木材・プラスチック再生複合材

概要

項目内容
材料名木材・プラスチック再生複合材
略記号WPRC、WPC、木材プラスチック複合材
IUPAC単一化学物質ではないため該当しない。主成分は木質材料と熱可塑性樹脂の複合材である。
英語名Wood Plastic Recycled Composite、Wood Plastic Composite
日本語名木材・プラスチック再生複合材、木粉プラスチック複合材、木質プラスチック複合材、再生木材、人工木材、樹脂木材
分類木質系複合材料、熱可塑性樹脂複合材、再生プラスチック複合材
プラスチック分類プラスチック複合材、汎用プラスチック系複合材
化学式または代表構造木粉・木質繊維 + 再生PE、再生PP、PVCなどの熱可塑性樹脂 + 相溶化剤 + 添加剤
CAS No.複合材としての一般的なCAS No.はない。主成分例:ポリエチレン 9002-88-4、ポリプロピレン 9003-07-0、セルロース 9004-34-6。
構造・主成分木粉、木質繊維、竹粉、籾殻などの植物系充填材と、再生ポリエチレン、再生ポリプロピレン、ポリ塩化ビニルなどの熱可塑性樹脂を混練した複合材料である。
主な用途デッキ材、ルーバー、フェンス、ベンチ、外装材、建築資材、景観資材、屋外設備部材、パレット、園芸資材など。

木材・プラスチック再生複合材は、木粉や木質繊維などの植物由来材料と、再生ポリエチレン、再生ポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂を混合して成形した複合材料である。一般にWPCまたはWPRCと呼ばれ、天然木に近い外観と、プラスチック由来の耐水性・成形性を両立する材料として使用される。

一般的な木材・プラスチック再生複合材は、木質成分を40〜70質量%程度、熱可塑性樹脂を20〜50質量%程度含むことが多い。ただし、配合比、木粉粒径、樹脂種類、相溶化剤、顔料、紫外線吸収剤、難燃剤などにより、物性、外観、耐候性、吸水性、成形性は大きく変化する。

屋外用途では、耐候性、吸水による寸法変化、熱膨張、表面温度、滑り性、ビス保持力、クリープ、退色を確認する必要がある。実使用では、グレード、温度、荷重、応力、紫外線暴露、使用時間、施工条件を確認して材料を選定することが重要である。

特徴

項目内容
長所木材調の外観、耐水性、寸法安定性、腐朽しにくさ、リサイクル材利用、押出成形性、塗装不要グレードがある点が特徴である。
短所天然木より高密度で重い場合が多く、熱膨張、クリープ、表面温度上昇、紫外線による退色、吸水による膨潤、木粉界面の劣化に注意が必要である。
外観茶色、黒色、灰色、木目調など。押出時の表面処理やサンディングにより木質感を付与することが多い。
耐熱性母材樹脂がPE系の場合は比較的低く、PP系ではやや高い。一般に連続使用温度は50〜80℃程度が目安である。
耐薬品性ポリオレフィン系母材では酸、アルカリ、水、油に比較的強いが、木質成分は水分、アルカリ、酸化剤、微生物、紫外線の影響を受ける場合がある。
加工性押出成形に適する。切断、穴あけ、ビス止めは可能であるが、天然木とは異なり熱膨張、割れ、座屈、ビス保持力を考慮する必要がある。
分類上の注意木材、プラスチック、繊維強化プラスチックのいずれか単独ではなく、木質充填材を多量に含む熱可塑性複合材として扱う。

構造式

項目内容
化学式の画像画像タグは使用しない。代表構造を文字式で示す。
代表的な構造単位木質成分:セルロース骨格 C6H10O5 の繰返し単位、PE:–CH2–CH2–、PP:–CH2–CH(CH3)–
モノマーまたは構成単位木粉、セルロース、ヘミセルロース、リグニン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、相溶化剤、顔料、安定剤など。
代表構造木粉表面の水酸基と、ポリオレフィン系樹脂母材との界面に相溶化剤が作用し、分散性と界面密着性を高める構造である。
変性グレード無水マレイン酸変性ポリプロピレン、無水マレイン酸変性ポリエチレン、シラン処理、カップリング剤処理、耐候処方、難燃処方、発泡処方などがある。

