発泡ポリプロピレン

項目内容
材料名発泡ポリプロピレン
略記号EPP、発泡PP、PPフォーム
IUPACpoly(prop-1-ene)
英語名Expanded Polypropylene、Polypropylene Foam
日本語名発泡ポリプロピレン、発泡PP、ポリプロピレンフォーム、EPPフォーム、型内発泡ポリプロピレン、ビーズ法発泡ポリプロピレン
分類発泡プラスチック、ポリオレフィン系発泡体、熱可塑性樹脂フォーム
プラスチック分類プラスチック、汎用プラスチック系発泡体
化学式または代表構造ポリプロピレンの繰り返し単位:[-CH2-CH(CH3)-]n
CAS No.9003-07-0(ポリプロピレンとして)
構造・主成分ポリプロピレンを主成分とする独立気泡系の発泡体であり、グレードにより共重合PP、難燃剤、着色剤、帯電防止剤、リサイクル材などを含む場合がある。
主な用途自動車バンパーコア、ドアパッド、シートコア、工具箱、通い箱、緩衝包装材、保温・断熱容器、HVAC部品、スポーツ用品、保護材など

概要

発泡ポリプロピレンは、ポリプロピレンを発泡させた軽量な熱可塑性発泡体である。一般にEPPと呼ばれる場合は、発泡PPビーズを金型内で蒸気加熱して融着させる型内発泡品を指すことが多い。広義には押出発泡PPシートやPP系発泡成形体を含める場合もあるが、工業材料としてはビーズ法発泡ポリプロピレンが代表的である。

EPPは密度が低く、衝撃エネルギー吸収性、復元性、耐薬品性、耐油性、耐水性、断熱性に優れるため、自動車部品や繰り返し使用される物流資材に多く用いられる。特にEPSに比べて割れにくく、繰り返し圧縮後の形状回復性が高い点が特徴である。

ただし、発泡体であるため、非発泡のポリプロピレンに比べて機械的強度、寸法精度、表面硬度、耐熱変形性は密度、発泡倍率、成形条件に大きく依存する。実使用では、グレード、発泡倍率、使用温度、荷重、応力、圧縮率、接触薬品、使用時間を確認する必要がある。

特徴

長所
  • 軽量であり、発泡倍率により密度を大きく下げることができる。
  • 衝撃エネルギー吸収性が高く、自動車安全部品や緩衝材に適する。
  • 圧縮後の復元性が高く、繰り返し使用する通い箱や保護材に適する。
  • ポリオレフィン系であるため、酸、アルカリ、水、油に対して一般に安定である。
  • 独立気泡構造により吸水しにくく、断熱性、浮力、保温性を持つ。
  • 熱可塑性材料であり、単一素材設計ではリサイクルしやすい。
短所
  • 剛性や表面硬度は非発泡PPより低く、局部荷重では圧痕やへたりが生じる場合がある。
  • 高温下では圧縮クリープや寸法変化が起こりやすくなる。
  • 芳香族炭化水素、塩素系溶剤、一部の油類では膨潤や軟化が起こる場合がある。
  • 接着、塗装、印刷は表面処理なしでは難しい場合が多い。
  • 燃焼性があり、難燃性が必要な用途では難燃グレードの確認が必要である。
  • 型内発泡品では金型、蒸気成形条件、粒子融着状態により外観や強度が変化する。
外観

白色、黒色、灰色、着色品などがある。表面は発泡ビーズ由来の粒状模様を持つことが多く、成形条件によりビーズ境界、ヒケ、光沢、融着状態が変化する。包装材や通い箱では白色や黒色、自動車用途では黒色が多く用いられる。

耐熱性

母材であるポリプロピレンの融点は一般に約160〜170℃であるが、発泡体としての実用耐熱性は密度、荷重、発泡倍率、使用時間により低下する。連続使用温度は代表的には80〜100℃程度が目安であり、短時間ではさらに高温に耐える場合もある。高温下で荷重がかかる用途では、圧縮クリープ、寸法変化、収縮を確認する必要がある。

