程、ローター条件、投入順序、温度及びシラン反応条件を最適化する。 |
| スコーチ | 加硫促進剤過多、スコーチ安全性不足 | 混練、押出又は滞留温度が高い | 加硫剤を低温工程で投入し、冷却、滞留時間及び配合を見直す。 |
| 加硫不足 | 加硫剤不足、架橋阻害物質、配合誤差 | 温度不足、時間不足、厚肉部への熱伝達不足 | レオメーターで適正加硫時間を確認し、中心温度を測定する。 |
| 過加硫・リバージョン | 加硫系の耐熱性不足 | 温度過大、加硫時間過長 | 有効加硫系又は過酸化物系を検討し、温度及び時間を適正化する。 |
| 表面荒れ・メルトフラクチャー状外観 | 高粘度、フィラー分散不良、低可塑化 | 押出速度過大、ダイ設計不適、温度不適 | 配合粘度、押出速度、ダイ形状及び温度分布を調整する。 |
| ダイスウェル・寸法不良 | 弾性回復が大きい、分子量が高い | せん断速度過大、引取り条件不適 | ダイ寸法、押出速度、温度及び引取り比を実機で補正する。 |
| 気泡・ボイド | 水分、揮発分、発泡剤残留 | 脱気不足、圧力不足、加硫速度不均衡 | 材料保管、真空脱気、成形圧力及び加硫条件を見直す。 |
| ブルーム | 硫黄、促進剤、ワックス又は可塑剤の相溶限界超過 | 保管温度、急冷、加硫不足 | 添加量を調整し、低ブルーム配合及び適正加硫を採用する。 |
| 金型汚染 | 低分子成分、加硫副生成物、離型剤過多 | 金型温度過大、清掃周期不足 | 低汚染配合、離型剤量、排気及び清掃条件を最適化する。 |
| 接着不良 | 表面移行物、低極性、接着剤不適合 | 脱脂不足、プライマー乾燥不良、加硫条件不適 | 表面処理、接着剤、乾燥時間及び加硫条件を確認する。 |
注意点・劣化及び故障モード
| 劣化現象 | 主な原因 | 発生しやすい条件 | 外観・性能への影響 | 予防策 | 推奨確認試験 |
|---|---|---|---|---|---|
| 熱酸化劣化 | 二重結合の酸化、架橋増加又は主鎖切断 | 高温、空気中、金属イオン接触 | 硬化、亀裂、伸び低下、強度低下 | 酸化防止剤、温度低減、金属不活性化剤を使用する。 | 熱老化後の硬度、引張強さ、伸び及び質量変化を測定する。 |
| オゾンクラック | オゾンによる二重結合の切断 | 引張ひずみ、屋外、モーター周辺 | ひずみ方向に直角な亀裂 | オゾン劣化防止剤、ワックス、被覆又はEPDMへの変更を検討する。 | 静的又は動的オゾン試験を行う。 |
| 紫外線劣化 | 光酸化反応 | 屋外、直射日光、高温 | 変色、表面粉化、硬化、亀裂 | カーボンブラック、UV吸収剤、HALS及び表面塗膜を使用する。 | キセノンアーク又はサンシャインウェザーメーター試験を行う。 |
| 油・溶剤膨潤 | 非極性液体のポリマー内部への拡散 | 燃料、鉱油、トルエン、ヘキサンとの接触 | 体積増加、軟化、強度低下、シール圧変化 | NBR又はFKMへの変更、接触時間短縮、遮断層を検討する。 | 実液浸漬後の体積、質量、硬度、引張特性を測定する。 |
| 添加剤抽出 | 洗浄剤、溶剤、水又は油による低分子成分の抽出 | 高温液体、長時間浸漬、繰返し洗浄 | 硬化、収縮、表面粘着、溶出 | 低抽出配合、反応性可塑剤又は高分子量添加剤を検討する。 | 抽出物量、質量変化、溶出物及び物性保持率を測定する。 |
| 疲労亀裂 | 繰返しひずみによる亀裂成長 | 屈曲、振動、引裂き起点、発熱 | 表面亀裂、剥離、破断 | 応力集中低減、適正フィラー、NRとのブレンド及び低発熱化を行う。 | 屈曲疲労、亀裂成長及び実部品耐久試験を行う。 |