代表構造は次のように表せる。

木粉・木質繊維 + 再生PEまたは再生PP + 相溶化剤 + 添加剤 → 木材・プラスチック再生複合材

セルロース代表単位:–[C6H10O5]n–
ポリエチレン代表単位:–[CH2–CH2]n–
ポリプロピレン代表単位:–[CH2–CH(CH3)]n–

種類

種類の名称主成分または特徴長所短所主な用途
PE系WPC木粉 + HDPE、LDPE、再生PE耐水性、耐薬品性、低温特性が良い耐熱性、剛性、クリープに注意デッキ材、フェンス、外構材
PP系WPC木粉 + PP、再生PPPE系より耐熱性と剛性を高めやすい低温衝撃、耐候性、熱膨張に注意自動車内装、建材、押出材
PVC系WPC木粉 + PVC寸法安定性、難燃性、剛性を得やすい熱安定剤、加工温度、リサイクル性に注意内装材、建材、窓枠、装飾材
高木粉配合WPC木質成分を高比率で配合木質感、剛性、環境訴求性に優れる吸水、割れ、流動性低下、脆化に注意景観材、デッキ材、ルーバー
発泡WPC発泡剤により軽量化したWPC軽量、断熱性、切削性が良い表面硬度、圧縮強度、吸水に注意内装材、装飾材、建築部材
耐候性WPC紫外線吸収剤、HALS、顔料を配合屋外退色、表面劣化を抑えやすい完全に退色を防ぐ材料ではない屋外デッキ、外装、フェンス
難燃WPC難燃剤、無機充填材を配合燃焼性を低減できる比重増加、強度低下、吸水増加に注意建築内装、設備部材

代表グレード

グレード主な設計目的特徴注意点
汎用グレード外構材、デッキ材、一般押出材成形性、外観、コストのバランスを重視する。長期屋外使用では退色、吸水、熱膨張を確認する。
耐候グレード屋外暴露用途紫外線吸収剤、光安定剤、耐候顔料を配合する。濃色品は表面温度上昇が大きくなる場合がある。
耐熱グレード高温環境、夏季屋外用途PP系、無機充填材配合などにより耐熱性を高める。木質成分の熱劣化と寸法変化を確認する。
難燃グレード建築内装、設備用途難燃剤や無機充填材により燃焼性を低減する。UL94、建築基準法、酸素指数などはグレードごとに確認する。
高剛性グレード荷重部材、補強材木粉量、無機充填材、繊維状充填材により曲げ弾性率を高める。衝撃強さ、割れ、ビス保持力を確認する。
食品接触対応グレード食品関連設備、容器周辺部材原料と添加剤を食品接触規制に合わせて管理したグレードである。再生材を含む場合、食品衛生法、FDA、溶出試験、用途条件の確認が必須である。

成形加工

加工方法適性内容
射出成形木粉配合率が低〜中程度のグレードで可能である。流動性、乾燥、金型摩耗、ガス発生に注意する。
押出成形最も一般的な加工方法である。デッキ材、板材、中空材、異形押出材に適する。
ブロー成形木粉配合によりパリソン安定性が低下しやすい。低配合グレードに限定される。
圧縮成形板材、成形ボード、リサイクル系成形品に使用される場合がある。
真空成形シート化されたグレードでは可能であるが、伸びが小さいため深絞りには不向きである。
切削加工切断、穴あけ、面取りは可能である。木粉と無機充填材により刃物摩耗が大きくなる場合がある。
溶着母材樹脂が同一であれば可能な場合があるが、木粉が界面に存在するため強度は確認が必要である。
接着ポリオレフィン系WPCでは接着しにくい。表面処理、プライマー、機械固定の併用が望ましい。