耐薬品性

酸、アルカリ、水、アルコール類に対して一般に良好である。油脂類にも比較的安定であるが、炭化水素系溶剤、芳香族溶剤、塩素系溶剤では膨潤、軟化、寸法変化を生じる場合がある。発泡体では薬品が気泡間や融着界面に浸入することがあるため、非発泡PPの耐薬品性と同一には扱わない方がよい。

加工性

代表的には発泡PPビーズを金型内で蒸気加熱し、ビーズ同士を融着させる型内発泡成形で加工される。切削、打ち抜き、熱溶着、超音波溶着なども条件により可能である。一方、一般的な射出成形や押出成形で非発泡PPと同じように扱う材料ではなく、発泡倍率や形状に応じた専用設備が必要となる。

分類上の注意

発泡ポリプロピレンは、材料分類ではポリオレフィン系発泡体であり、ポリプロピレンの発泡材料である。EPPと表記される場合はビーズ法発泡ポリプロピレンを指すことが多いが、押出発泡PPシートや発泡PPボードを含めて発泡PPと呼ぶ場合もある。発泡ポリスチレン押出発泡ポリスチレンとは主成分、耐衝撃性、復元性、耐薬品性、耐熱性が異なる。

構造式

化学式の画像

画像タグは使用せず、HTML内で構造を表記する。代表的な繰り返し構造は以下の通りである。

-[-CH2-CH(CH3)-]n

代表的な構造単位
項目構造・内容
主鎖炭素-炭素結合からなるポリオレフィン骨格
側鎖メチル基 -CH3
代表構造単位-CH2-CH(CH3)-
発泡構造多数の独立気泡を含むフォーム構造
モノマーまたは構成単位
構成成分化学式説明
プロピレンCH2=CH-CH3ポリプロピレンの主原料である。
ポリプロピレン[-CH2-CH(CH3)-]nEPPの母材となる熱可塑性ポリオレフィンである。
発泡剤CO2、炭化水素系、空気・窒素加圧など製法やグレードにより異なる。残留発泡剤を低減したグレードもある。
共重合体や変性グレード

一般にEPPにはホモポリプロピレン系、エチレン-プロピレン共重合体系、柔軟化グレード、難燃グレード、帯電防止グレード、導電グレード、耐候グレード、リサイクル材配合グレードなどがある。耐熱性、柔軟性、衝撃吸収性、成形性、外観はグレードにより変化する。

種類

種類の名称主成分または特徴長所短所主な用途
標準EPP発泡PPビーズの型内発泡成形品軽量、復元性、耐薬品性、緩衝性のバランスがよい。表面硬度と剛性は高くない。包装材、通い箱、自動車緩衝部品
高倍率EPP低密度の発泡PP非常に軽く、断熱性や緩衝性に優れる。圧縮強度、寸法安定性は低くなりやすい。軽量スペーサー、保温材、保護材
低倍率・高密度EPP密度を高めた発泡PP圧縮強度、耐衝撃性、寸法安定性が高い。軽量性と断熱性は低密度品より劣る。バンパーコア、車体補強材、構造緩衝部材
柔軟EPP共重合PPや柔軟化設計のEPP曲げや圧縮時の追従性が高い。高温剛性や圧縮強度は低下する場合がある。シートコア、パッド材、スポーツ用品
難燃EPP難燃剤を配合したEPP電気・電子、設備用途で使いやすい。難燃剤により物性、色、リサイクル性が変化する場合がある。HVAC部品、電気機器保護材、設備部材
帯電防止・導電EPP帯電防止剤や導電性フィラーを含むEPP静電気対策が必要な搬送材に適する。電気特性は湿度、経時、配合により変化する。電子部品搬送箱、工程内トレー
耐候・着色EPP顔料、耐候安定剤を含むEPP屋外や意匠用途に使いやすい。長期屋外では紫外線劣化、粉化、退色を確認する必要がある。外装保護材、スポーツ・レジャー用品
押出発泡PP押出発泡によりシートやボード状にしたPPフォーム連続生産しやすく、シート加工に適する。型内発泡EPPとはセル構造や復元性が異なる。包装シート、軽量ボード、断熱シート