| クリープ・応力緩和 | 粘弾性的な分子鎖移動 | 長時間荷重、高温、低架橋密度 | 締付け力低下、寸法変化、シール性低下 | 架橋密度、断面形状、圧縮率及び使用温度を最適化する。 | 実温度及び実荷重で圧縮永久ひずみと応力緩和を測定する。 |
| ブルーム・ブリード | 添加剤の相溶限界超過及び表面移行 | 温度変化、過剰配合、長期保管 | 白化、油状表面、接着不良、汚染 | 添加量、添加剤種類及び加硫条件を見直す。 | 促進保管後の外観、表面分析及び接着性を確認する。 |
| アウトガス | 可塑剤、残留溶剤、低分子オリゴマー及び加硫副生成物 | 真空、高温、密閉電子機器 | 曇り、接点汚染、真空度低下 | 低揮発配合、二次加硫及び真空ベークを検討する。 | TML、CVCM、GC-MS又は実機曇り試験を行う。 |
推奨確認試験
- 実薬品を用い、使用濃度、温度及び接触時間で浸漬試験を行い、質量、体積、硬度、引張強さ及び伸びの変化を確認する。
- シール、ベルト及び防振部品では、実荷重及び実温度で圧縮永久ひずみ、応力緩和、クリープ及び疲労試験を行う。
- 屋外用途では、オゾン試験及び紫外線促進耐候試験を行い、亀裂、変色、硬度及び伸び保持率を確認する。
- 摺動用途では、相手材、表面粗さ、荷重、速度、温度及び潤滑条件を合わせて摩擦摩耗試験を行う。
- 金属接着品では、熱老化、湿熱、塩水及び薬品浸漬後の接着強度を確認する。
- 電気・電子用途では、体積抵抗率、絶縁破壊強さ、難燃性、アウトガス及びイオン性不純物を確認する。
製法
工業用ポリブタジエンは、主として精製した1,3-ブタジエンを炭化水素系溶媒中で配位重合又はアニオン重合して製造する。触媒として、ネオジム、ニッケル、コバルト、チタン又は有機リチウム系などが使用され、触媒系によりcis-1,4、trans-1,4及び1,2-ビニル構造の比率が制御される。
原料
- 1,3-ブタジエン
- ヘキサン、シクロヘキサンなどの炭化水素系溶媒
- ネオジム、ニッケル、コバルト、チタン又は有機リチウム系触媒
- 分子量調整剤、反応停止剤及び酸化防止剤
重合方法
高シスBRは、配位触媒を用いた溶液重合で製造されることが多い。低シスBR及び構造制御BRでは、有機リチウム系触媒を用いたアニオン重合が使用される場合がある。乳化重合BRも存在するが、現在の主要なタイヤ用高シスBRとはゲル分、分岐及び加工性が異なる。
コンパウンド化
ポリマーはベール状で供給され、カーボンブラック、シリカ、プロセスオイル、酸化亜鉛、ステアリン酸、硫黄、加硫促進剤、過酸化物、老化防止剤、オゾン劣化防止剤及び加工助剤などを混練して使用する。GF又はCFによる短繊維強化は一般的な標準グレードではなく、特殊複合配合として扱う。
詳細な利用用途
| 分野 | 具体的用途 | 採用理由 | 主な注意点 |
|---|---|---|---|
| 自動車・タイヤ | タイヤトレッド、サイドウォール、ビード周辺部材、ホース、ベルト | 耐摩耗性、反発弾性、低発熱性及び低温特性 | 単独配合ではウェットグリップ、引裂強さ及び加工性の調整が必要である。 |
| 機械・産業部品 | コンベヤベルト、防振ゴム、ローラー、カップリング、ゴム引布 | 動的耐久性、耐摩耗性及び反発弾性 | 油、燃料、オゾン及び高温雰囲気には注意する。 |
| スポーツ用品 | ゴルフボールコア、スポーツ用ボール、靴底 | 高い反発性、耐摩耗性及び低温柔軟性 | 硬度、架橋密度及び反発係数を配合で調整する。 |
