ユリア樹脂

概要

項目内容
材料名ユリア樹脂(尿素樹脂)
略記号UF
IUPAC名Urea-formaldehyde resin
英語名Urea-Formaldehyde Resin / Urea Resin
日本語名(別名)ユリア樹脂、尿素樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、UF樹脂
分類熱硬化性樹脂
プラスチック分類汎用プラスチック(熱硬化性)
化学式(代表構造単位)[-NH-CO-NH-CH₂-]ₙ(尿素とホルムアルデヒドの縮合重合体)
CAS No.9011-05-6(代表的な登録番号。グレードにより異なる場合あり)
構造・主成分尿素(CO(NH₂)₂)とホルムアルデヒド(HCHO)の縮合重合により生成する三次元架橋構造体
主な用途木材用接着剤(合板・パーティクルボード)、電気部品、食器・日用品、成形品、塗料・コーティング

ユリア樹脂(UF樹脂)は、尿素(ウレア)とホルムアルデヒドを酸またはアルカリ触媒下で縮合重合させて得られる熱硬化性樹脂である。フェノール樹脂(PF)とともに最も歴史ある熱硬化性プラスチックの一つであり、1920年代から工業生産が行われてきた。硬化後は三次元架橋構造をとるため、再溶融・再成形はできない。

最大の用途は木材加工分野の接着剤であり、合板・MDF(中密度繊維板)・パーティクルボードなどの製造に大量消費される。成形材料としてはアミノプラスト成形品(食器、電気部品のハウジング、スイッチ類など)として利用される。フェノール樹脂に比べて無色〜白色であるため、着色自由度が高い点も特徴である。

一方、硬化物は耐水性・耐湿性が低く、吸水により強度低下・寸法変化が生じやすい。また、使用中にホルムアルデヒドを放散する可能性があり、建材・内装材としての用途では法規制(ホルムアルデヒド放散量規制・F☆☆☆☆等級など)への対応が求められる。近年は低ホルムアルデヒド化・ホルムアルデヒドフリー化の技術開発が進んでいる。

特徴

長所
  • 無色〜白色で透明感があり、着色が自由(フェノール樹脂より外観が優れる)
  • 原料(尿素・ホルムアルデヒド)が安価で、コストパフォーマンスに優れる
  • 硬化速度が速く、成形サイクルが短い
  • 硬化物は硬くて剛性が高い
  • 接着力が強く、木材との親和性が高い
  • 電気絶縁性に優れる
  • 表面硬度が高く、傷つきにくい
短所
  • 耐水性・耐湿性が低く、吸水による強度低下・寸法変化が大きい
  • 脆く、衝撃に弱い(靭性が低い)
  • 加水分解しやすい(酸・アルカリにより劣化)
  • ホルムアルデヒドを放散するおそれがあり、法規制への対応が必要
  • 熱硬化性のため、再成形・リサイクルが困難
  • 耐候性が低く、屋外使用では黄変・劣化が生じやすい
  • フェノール樹脂と比べて耐熱性が劣る
外観

硬化前:無色〜淡黄色の液体(水溶液)または白色粉末。硬化後:白色〜乳白色の不透明固体。着色剤を加えることで任意の色に着色可能である。

耐熱性

連続使用温度は一般に 70〜90℃ 程度であり、フェノール樹脂(120〜150℃)より低い。荷重たわみ温度(HDT)は 130〜150℃(代表値)とやや高いが、湿熱条件では著しく低下する。グレードや充填材の種類により変動する。

耐薬品性

酸・アルカリいずれにも弱く、加水分解が進みやすい。有機溶剤に対しては比較的安定しているが、強酸・強アルカリには不適である。水・温水への長期暴露は避けることが推奨される。

加工性

圧縮成形・トランスファー成形が主体。射出成形への適用例もあるが条件設定が難しい。接着剤用途では液状レジンとして使用し、熱プレスにより硬化させる。

分類上の注意

ユリア樹脂はアミノ樹脂の一種である。同じアミノ樹脂であるメラミン樹脂(MF)と混同されやすいが、耐水性・耐熱性・耐候性はメラミン樹脂が大きく上回る。用途・グレード選定の際には両者の違いを十分に把握することが重要である。