成形条件

項目代表条件備考
乾燥温度80〜105℃木粉を含むため乾燥管理が重要である。過乾燥や高温乾燥では変色に注意する。
乾燥時間2〜6時間吸湿状態、木粉量、ペレット形状により調整する。
シリンダー温度150〜200℃PE系は低め、PP系はやや高めに設定する。木粉の熱劣化を避けるため過熱は避ける。
金型温度30〜80℃外観、寸法安定性、反り、結晶化状態により調整する。
押出温度150〜190℃滞留時間が長い場合は木粉の焦げ、臭気、ガスに注意する。
成形収縮率0.2〜1.0%木粉量が多いほど収縮は小さくなる傾向があるが、流れ方向と直角方向で差が出る。
水分管理低水分状態を維持水分が多いと発泡、銀条、ボイド、強度低下、臭気の原因となる。

代表的な物性値又は機械的性質

項目単位PE系WPCPP系WPCGF強化PPCF強化PP備考
密度g/cm31.05〜1.301.00〜1.251.10〜1.351.05〜1.25木粉量、発泡有無、無機充填材量により変化する。
引張強さMPa15〜3020〜4050〜12070〜150WPCは界面密着性と木粉分散が影響する。
伸び%1〜51〜41〜50.5〜3木粉量が多いほど伸びは低下しやすい。
曲げ強さMPa25〜5535〜7080〜180100〜220デッキ材では曲げ特性が重要である。
曲げ弾性率GPa2.0〜5.03.0〜7.04.0〜10.06.0〜15.0木粉充填により母材樹脂より高くなる。
アイゾット衝撃強さJ/m20〜8015〜7050〜15030〜120ノッチ有無、温度、木粉量により大きく変動する。
荷重たわみ温度60〜9080〜120120〜160130〜170荷重条件により値が変わる。
融点またはガラス転移温度PE融点 105〜135PP融点 160〜170PP融点 160〜170PP融点 160〜170WPC自体は複合材であり、母材樹脂の熱特性に支配される。
連続使用温度50〜7060〜8080〜12090〜130屋外では日射による表面温度上昇を考慮する。
吸水率%0.5〜3.00.5〜2.50.1〜0.50.1〜0.524時間吸水の目安。長期浸漬では増加する。
線膨張係数×10-5/K3〜83〜72〜51〜4施工時の伸縮逃げを考慮する。
体積抵抗率Ω・cm1011〜10151011〜10151012〜1015102〜108木粉の吸湿、導電性添加材、炭素繊維により低下する。