成形加工

加工方法適性内容・注意点
型内発泡成形EPPの代表的な成形法である。発泡ビーズを金型内で蒸気加熱し、融着させて成形する。
射出成形非発泡PPの射出成形とは異なる。発泡射出やインサート成形などは可能であるが、一般EPP成形とは設備が異なる。
押出成形押出発泡PPシートやボードでは適用される。ビーズ法EPP成形品には通常適用しない。
ブロー成形発泡ブローや複合成形では検討されるが、一般的なEPP成形法ではない。
圧縮成形シート状発泡PPやEPPブロックの熱圧縮、表面平滑化、積層に用いられる場合がある。
真空成形押出発泡PPシートでは可能な場合がある。EPPビーズ成形品では一般に不向きである。
熱溶着PP同士の熱溶着は可能であるが、発泡体では圧潰や外観変化に注意する。
超音波溶着リブやエネルギーダイレクター設計により可能な場合がある。
接着PPは低表面エネルギー材料であり、プライマー、コロナ処理、火炎処理などが必要になることが多い。
切削加工ブロック材や成形品のトリミング、穴あけ、切断は可能である。発泡倍率が高いほど欠けや毛羽立ちに注意する。
打ち抜き加工薄板やシート状発泡PPでは可能である。厚物では圧潰や寸法ばらつきが生じる場合がある。
塗装・印刷表面処理なしでは密着しにくい。用途に応じて前処理、インキ、塗料の選定が必要である。

適性の目安:◎非常に適する、○適する、△条件付きで可能、×一般に不向き。

代表的な物性値又は機械的性質

項目発泡PP・EPP代表値単位備考
密度0.020〜0.180g/cm3発泡倍率5〜45倍程度の代表範囲。低密度品は軽量、高密度品は強度重視である。
発泡倍率5〜45グレードによりさらに広い範囲を設定する場合がある。
引張強さ0.3〜2.0MPa密度、融着状態、試験方向に依存する。
伸び7〜25%高密度品ほど強度が高く、低密度品ではばらつきが大きい。
曲げ弾性率5〜150MPa発泡体では曲げより圧縮応力で評価されることが多い。
圧縮応力 25%ひずみ0.08〜2.0MPa密度に強く依存する。緩衝設計では荷重-たわみ曲線の確認が必要である。
圧縮応力 50%ひずみ0.15〜3.0MPaエネルギー吸収設計では圧縮速度、温度、繰り返し回数も確認する。
アイゾット衝撃強さ破壊しにくく、用途別評価発泡体ではアイゾット値より、落錘衝撃、圧縮吸収エネルギー、反発性で評価されることが多い。
荷重たわみ温度60〜120荷重、密度、評価方法により変化する。高温荷重下ではクリープに注意する。
融点約160〜170母材PPの代表値である。発泡体としての使用限界とは異なる。
ガラス転移温度約-10PP母材の目安である。
連続使用温度80〜100荷重が小さい用途での目安。荷重下では下げて設計する。
短時間耐熱温度100〜120寸法変化、収縮、圧縮変形を確認する必要がある。
吸水率0.01〜1.0%独立気泡構造のため一般に低い。切断面や長期浸漬では水の侵入に注意する。
熱伝導率0.035〜0.070W/m・K密度、気泡径、温度により変化する。
体積抵抗率1014〜1017Ω・cm標準グレードの目安。帯電防止、導電グレードでは大きく低下する。
燃焼性可燃難燃用途ではFMVSS、UL、JISなどの規格確認が必要である。
複合材・特殊グレードとの比較
材料・グレード密度の目安特徴注意点
標準EPP0.020〜0.180 g/cm3軽量、復元性、耐薬品性のバランスがよい。剛性や表面硬度は非発泡樹脂より低い。
高密度EPP0.060〜0.180 g/cm3圧縮強度とエネルギー吸収性が高い。軽量性、断熱性は低密度品より劣る。
低密度EPP0.020〜0.045 g/cm3軽量性、断熱性、緩衝性に優れる。圧縮永久ひずみや寸法安定性の確認が必要である。
帯電防止EPP0.030〜0.100 g/cm3電子部品搬送用途に適する。表面抵抗は湿度、摩耗、経時に依存する。
導電EPP0.030〜0.120 g/cm3静電気対策、導電搬送材に使用される。導電フィラーにより色、成形性、リサイクル性が変わる。
難燃EPP0.030〜0.120 g/cm3設備、電気・電子、車両内装用途に検討される。難燃規格はグレード別に確認する必要がある。
GF・CF強化PPとの比較約1.05〜1.40 g/cm3非発泡の繊維強化PPは剛性、耐熱性が高い。EPPとは用途が異なり、緩衝性や軽量性はEPPが有利である。