構造式

ユリア樹脂の基本的な繰り返し構造単位を以下に示す。実際の硬化物は三次元架橋構造をとる。

ユリア樹脂(UF)繰り返し構造単位 N H H C O N H CH₂ [ N H C O N H CH₂ ] n 凡例:赤色は C=O(カルボニル基)、CH₂ はメチレン橋を示す。 ※ 実際の硬化物は、メチレン橋(-CH₂-)またはメチレンエーテル橋(-CH₂-O-CH₂-)により三次元架橋構造をとる。 ※ 架橋密度は F/U モル比および硬化条件により変化する。 基本反応式(付加反応 → 縮合重合) 【Step 1 付加反応】 CO(NH₂)₂ + HCHO ──→ H₂N-CO-NH-CH₂OH (モノメチロール尿素) 【Step 2 縮合重合】 モノメチロール尿素 ─加熱・酸触媒→ 三次元架橋 UF 樹脂 + H₂O

モノマーは尿素(Urea)とホルムアルデヒド(HCHO)である。付加反応によりメチロール化合物を生成した後、縮合重合により三次元架橋構造の硬化物となる。

変性グレードとして、メラミンを共縮合させたユリア・メラミン共縮合樹脂(UMF)がある。耐水性・耐候性が改善されるが、コストは上昇する。

種類

種類 主成分・特徴 長所 短所 主な用途
標準グレード(接着剤用) 尿素+ホルムアルデヒド水溶液(固形分50〜65%) 安価、接着力が高い ホルムアルデヒド放散が多い 合板、MDF、パーティクルボード
低ホルムアルデヒドグレード F/U比を低く設計、スカベンジャー添加 放散量を低減、F☆☆〜F☆☆☆☆対応 接着力やや低下、コスト増 内装建材、家具用合板
ユリア・メラミン共縮合(UMF) 尿素+メラミン+ホルムアルデヒド 耐水性・耐湿性改善、放散量低減 コスト増(MF比では安価) 耐水合板、フローリング基材
成形材料グレード(モールディングパウダー) UF樹脂+木粉・セルロース系充填材 着色自由、表面硬度高、コスト低 脆い、耐水性低 電気部品、食器、日用品
ガラス繊維強化グレード UF樹脂+ガラス繊維 機械強度・剛性向上 コスト増、成形難易度上昇 電気絶縁部品
塗料・コーティング用グレード ブチル化UF樹脂(溶剤溶解型) 金属・木材への密着性良好 耐候性がやや低い 木工塗料、金属塗料、架橋剤

成形加工

加工方法 適性 備考
圧縮成形最も一般的な成形方法。モールディングパウダーを金型に充填し、熱・圧力で硬化させる。
トランスファー成形複雑形状・インサート成形に適用可能。圧縮成形より寸法精度が高い。
射出成形熱硬化性射出成形機が必要。温度管理が難しく、スクラップが発生する。
押出成形×熱硬化性のため通常は不可。
ブロー成形×熱硬化性のため不可。
真空成形×熱硬化性のため不可。
切削・機械加工硬化後の成形品は切削・研削可能。脆いため割れに注意が必要。
接着・塗布(液状レジン)接着剤・含浸剤として塗布→熱プレスにより硬化。合板製造の主流工法。
成形条件(成形材料グレードの代表値)
パラメータ代表値備考
金型温度150〜170℃硬化温度。グレードにより調整
成形圧力(圧縮成形)20〜40 MPa形状・肉厚により調整
硬化時間30〜120 秒/mm肉厚肉厚・温度により変動
成形収縮率0.5〜1.0 %充填材の種類・量により変動
予熱温度(高周波予熱)80〜100℃硬化時間短縮・流動性改善のため推奨

代表的な物性値(機械的性質)

項目 単位 UF(木粉充填) UF(ガラス繊維強化) 備考
密度g/cm³1.47〜1.521.70〜1.90充填材量により変動
引張強さMPa35〜6050〜80ISO 527 / ASTM D638
破断伸び%0.3〜0.80.2〜0.5脆性材料のため低い
曲げ強さMPa70〜120100〜150ISO 178
曲げ弾性率GPa7〜1012〜18ISO 178
圧縮強さMPa160〜280200〜300ASTM D695
アイゾット衝撃強さ(ノッチあり)kJ/m²1.5〜3.03.0〜6.0ISO 180 / ASTM D256
ロックウェル硬さM scale110〜125120〜130ASTM D785
荷重たわみ温度(HDT)130〜160150〜1801.82 MPa、ISO 75
連続使用温度(乾燥)70〜9090〜105湿熱条件では大幅に低下
吸水率(24時間)%0.4〜0.80.2〜0.5ASTM D570。湿潤環境に注意
体積抵抗率Ω·cm10¹⁰〜10¹²10¹⁰〜10¹²乾燥状態。吸湿で大幅低下
誘電率(1 MHz)6〜97〜12吸湿で上昇
成形収縮率%0.5〜1.00.3〜0.7グレード・成形条件による
難燃性(UL94)HBHB〜V-1難燃グレードは別途確認