| 樹脂改質 | HIPS、ABS、エポキシ樹脂及び熱硬化性樹脂の耐衝撃改質 | ゴム相によるクレーズ及びせん断降伏の誘起 | 粒子径、グラフト率、相溶性及び熱酸化安定性を管理する。 |
| 接着剤・シーラント | ゴム系接着剤、反応性シーラント、粘着剤改質 | 柔軟性、疎水性及び反応性二重結合 | 耐候性、溶剤残留、酸化及び接着界面を確認する。 |
| 塗料・コーティング | 反応性希釈剤、柔軟化材、防食塗料及び電着材料の改質 | 柔軟性、疎水性、架橋反応性及び低粘度化 | 黄変、酸化、硬化収縮、未反応成分及び密着性を確認する。 |
| 電気・電子 | 封止材、絶縁コンパウンド、基板材料改質 | 低吸水性、低極性、柔軟性及び電気絶縁性 | 難燃性、アウトガス、イオン性不純物及び熱酸化性を確認する。 |
| 建築・設備 | 防振材、目地材、シート及び接着材料 | 柔軟性、衝撃吸収性及び耐水性 | 屋外では耐候対策が必要である。 |
| 医療・食品機械 | 限定的なガスケット、緩衝材及び接着材料 | 柔軟性及び低温特性 | 抽出物、溶出、臭気、滅菌耐久性及び個別グレードの法規制適合確認が必要である。 |
用途別選定
| 用途 | 適性 | 評価理由 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| タイヤ | ◎ | 耐摩耗性、反発弾性、低発熱性及び低温特性に優れる。 | NR、SBR及びシリカなどとの配合設計が一般的である。 |
| ベルト・ローラー | ◎ | 耐摩耗性及び動的耐久性に優れる。 | 油、オゾン及び発熱条件を確認する。 |
| 防振部品 | ○ | 低温柔軟性及び反発弾性が良い。 | 減衰性が不足する場合があり、ブレンド又は配合調整が必要である。 |
| 軸受・ブッシュ | △ | 柔軟性及び耐摩耗性を利用できる。 | 摩擦、発熱、油膨潤及びクリープを確認する。 |
| シール・ガスケット | △ | 低温柔軟性は良い。 | 油、燃料、オゾン、圧縮永久ひずみ及びガス透過性に注意する。 |
| Oリング | × | 特殊用途を除き一般的なOリング材料としては使用頻度が低い。 | NBR、EPDM、VMQ又はFKMを使用環境に応じて比較する。 |
| ホース・チューブ | △ | 柔軟性及び耐摩耗性を利用できる。 | 油、燃料、ガス透過、オゾン及び補強層との接着を確認する。 |
| フィルム・シート | △ | ゴムシート又は特殊な1,2-PBフィルムとして利用できる。 | 一般熱可塑性フィルムとは加工法が異なる。 |
| 電気絶縁部品 | ○ | 未充填又は絶縁配合では体積抵抗率が高い。 | 耐候性、難燃性、熱老化及びカーボン配合の影響を確認する。 |
| 屋外部品 | × | 無対策では紫外線及びオゾンに弱い。 | 耐候配合又はEPDMなどへの変更を検討する。 |
| 燃料系部品 | × | ガソリン及び炭化水素で著しく膨潤する。 | NBR、HNBR又はFKMを比較する。 |
| 食品機械部品 | △ | 適合配合を設計できる場合がある。 | 食品接触適合は個別グレード、添加剤及び使用条件の証明書確認が必要である。 |
| 医療機器部品 | △ | 限定的な適合グレード又は液状材料が使用される場合がある。 | ISO 10993、抽出物、溶出物、滅菌及び製造管理を個別確認する。 |
| 接着剤・シーラント | ○ | 液状BR及び官能化BRは柔軟性と反応性を付与できる。 | 耐候性、酸化、硬化率及び接着性を確認する。 |
| 塗料・コーティング | ○ | 柔軟化、疎水化及び架橋成分として使用できる。 | 黄変、乾燥性、酸化劣化及び長期密着性を確認する。 |