耐薬品性

薬品分類代表薬品評価備考
酸類塩酸、希硫酸、リン酸、酢酸水溶液常温の希酸には一般に良好である。濃酸、酸化性酸、高温では確認が必要である。
強酸化性酸濃硝酸、発煙硝酸、クロム酸混液×酸化劣化を受ける可能性が高い。
アルカリ類水酸化ナトリウム、KOH、アンモニア水常温では一般に良好である。高温・高濃度では実液試験が必要である。
低級アルコール類メタノール、エタノール、IPA短時間接触では一般に安定である。
高級アルコール類グリセリン、MMB、ブタノール多価アルコールには良好である。高温長時間では寸法変化を確認する。
芳香族炭化水素類トルエン、キシレン、エチルベンゼン×膨潤、軟化、寸法変化を起こしやすい。発泡体では浸透にも注意する。
脂肪族炭化水素類ヘキサン、ヘプタン、ガソリン、ミネラルスピリット短時間では耐える場合もあるが、膨潤や重量変化を確認する必要がある。
ケトンアセトン、MEK、MIBK常温短時間では比較的安定な場合が多いが、混合溶剤や高温では注意する。
エステル酢酸エチル、酢酸ブチル条件により膨潤、表面変化が起こる場合がある。
塩素系溶剤ジクロロメタン、トリクロロエチレン、クロロホルム×膨潤、軟化、溶剤浸透のリスクが高い。
水・温水水、温水、海水吸水は小さいが、切断面、長期浸漬、洗浄条件を確認する。
植物油、潤滑油、エンジンオイル多くの油に比較的安定であるが、添加剤、温度、長期接触で確認が必要である。
燃料ガソリン、灯油、軽油膨潤や重量変化が起こる場合がある。燃料接触用途では専用グレードと試験が必要である。
酸化剤過酸化水素、高濃度次亜塩素酸塩濃度、pH、温度、紫外線条件により劣化する場合がある。

評価の目安:◎非常に良好、○概ね良好、△注意が必要、×不適。実使用では濃度、温度、応力、荷重、接触時間、洗浄頻度を考慮して確認する必要がある。

SP値(溶解度パラメータ)

発泡ポリプロピレンの母材であるポリプロピレンのSP値(δ)は、代表値として約16.0〜17.5 MPa1/2程度である。発泡体であっても樹脂骨格の溶剤親和性はPPに近いが、気泡構造、融着界面、添加剤、密度により実際の膨潤挙動は変化する。

SP値は溶解・膨潤の傾向を推定する指標であり、耐薬品性を単独で判断できるものではない。結晶性、分子量、架橋の有無、温度、応力、薬品濃度、混合溶剤、接触時間、発泡体内部への浸透性も考慮する必要がある。