耐薬品性

薬品分類代表薬品評価備考
酸類希塩酸、希硫酸、酢酸ポリオレフィン系母材は比較的安定であるが、強酸、高温、長時間では木質成分への影響を確認する。
強酸・酸化性酸濃硫酸、硝酸、クロム酸×木質成分の炭化、酸化、樹脂劣化の可能性がある。
アルカリ類NaOH、KOH、水酸化ナトリウム水溶液母材樹脂は比較的安定でも、木質成分、顔料、添加剤への影響が出る場合がある。
低級アルコール類エタノール、IPA、メタノール短時間接触では比較的安定である。長時間浸漬、応力下では確認が必要である。
高級アルコール類グリセリン、MMB、ベンジルアルコール○〜△溶剤の種類、温度、接触時間により膨潤や表面変化が出る場合がある。
芳香族炭化水素類トルエン、キシレン、エチルベンゼン△〜×PE、PP系母材は膨潤しやすい。長時間接触には不向きである。
脂肪族炭化水素類ヘキサン、灯油、ミネラルスピリット油分や炭化水素により膨潤、軟化、重量変化が起こる場合がある。
ケトンアセトン、MEK、MIBK○〜△PE、PP系では比較的安定な場合が多いが、PVC系、添加剤、表面処理により異なる。
エステル酢酸エチル、酢酸ブチル表面変化、添加剤抽出、膨潤に注意する。
塩素系溶剤ジクロロメタン、トリクロロエチレン、クロロホルム×膨潤、軟化、クラックの可能性が高く、通常は避ける。
水・温水水、温水、湿潤環境○〜△短期では安定しやすいが、長期では木粉由来の吸水、膨潤、カビ、界面劣化を確認する。
植物油、鉱物油、潤滑油○〜△油の種類、温度、接触時間により汚染、膨潤、しみ込みが起こる場合がある。
燃料ガソリン、軽油、アルコール燃料△〜×ポリオレフィン系母材の膨潤、添加剤抽出、木粉界面への浸透に注意する。
SP値(溶解度パラメータ)
項目内容
代表的なSP値木材・プラスチック再生複合材の見かけSP値は、母材樹脂と木質成分の配合により一般に18〜23 MPa1/2程度を目安とする。
PE系WPCの目安17〜21 MPa1/2
PP系WPCの目安18〜22 MPa1/2
木質成分の影響セルロースやリグニンは水酸基を含むため、単純なポリオレフィンより極性が高い挙動を示す場合がある。
注意SP値は溶解・膨潤傾向の目安であり、耐薬品性は結晶性、木粉量、界面密着性、温度、応力、薬品濃度、接触時間、添加剤により変化する。
溶解性の目安
SP値差溶解・膨潤の目安判定
0〜2膨潤・軟化しやすい×
2〜5条件により膨潤する
5〜8短時間接触では比較的安定
8以上溶解・膨潤しにくい
SP値から見た耐溶剤性
薬品名SP値 MPa1/2WPCとの差の目安評価備考
47.9約25〜30○〜△SP値差は大きいが、木質成分は吸水するため長期浸漬では注意する。
エタノール26.0約3〜8短時間接触では比較的安定である。
IPA23.5約1〜6○〜△長時間接触、応力下、表面処理品では確認が必要である。
アセトン20.3約0〜4○〜△SP値は近いが、PE・PP系では溶解しにくい。添加剤や表面変化を確認する。
MEK19.0約0〜4グレードにより膨潤や表面変化が出る場合がある。
酢酸エチル18.6約0〜4表面変化、添加剤抽出に注意する。
トルエン18.2約0〜5△〜×ポリオレフィン系母材の膨潤が起こりやすい。
キシレン18.0約0〜5△〜×高温、長時間接触では不適となる場合が多い。
ヘキサン14.9約3〜8SP値差はややあるが、ポリオレフィンは炭化水素で膨潤する場合がある。
ジクロロメタン20.2約0〜4×膨潤、軟化、クラックの可能性が高い。

評価基準:◎非常に良好、○概ね良好、△注意が必要、×不適。SP値による判定は初期スクリーニングであり、実使用では薬品濃度、温度、応力、接触時間、紫外線、吸水状態、グレードを確認する必要がある。

製法

工程内容注意点
原料木粉、木質繊維、竹粉、籾殻、再生PE、再生PP、PVC、相溶化剤、滑剤、顔料、紫外線吸収剤、酸化防止剤などを使用する。木粉の水分、粒径、灰分、異物、樹脂のMFR、劣化履歴を管理する。
重合方法WPC自体は重合で製造する材料ではなく、既存の熱可塑性樹脂と木質材料を混練して作る複合材料である。母材樹脂の重合方法はPE、PP、PVCなどの樹脂種に依存する。
乾燥木粉やペレットを乾燥し、水分を低減する。水分が多いと押出時に発泡、ボイド、表面荒れ、強度低下が起こる。
コンパウンド二軸押出機、ニーダー、混練機などで木粉、樹脂、添加剤を混練する。木粉の熱劣化を避けるため、温度と滞留時間を管理する。
ペレット化混練物をストランドカット、ホットカットなどでペレット化する。ペレット内部水分、粉化、分散不良に注意する。
成形押出成形、射出成形、圧縮成形などで成形品を得る。押出材では冷却、引取速度、反り、寸法変化を管理する。
後加工サンディング、ブラッシング、エンボス、切断、穴あけ、表面処理を行う場合がある。表面処理により外観、滑り性、吸水性、耐候性が変化する。