| 複合材料マトリックス | △ | 液状官能化BRは柔軟化及び耐衝撃改質に利用できる。 | 単独で高剛性構造材のマトリックスとする用途には適しにくい。 |
用途評価は材料群としての一般的傾向である。実使用では、グレード、配合、架橋方式、荷重、応力、温度、薬品濃度、湿度、使用時間、試験片形状、成形条件及び法規制を確認する必要がある。
法規制・認証
| 法規制・認証 | 一般的な位置付け | 確認事項 |
|---|---|---|
| RoHS | 対応可能なグレードが存在する | ポリマーだけでなく、加硫剤、顔料、金属酸化物、可塑剤及び再生材を含む完成配合で確認する。 |
| REACH・SVHC | 個別配合の確認が必要 | 残留モノマー、プロセスオイル、促進剤、老化防止剤及び不純物を確認する。 |
| ELV | 自動車用途で対応可能 | 完成部品及び配合物について顧客規格を確認する。 |
| PFAS関連規制 | BRポリマー自体は通常フッ素を含まない | 加工助剤、離型剤、表面処理剤及び他材料の含有を個別確認する。 |
| FDA食品接触 | 適合可能な特定配合が存在し得る | 材料名だけでは適合を断定できない。使用条件、添加剤及び抽出条件を確認する。 |
| 日本の食品衛生法・ポジティブリスト | 個別グレード及び完成配合の確認が必要 | 食品接触部品では供給者の適合証明書及び使用温度・食品区分を確認する。 |
| USP Class VI・ISO 10993 | 材料群全体としての認証ではない | 特定グレード、配合、色及び最終製品で生物学的安全性を評価する。 |
| UL認証 | 特定配合及び厚さに限定される | UL 94、RTI及び電気特性は認証グレードごとに確認する。 |
| ハロゲンフリー | BRポリマー自体は通常ハロゲンを含まない | 難燃剤、顔料、架橋剤及び添加剤を含む完成配合で確認する。 |
環境・リサイクル性
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 熱的分類 | 未架橋状態では熱可塑的に変形するが、一般的な加硫品は三次元架橋構造を持つ熱硬化性エラストマーである。 |
| マテリアルリサイクル | 加硫後は再溶融できない。粉砕ゴム、再生ゴム、脱硫ゴム又は充填材として再利用される場合がある。 |
| ケミカルリサイクル | 熱分解油、モノマー又は化学原料への変換が研究・実用化されているが、回収物の品質及びエネルギー負荷を確認する必要がある。 |
| サーマルリサイクル | 炭化水素系で発熱量を有する。燃焼条件によって一酸化炭素、すす及び有機分解生成物が発生するため、適切な燃焼設備が必要である。 |
| 再生材使用 | 粉砕材又は脱硫材を配合できる場合があるが、引張強さ、伸び、疲労耐久性及び外観が低下する可能性がある。 |
| バイオベース | 一般的なBRは石油由来ブタジエンを原料とする。バイオ由来ブタジエンを用いる技術開発例があるが、供給及び認証は製品ごとに確認する。 |
| 生分解性 | 一般に生分解性材料としては扱わない。 |
| 識別表示 | 一般的な熱可塑性プラスチックの樹脂識別コードには該当しにくく、ゴム種としてBRと表示する。 |
価格・供給性
| 項目 | 一般的な評価 |
|---|---|
| 相対価格 | 比較的低価格から中価格である。触媒系、末端変性、液状官能化及び特殊構造グレードは高価格となる場合がある。 |
| 流通性 | タイヤ及び工業用ゴム向けの主要合成ゴムとして、世界的な流通性は比較的高い。 |