溶解性の目安
SP値差溶解・膨潤の目安判定
0〜2膨潤・軟化しやすい×
2〜5条件により膨潤する
5〜8短時間接触では比較的安定
8以上溶解・膨潤しにくい
SP値から見た耐溶剤性
薬品名SP値 MPa1/2EPPとの差SP値上の判定実用上の注意
n-ヘキサン14.9約1.6×非極性でPPに近く、膨潤に注意する。
トルエン18.2約1.7×芳香族溶剤で膨潤・軟化しやすい。
キシレン18.0約1.5×長時間接触や高温では不適である。
酢酸エチル18.6約2.1短時間接触でも発泡体の寸法変化を確認する。
MEK19.0約2.5混合溶剤では膨潤が大きくなる場合がある。
アセトン20.1約3.6常温短時間では耐える場合があるが、長期接触は確認が必要である。
IPA23.5約7.0一般に良好であるが、添加剤抽出や印刷面への影響に注意する。
エタノール26.0約9.5常温では一般に良好である。
メタノール29.7約13.2常温では一般に良好である。
グリセリン約33.8約17.3一般に良好である。
47.9約31.4樹脂骨格には良好である。発泡体の切断面からの浸水は別途確認する。
ジクロロメタン20.2約3.7SP値差だけでなく溶剤浸透性が高く、実用上は不適に近い。

上表はSP値から見た溶解・膨潤の目安であり、実際の耐薬品性はグレード、発泡倍率、薬品濃度、温度、応力、接触時間、表面処理、着色剤、添加剤により変わる。特にEPPは発泡体であるため、薬品がビーズ界面や気泡内部へ浸透する場合がある。

製法

原料

主原料はプロピレンを重合して得られるポリプロピレンである。発泡用途では、結晶性、溶融張力、分子量分布、共重合成分を調整したPPが用いられることが多い。必要に応じて発泡剤、核剤、安定剤、着色剤、難燃剤、帯電防止剤、導電フィラー、耐候剤などが配合される。

重合方法

ポリプロピレンは、一般にチーグラー・ナッタ触媒やメタロセン触媒を用いてプロピレンを配位重合して製造される。EPPでは、発泡成形時のビーズ融着性、耐熱性、柔軟性、復元性を考慮して、ホモPPやエチレン-プロピレン共重合PPが選定される。

代表的な反応式

n CH2=CH-CH3 → [-CH2-CH(CH3)-]n

ビーズ化・発泡工程
工程内容
PP樹脂の製造プロピレンを重合し、用途に応じたPPまたは共重合PPを得る。
ペレット化・コンパウンド安定剤、核剤、着色剤、難燃剤、帯電防止剤などを混練し、ペレット化する。
発泡性ビーズの製造PP粒子に発泡剤を含浸、または加圧・加熱工程により発泡性粒子を作る。
予備発泡・熟成所定の密度になるようにビーズを発泡させ、内圧や水分状態を調整する。
型内発泡成形金型にビーズを充填し、蒸気加熱により二次発泡と融着を行う。
冷却・取り出し金型内で冷却し、寸法を安定させた後に成形品を取り出す。
後加工切断、穴あけ、溶着、印刷、組立などを行う場合がある。
発泡工程の模式式

PPビーズ + 発泡剤 + 加熱 → 発泡PPビーズ → 金型内蒸気加熱 → 融着EPP成形品

添加剤、充填材、強化材

EPPでは、用途により難燃剤、帯電防止剤、導電性カーボン、顔料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、リサイクル材などが使用される。ガラス繊維や炭素繊維で強化した非発泡PPとは異なり、EPPでは発泡性とビーズ融着性を維持するため、充填材の種類と量は制限されることが多い。