※ 上記はいずれも代表値・目安であり、グレード・充填材の種類・量・成形条件・試験条件により大幅に変動する。実設計では必ずメーカーのデータシートを参照すること。

耐薬品性

薬品分類 代表的な薬品 評価 備考
強酸塩酸(10%)、硫酸(10%)×加水分解が進む。短時間でも劣化が著しい
希酸(弱酸)酢酸(5%)、クエン酸長期接触は避ける。加水分解促進
強アルカリNaOH(10%)、KOH×加水分解が急激に進む。不適
希アルカリ(弱アルカリ)アンモニア水(5%)×アミド結合が加水分解されやすい
低級アルコールエタノール(95%)、IPA室温・短時間では比較的安定。長期暴露・加温で劣化
高級アルコールグリセリン、n-ブタノール概ね安定。高温・長期では注意
芳香族炭化水素トルエン、キシレン室温では比較的安定
脂肪族炭化水素ヘキサン、灯油良好な耐性
ケトンアセトン、MEK長期浸漬では膨潤する場合あり
エステル酢酸エチル、酢酸ブチル概ね安定。高温では注意
塩素系溶剤塩化メチレン、トリクレン長期接触で膨潤・軟化のおそれ
水(常温)蒸留水、水道水長期暴露で強度低下・寸法変化あり
温水・熱水60℃以上の温水、沸騰水×著しい加水分解・強度低下。使用不可
植物油・鉱物油大豆油、タービン油耐油性は良好
燃料(ガソリン等)ガソリン、軽油概ね安定

評価基準:◎非常に良好、○概ね良好、△注意が必要(条件確認推奨)、×不適

※ 上記はあくまでも目安であり、接触温度・濃度・時間・応力の有無により大きく変動する。実使用前に必ずグレード・条件を確認した上で試験を行うこと。

SP値(溶解度パラメータ)
項目値・説明
ユリア樹脂のSP値(δ)約 27〜30 MPa1/2(推測値。架橋構造体のため文献値にばらつきあり)
特徴極性が非常に高く、水・アミン類・酸アルカリと親和性が高い。非極性溶剤には安定。

※ SP値のみで耐薬品性を判断することはできない。架橋密度・吸水・加水分解・応力腐食など複合的な要因を考慮する必要がある。詳細はホモポリマー・樹脂の溶解パラメータ(SP値)を参照。

溶解性の目安
SP値差(MPa1/2溶解・膨潤の目安判定
0 〜 2膨潤・軟化しやすい×
2 〜 5条件により膨潤する
5 〜 8短時間接触では比較的安定
8 以上溶解・膨潤しにくい
SP値から見た耐溶剤性(代表例)
溶剤名 SP値(MPa1/2 SP値差 評価 備考
47.9約18〜21SP値差大。ただし加水分解に注意
エタノール26.0約1〜4SP値差小。長期接触に注意
IPA23.6約4〜7短時間では比較的安定
アセトン20.0約7〜10概ね安定
酢酸エチル18.6約9〜11概ね安定
トルエン18.2約9〜12安定
ヘキサン14.9約12〜15非常に安定
塩化メチレン20.3約7〜10SP値差のみでは評価困難。膨潤注意

※ SP値差のみによる評価であり、実際の耐薬品性は酸・アルカリ性、温度、接触時間、応力の有無、架橋密度によって大きく異なる。必ず実機・実条件での試験で確認すること。