代表的な工程式は次のように表せる。

木粉 + 再生PEまたは再生PP + 相溶化剤 + 顔料 + 安定剤 → 乾燥 → 溶融混練 → ペレット化 → 押出成形 → 木材・プラスチック再生複合材成形品

相溶化剤を使用する場合、無水マレイン酸変性ポリオレフィンが木質成分表面の水酸基と相互作用し、ポリオレフィン母材との界面密着を改善する。これは厳密な単一反応式というより、エステル化、水素結合、極性相互作用、機械的絡み合いを含む界面改質として理解される。

詳細な利用用途

分野用途例選定ポイント
自動車内装基材、トリム材、荷室部材、パネル材軽量性、剛性、VOC、臭気、耐熱性、寸法安定性を確認する。
電気・電子筐体、カバー、装飾パネル難燃性、絶縁性、吸湿、寸法精度、アウトガスを確認する。
機械部品治具、カバー、スペーサー、補助部材荷重、クリープ、切削性、ビス保持力、耐油性を確認する。
医療一般には限定的清浄性、滅菌性、溶出、吸水、微生物管理が必要であり、医療用途には専用品の確認が必要である。
食品機械非接触カバー、周辺設備、作業台周辺部材食品接触の有無、洗浄薬品、吸水、カビ、異物混入、食品衛生法適合を確認する。
建築・設備デッキ材、ルーバー、フェンス、外装材、ベンチ、手すり耐候性、滑り性、熱膨張、曲げ強度、施工ピッチ、難燃性を確認する。
物流パレット、仕切り板、保護材、敷板衝撃、荷重、フォークリフト接触、吸水、耐油性を確認する。
園芸・農業プランター、杭、土留め、園芸支柱土壌接触、水分、紫外線、薬剤、長期屋外耐久性を確認する。

難燃性

項目内容
一般グレード木質成分とポリオレフィンを含むため可燃性である。UL94ではHB相当となる場合が多い。
難燃グレードリン系、窒素系、無機系難燃剤、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどを配合する場合がある。
酸素指数一般品では20前後の範囲が目安であり、難燃処方では上昇する。ただし配合により大きく変化する。
注意点建築用途では材料単体の燃焼性だけでなく、施工状態、厚み、空気層、下地、法規制を確認する必要がある。

法規制

規制・規格確認内容注意点
JIS A 5741木材・プラスチック再生複合材に関する日本の規格である。用途、性能区分、試験条件に応じて適合性を確認する。
RoHS鉛、カドミウム、水銀、六価クロム、臭素系難燃剤、フタル酸エステル類などの制限物質を確認する。再生材を使用する場合、ロットごとの管理が重要である。
REACHSVHC、制限物質、添加剤、顔料、安定剤の確認が必要である。輸出用途では最新の規制リストを確認する。
食品衛生法食品接触用途では樹脂、添加剤、再生材の適合性を確認する。一般的な建材用WPCを食品接触用途へ転用することは避ける。
FDA米国食品接触用途では該当規制への適合確認が必要である。再生材を含む場合、使用条件と原料由来の確認が重要である。
医療用途生体適合性、滅菌性、抽出物、微粒子、吸水性の確認が必要である。一般WPCは医療用途には通常適さない。

用途別選定

用途推奨される材料設計確認項目
デッキ材耐候性WPC、高剛性WPC、中空または中実押出材曲げ強度、滑り性、熱膨張、退色、ビス保持力、施工ピッチ
ルーバー耐候性、高寸法安定、軽量グレード反り、たわみ、熱変形、風荷重、固定方法
筐体射出成形用WPC、低臭気グレード外観、寸法精度、難燃性、衝撃性、アウトガス
チューブ一般には不向き柔軟性、耐圧性、内面平滑性、吸水性に課題がある。
ギア一般には不向き摩耗粉、寸法精度、吸水、疲労、衝撃の面で専用エンプラが適する。
軸受一般には不向き摺動性、摩耗、発熱、吸水、相手材攻撃性を考慮し、UHMWPEやPOMなどを検討する。
フィルム低木粉配合または別材料を検討薄膜成形性、破断伸び、表面粗さが課題となる。
コネクタ一般には不向き寸法精度、耐熱、難燃、電気特性が必要であり、PBT、PA、LCPなどが優先される。