| 国内入手性 | 国内メーカー及び輸入品が流通しているが、用途、年間数量及びグレードによって販売条件が異なる。 |
| 供給形態 | ベール、ブロック、液状、ラテックス、コンパウンド又はマスターバッチなどで供給される。 |
| 少量購入 | 標準ベールは工業用包装単位が大きい場合がある。液状BR又は試験用材料は販売代理店で小分け入手できる場合がある。 |
| 価格変動要因 | ブタジエン市況、原油・ナフサ価格、触媒、エネルギー、物流、購入量、契約期間及び地域に依存する。 |
比較用評価スコア
| 評価項目 | スコア | 評価理由 |
|---|---|---|
| 引張強度 | 3 | 補強配合では実用強度を得られるが、単独では天然ゴムより低い場合がある。 |
| 剛性 | 1 | 柔軟なゴム材料であり、構造用剛性材料には適さない。 |
| 衝撃吸収性 | 4 | 低温でも柔軟性を維持し、樹脂の耐衝撃改質に使用される。 |
| 反発弾性 | 5 | 高シスBRは代表的な高反発材料である。 |
| 耐熱性 | 2 | 一般的な連続使用温度は比較的低く、熱酸化を受けやすい。 |
| 低温特性 | 5 | ガラス転移温度が低く、低温柔軟性に非常に優れる。 |
| 耐薬品性 | 2 | 水、酸及びアルカリには比較的良好であるが、油及び炭化水素溶剤に弱い。 |
| 耐候性 | 1 | 不飽和結合により紫外線及びオゾン劣化を受けやすい。 |
| 耐加水分解性 | 5 | 主鎖にエステル、アミド又はウレタン結合を持たず、加水分解しにくい。 |
| 寸法安定性 | 2 | 粘弾性、熱膨張、クリープ及び溶剤膨潤の影響を受ける。 |
| 低吸水性 | 5 | 非極性炭化水素系ポリマーであり、吸水性は低い。 |
| 耐摩耗性 | 5 | 適切な補強配合では非常に良好である。 |
| 電気絶縁性 | 4 | 未充填又は非導電配合では比較的良好である。 |
| 難燃性 | 1 | 炭化水素系であり、一般配合は可燃性である。 |
| 透明性 | 2 | 未充填材料は半透明となる場合があるが、実用品は補強配合により不透明であることが多い。 |
| 成形加工性 | 3 | ゴム加工法には適するが、一般的な熱可塑性樹脂の成形設備には適さない。 |
| 切削加工性 | 2 | 弾性変形及び発熱により高精度加工が難しい。 |
| 接着性 | 2 | 低極性表面であり、前処理及び専用接着剤が必要となる場合が多い。 |
| リサイクル性 | 2 | 加硫後は再溶融できないが、粉砕、脱硫及び熱分解による再利用が可能な場合がある。 |
| 価格優位性 | 4 | 主要合成ゴムとして比較的流通量が多く、特殊ゴムより価格競争力を得やすい。 |
スコアは、5:非常に優れる、4:優れる、3:標準的、2:やや劣る、1:劣る、0:評価不能又はデータなし、を示す。特定の高性能グレードではなく、材料群全体の一般的傾向を評価したものである。
関連材料との比較
| 比較材料 | 主な特徴 | ポリブタジエンとの違い | 選定の目安 |
|---|---|---|---|
| 天然ゴム | 引張強さ、引裂強さ、疲労耐久性及び加工粘着性に優れる。 | BRは低温特性、耐摩耗性及び反発弾性に優れるが、引裂強さはNRより低い場合がある。 | タイヤ及び動的部品ではNRとBRをブレンドして特性を補完することが多い。 |
| イソプレンゴム | 合成ポリイソプレンであり、天然ゴムに近い構造と特性を持つ。 | BRはIRより低温柔軟性及び耐摩耗性に優れる場合があるが、加工粘着性は劣りやすい。 | 均一性及び低不純物を重視する場合はIR、耐摩耗性を重視する場合はBRを検討する。 |