製法

原料
  • 尿素(CO(NH₂)₂):アンモニアとCO₂から合成される工業薬品
  • ホルムアルデヒド(HCHO):メタノールの接触酸化により製造(37〜50%水溶液として供給)
代表的な製造工程(接着剤用UF樹脂)
UF樹脂 製造フロー 尿素水溶液 ホルムアルデヒド水溶液 アルカリ条件 付加反応 (メチロール化) pH 7〜9、40〜80℃ 酸性条件 縮合重合 pH 4〜6、加熱 → UF プレポリマー 中和・pH 調整 pH 7〜8 に戻す → UF 樹脂液 充填材 混合・乾燥 → 製品 ※ 成形材料(モールディングパウダー)の場合:乾燥・粉砕後、木粉等の充填材・着色剤・触媒・離型剤とコンパウンドする。 ※ 接着剤用途の場合:UF 樹脂液をそのまま(または硬化剤・増量剤を添加して)使用し、熱プレス硬化させる。
  1. 付加反応(メチロール化):pH 7〜9(弱アルカリ)条件下、40〜80℃で尿素とホルムアルデヒドを反応させ、モノメチロール尿素・ジメチロール尿素を生成する。
  2. 縮合重合:pH を 4〜6(弱酸)に調整し、加熱により脱水縮合を進め、オリゴマー〜プレポリマー状のUF樹脂水溶液を得る。
  3. 中和・安定化:pH を 7〜8 に戻し、貯蔵安定性を確保する。
  4. コンパウンド・乾燥(成形材料の場合):木粉・セルロース繊維・ガラス繊維などの充填材、離型剤、着色剤、触媒(潜在性酸触媒)を添加・混合し、乾燥・粉砕してモールディングパウダーとする。

添加剤として一般に使用されるものは、触媒(塩化アンモニウム、シュウ酸など)、離型剤(ステアリン酸亜鉛等)、着色剤(無機顔料・有機顔料)、スカベンジャー(ホルムアルデヒド捕捉剤:尿素、メラミン、スルファミン酸等)である。

詳細な利用用途

分野 具体的用途 ポイント・注意点
木材・建材合板用接着剤、MDF・パーティクルボード用バインダー、フローリング基材最大用途。ホルムアルデヒド放散規制(F☆☆☆☆等)への対応が必須
家具・内装家具用合板、棚板、内装パネルの接着室内空気質(IAQ)規制、低ホルムアルデヒドグレード使用が主流
電気・電子電気スイッチ、コンセントカバー、照明器具部品、絶縁部品電気絶縁性・表面硬度を活かした用途。耐湿性に注意
食器・日用品メラミン食器の基材(UMF)、ボタン、ノブ、把手食品接触用途では食品衛生法・FDA規制の適合確認が必要
塗料・コーティング木工用クリヤー塗料、プライマー、金属塗料の架橋剤アルキド樹脂・アクリル樹脂と組み合わせて使用。硬化促進剤が必要
紙・繊維加工耐水紙・湿潤紙力増強剤、繊維の防しわ・防縮加工織物のウォッシュアンドウェア加工に利用
農業・農薬緩効性窒素肥料(ウレアホルム)の原料土壌中で徐々に分解し窒素を放出。UF系肥料
鋳造鋳造用中子バインダーフラン樹脂と組み合わせて使用する場合もある

関連材料との比較

比較材料 主な特徴 UF樹脂との違い 選定のポイント
メラミン樹脂(MF) メラミン+ホルムアルデヒド。白色・硬質。耐水性・耐熱性・耐候性が高い UF比で耐水性・耐熱性・耐候性が大幅に優れる。コストは高い 耐水・耐熱・食器用途はMF。コスト重視の内装接着剤はUF
フェノール樹脂(PF) フェノール+ホルムアルデヒド。黒〜茶褐色。耐熱性・耐水性・電気特性が優れる UFより耐熱性・耐水性が大幅に優れる。着色は暗色系に限られる 高耐熱・電気絶縁・耐湿用途はPF。明色・食器用途はUFまたはMF
エポキシ樹脂(EP) ビスフェノール型等。高強度・高接着性・耐薬品性に優れる UFより強靭で耐薬品性・耐水性が大幅に優れる。コストは高い 高強度・高耐薬品性が必要な構造接着・電子封止にはEP
イソシアネート系接着剤(MDI) 4,4′-MDI等。耐水性が高く、ホルムアルデヒドフリー UFより耐水性が大幅に優れる。ホルムアルデヒドフリー。コスト高 屋外用合板・高耐水用途はMDI。コスト重視の内装合板はUF
不飽和ポリエステル樹脂(UP) スチレンで希釈した液状熱硬化性樹脂。FRP用途が主体 UFより耐水性・靭性・耐候性が優れる。用途が大きく異なる FRP成形・大型構造物にはUP。木材接着・成形品にはUF
ポリ酢酸ビニル(PVAC)接着剤 水性白ボンド。室温硬化、低コスト UFより耐熱性・耐クリープ性が低い。ホルムアルデヒドフリー 室温硬化・簡易木工接着はPVAC。熱プレス木材接着はUF
ユリア・メラミン共縮合樹脂(UMF) UF+MFの共縮合。UFとMFの中間特性 純UFより耐水性・耐候性が向上。純MFよりコストが低い 耐水性をある程度確保しつつコストを抑えたい場合に適する