注意点

注意項目内容
吸水母材樹脂が疎水性でも、木粉は吸水する。長期湿潤環境では膨潤、寸法変化、界面劣化に注意する。
加水分解PE、PP系では加水分解は小さいが、木質成分、添加剤、相溶化剤、表面処理層は劣化する場合がある。
応力割れ溶剤、施工応力、ビス締結、温度変化によりクラックが発生する場合がある。
熱劣化木粉は高温で変色、臭気、分解ガスを生じやすい。成形時の過熱と滞留を避ける。
アウトガス木粉由来の水分、揮発成分、添加剤、再生樹脂由来成分が発生する場合がある。
耐候性紫外線、雨水、熱サイクルにより退色、白化、表面粉化が起こる場合がある。
熱膨張天然木より熱膨張が大きい場合があるため、施工時には伸縮目地や固定方法を考慮する。
クリープ長期荷重下ではたわみが進行する。デッキ材や梁材では支持間隔と荷重条件を確認する。

関連材料との比較

比較材料特徴対象材料との違い
ポリプロピレン(PP)軽量、耐薬品性、成形性、耐熱性のバランスに優れる汎用プラスチックである。WPCは木粉を含むため剛性と木質感は高まるが、伸び、衝撃、流動性は低下しやすい。
ポリエチレン(PE)耐水性、耐薬品性、低温特性に優れる汎用プラスチックである。PE系WPCはPEの耐水性を活かしつつ木質感を付与するが、吸水とクリープに注意が必要である。
ポリ塩化ビニル(PVC)難燃性、剛性、耐候性、寸法安定性を得やすい材料である。PVC系WPCは剛性と難燃性を得やすいが、熱安定性と添加剤管理が重要である。
複合材料複数材料を組み合わせ、単一材料では得にくい特性を付与する材料群である。WPCは複合材料の一種であり、木質充填材と熱可塑性樹脂を組み合わせる点が特徴である。
超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)耐摩耗性、低摩擦性、耐衝撃性に優れる高分子量PEである。UHMWPEは摺動部材に適するが、WPCは主に建材・外構材に適する。
ポリブテン-1(PB-1)柔軟性、耐クリープ性、耐熱水性に特徴があるポリオレフィンである。PB-1は配管やフィルム用途が中心であり、WPCのような木質外観や高充填構造とは異なる。
プラスチック耐薬品性一覧主要プラスチックの耐薬品性を比較する資料である。WPCは母材樹脂だけでなく木粉と添加剤の影響も受けるため、単純な樹脂単体の評価とは異なる。

代表的なメーカー

メーカー代表製品・ブランド概要
ミサワホーム株式会社M-Wood木粉と樹脂を用いた木質系複合材料として知られる。建材、住宅関連部材での展開例がある。
株式会社LIXIL樹ら楽ステージなど人工木デッキ材、外構材としてWPC系材料を使用した製品を展開している。
YKK AP株式会社リウッドデッキ再生木、人工木系のデッキ材を展開している。屋外デッキ用途で使用される。
三協立山株式会社人工木デッキ材エクステリア分野で人工木材、デッキ、フェンス関連製品を展開している。
タカショー株式会社エバーエコウッドなど庭園、外構、景観資材向けの人工木材製品を展開している。
積水化学工業株式会社再生樹脂系建材、複合材関連製品樹脂加工、建材、環境配慮材料分野での展開がある。具体的な適用製品は用途ごとに確認する。

関連キーワード

木材・プラスチック再生複合材  WPC  WPRC  人工木材  再生木材  木粉プラスチック複合材  木質プラスチック複合材  再生プラスチック  ポリエチレン  ポリプロピレン  ポリ塩化ビニル  複合材料  デッキ材  外構材  耐候性  吸水率  JIS A 5741

タイトルとURLをコピーしました