詳細な利用用途

分野主な用途採用理由注意点
自動車バンパーコア、ドアパッド、ニーパッド、シートコア、工具箱、フロアスペーサー、ヘッドレスト部材軽量、衝撃吸収性、復元性、寸法設計の自由度が高い。車両規格、燃焼性、耐熱性、圧縮クリープ、VOCを確認する。
電気・電子電子部品搬送箱、保護トレー、緩衝材、機器内スペーサー軽量で緩衝性があり、帯電防止グレードを選定できる。静電気特性、発塵、アウトガス、難燃性を確認する。
機械部品保護カバー、搬送治具、スペーサー、防振材、吸音材加工しやすく、繰り返し衝撃に対する耐久性がある。局部荷重、摩耗、油接触、温度条件を確認する。
医療・介護保護パッド、緩衝材、搬送容器、軽量サポート部材軽量で水に強く、クッション性を持つ。滅菌方法、清拭薬品、衛生規格、皮膚接触条件を確認する。
食品・保冷保温容器、保冷箱、食品搬送箱、宅配容器断熱性、耐水性、軽量性、繰り返し使用性がある。食品接触適合、洗浄剤、温水洗浄、臭気移行を確認する。
建築・設備断熱材、スペーサー、配管保護材、HVACハウジング、吸音部材断熱性、軽量性、耐水性、加工性に優れる。難燃性、長期圧縮、屋外耐候性、接着性を確認する。
物流・包装通い箱、緩衝包装、精密機器包装、リターナブルコンテナ、ダンネージ材繰り返し使用でき、EPSより割れにくい。汚れ、洗浄、薬品、寸法回復性、摩耗を確認する。
スポーツ・レジャーヘルメット内装、保護パッド、浮力材、玩具、フィットネス用品衝撃吸収性、復元性、軽量性がある。安全規格、汗・油脂、紫外線、繰り返し衝撃を確認する。

関連材料との比較

比較材料特徴対象材料との違い
ポリプロピレン非発泡の汎用ポリオレフィンであり、軽量、耐薬品性、成形性に優れる。EPPはPPを発泡させた材料で、軽量性と緩衝性に優れるが、剛性や表面硬度は低い。
発泡ポリスチレン軽量で断熱性が高く、包装材や断熱材に広く使われる。EPPはEPSより復元性、耐衝撃性、耐薬品性、耐熱性に優れる場合が多いが、コストは高くなりやすい。
押出発泡ポリスチレン連続気泡が少なく、断熱ボードとして使われる。XPSは建築断熱向けが多く、EPPは衝撃吸収部品や通い箱に向く。
ポリエチレンフォーム柔軟で緩衝性があり、包装材やシール材に使われる。EPPはPEフォームより耐熱性、剛性、寸法保持性が高い傾向がある。
ポリウレタンフォーム軟質、硬質、半硬質など幅広いフォームがある。PUフォームは柔軟性や吸音性に優れるが、EPPは熱可塑性でリサイクルしやすく、耐水性に優れる。
EVAフォーム柔軟で反発性があり、靴底、マット、スポーツ用品に使われる。EVAフォームは柔軟性が高く、EPPは軽量性、耐熱性、成形品としての復元性に優れる。
ABS剛性、耐衝撃性、外観、成形性に優れる非発泡樹脂である。ABSは構造部品や外装に適し、EPPは軽量緩衝材やエネルギー吸収部材に適する。
熱可塑性ポリウレタン弾性、耐摩耗性、柔軟性に優れる熱可塑性エラストマーである。TPUは高弾性・耐摩耗部品に向き、EPPは低密度の緩衝・断熱部材に向く。

代表的なメーカー

メーカー代表製品・ブランド概要
株式会社JSPARPRO®無架橋ポリプロピレン型内発泡体を展開する代表的メーカーである。自動車部品、包装、物流、緩衝材用途で使用される。
株式会社カネカEPERAN-PP®ビーズ法発泡ポリプロピレンを展開するメーカーである。自動車部品、通い箱、工業部材、包装材などに使用される。
Knauf IndustriesNeopolen®発泡ポリプロピレン粒子およびEPP成形部材を展開する欧州系メーカーである。自動車、HVAC、包装、産業資材用途で使用される。
SonocoEPP成形包装材・保護包装材保護包装や工業包装分野でEPP成形品を扱うメーカーである。ブランドや供給地域は用途により異なる。
DS SmithEPP保護包装・リターナブル包装包装ソリューションの一部としてEPP部材を扱う場合がある。詳細な樹脂グレードは個別確認が必要である。

代表メーカーおよびブランドは公開情報で確認できる範囲の代表例である。実際の採用では、供給地域、認証、難燃性、食品接触、リサイクル材比率、色、密度、成形可能寸法、長期供給性を確認する必要がある。

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