代表的な物性値比較(成形材料グレード)

項目 UF(木粉) MF(木粉) PF(木粉) 単位 試験規格 備考
密度1.47〜1.521.50〜1.551.35〜1.45g/cm³ISO 1183充填材量による
引張強さ35〜6050〜7040〜65MPaISO 527
曲げ弾性率7〜108〜127〜10GPaISO 178
HDT(1.82MPa)130〜160160〜200150〜190ISO 75
連続使用温度70〜90100〜120120〜150乾燥条件
吸水率(24h)0.4〜0.80.1〜0.30.1〜0.3%ASTM D570
UL94難燃性HBHB〜V-1HB〜V-1UL94グレード依存
コスト(相対)低〜中原料市況により変動

代表的なメーカー

メーカー 代表製品・ブランド(代表例) 概要
DIC株式会社 ベッカミン(Beckamine)シリーズ(代表例) UF・MF系アミノ樹脂を塗料・接着剤向けに供給。塗料用架橋剤グレードも展開。
住友化学株式会社 スミレーズ(Sumilrez)シリーズ(代表例) 木材加工用UF系接着剤・樹脂を供給。合板・木質ボード向けに実績あり。
BASF SE(ドイツ) Kaurit(代表例) 世界大手のUF樹脂接着剤サプライヤー。木材加工向けグレードが多い。
Hexion Inc.(米国) Borden Chem 系UF樹脂(代表例) 北米最大級のUF系接着剤メーカー。合板・MDF向け製品を幅広く展開。
Kronoplus / Metadynea(欧州) 各社UF樹脂製品 欧州の木質ボード産業向け主要サプライヤー。低ホルムアルデヒドグレードに注力。

※ 実際のブランド名・製品ラインは市況・企業再編等により変動する。最新情報は各メーカーの公式情報を確認すること。

難燃性・法規制

規制・規格概要・ポイント
ホルムアルデヒド放散規制(JIS・JAS)建築基準法に基づき、F☆〜F☆☆☆☆の4段階で放散量を規制。内装用途にはF☆☆☆☆が推奨される。
食品衛生法(日本)食品接触用成形品に使用する場合、食品衛生法の規格基準に適合するグレードを選定する必要がある。
FDA(米国)米国の食品接触用途では21 CFR規制への適合が必要。用途・接触食品の種類を確認すること。
REACH規制(EU)ホルムアルデヒドはSVHC関連物質に含まれる場合あり。製品中の含有量管理が必要。
RoHS指令(EU)直接対象外であるが、電気電子部品に使用する場合は使用材料全体のRoHS適合確認が必要。
難燃性(UL94)標準グレードはHB相当。V-0対応が必要な場合はMF・PFまたは難燃剤添加グレードを検討する。
酸素指数(OI)約27〜30%(代表値・推測)。MF・PFより劣る傾向。

注意点・推奨試験

  • 加水分解:酸・アルカリ・温水・蒸気に長期暴露されるとメチレン結合が切断され、ホルムアルデヒドが放散するとともに強度が著しく低下する。湿潤環境・屋外用途には原則として不適である。
  • ホルムアルデヒド放散:硬化不十分・経年劣化によりホルムアルデヒドが放散する。建材・食品接触用途では必ず放散量規制への適合を確認すること。
  • 脆性(低靭性):衝撃や振動が加わる部位への使用は避けることが望ましい。必要に応じて可撓化剤添加グレードを検討する。
  • 寸法安定性:吸水による膨潤・収縮が大きい。高湿度環境では寸法変化を考慮した設計が必要である。
  • 熱劣化:連続使用温度を超えた環境では着色・強度低下・ひび割れが生じる。特に湿熱条件(水蒸気+高温)では急激に劣化する。
  • アウトガス:成形品から微量のホルムアルデヒドが放散することがある。密閉空間・精密電子機器近傍では注意が必要。
  • 応力割れ(ストレスクラッキング):残留応力が大きい部位は経時割れが生じやすい。成形後のアニーリングを検討すること。
推奨試験
  • ホルムアルデヒド放散量試験(JIS A 1460 デシケーター法 / EN 717-1 チャンバー法)
  • 耐水性試験(浸漬後の引張・曲げ強度測定)
  • 湿熱劣化試験(60〜80℃・90%RH、168〜1000h)
  • 耐薬品性試験(実使用薬品・温度・時間を想定した浸漬試験)
  • 食品衛生適合確認試験(食品接触用途の場合)
  • 難燃性試験(UL94、ISO 1210)

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