| スチレン・ブタジエンゴム | 耐摩耗性、加工性、価格及び物性バランスに優れる汎用合成ゴムである。 | BRはSBRより低温特性、反発弾性及び低発熱性に優れる。SBRはウェットグリップ及び加工性を調整しやすい。 | タイヤではSBRとBRを要求特性に応じて併用する。 |
| アクリロニトリルブタジエンゴム | 耐油性及び耐燃料性に優れる極性ゴムである。 | BRは低温柔軟性及び反発弾性に優れるが、鉱油及び燃料には弱い。 | 油接触用途はNBR、耐摩耗及び低温反発用途はBRを優先する。 |
| エチレンプロピレンジエンゴム | 耐候性、耐オゾン性、耐熱水性及び電気絶縁性に優れる。 | BRは耐摩耗性及び反発弾性に優れるが、屋外耐久性はEPDMより劣る。 | 屋外シール及び温水用途はEPDM、タイヤ及び高反発用途はBRを検討する。 |
| クロロプレンゴム | 耐候性、難燃性、接着性及び中程度の耐油性を持つ。 | BRは低温特性及び反発弾性に優れるが、CRは耐候性及び難燃性に優れる。 | 屋外、難燃及び接着用途はCR、耐摩耗及び反発用途はBRを比較する。 |
| シリコーンゴム | 耐熱性、耐寒性、耐候性及び電気特性に優れる。 | BRは耐摩耗性、機械強度及び価格で有利な場合がある。シリコーンゴムは高温及び屋外耐久性に優れる。 | 広い温度範囲及び耐候性はシリコーンゴム、タイヤ及び摩耗用途はBRを検討する。 |
| 耐衝撃性ポリスチレン | ポリスチレン中にBR粒子を分散させた熱可塑性樹脂である。 | HIPSは剛性を有する成形樹脂であり、BRはHIPSの耐衝撃性を付与するゴム成分である。 | 射出成形又はシート成形品にはHIPS、弾性ゴム部品にはBRを使用する。 |
代表的なメーカー
| メーカー | 代表製品・ブランド例 | 概要 |
|---|---|---|
| ENEOSマテリアル株式会社 | BR 01、BR T700、BR 730、BR 54 | 高シスBRを展開する国内メーカーであり、タイヤ、ベルト、ホース、履物及び工業用品向けのグレードを扱う代表例である。 |
| UBEエラストマー株式会社 | UBEPOL BR、UBEPOL VCR | 高シスBR及びBRと高結晶性シンジオタクチックポリブタジエンを組み合わせた複合グレードを展開する代表例である。 |
| 旭化成株式会社 | ASADENE、ASAPRENE | 低シスBRを含むポリブタジエン製品を展開し、HIPS、ABS改質、タイヤ及び工業用品用途に使用される代表例である。 |
| ARLANXEO | Buna CB、Buna Nd | 高シスBR及びリチウム系BRを含む各種ポリブタジエンを展開する世界的な合成ゴムメーカーである。 |
| Synthos | SYNTECA、BUNA系BR | タイヤ及び工業用ゴム向けの高シスBRなどを展開する代表的な海外メーカーである。 |
| Kumho Petrochemical | KOSYN KBR | タイヤ、履物及び工業用品向けの高シスBRを展開する代表的な海外メーカーである。 |
| 日本曹達株式会社 | NISSO-PB | 液状ポリブタジエン及び官能基を導入した特殊ポリブタジエンを展開し、塗料、接着剤、電気・電子材料及び樹脂改質用途に使用される代表例である。 |
製品名、供給地域、製造拠点、法規制対応及び販売状況は変更される場合がある。採用時には、各メーカー又は販売代理店の最新の技術資料、安全データシート、規制適合証明書及び供給条件を確認する必要がある。
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