概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 材料名 | 軟質ウレタンフォーム |
| 略記号 | FPUF、PUF、軟質PUフォーム |
| IUPAC | 単一のIUPAC名では表しにくい。代表的にはカルバメート結合(ウレタン結合、-NH-CO-O-)を含む架橋高分子発泡体である。 |
| 英語名 | Flexible Polyurethane Foam / Flexible PU Foam |
| 日本語名 | 軟質ポリウレタンフォーム、ウレタンスポンジ、スポンジウレタン、軟質発泡ウレタン |
| 分類 | 熱硬化性樹脂系発泡体、ポリウレタン系フォーム、発泡プラスチック |
| プラスチック分類 | 一般プラスチック系の反応発泡材料であり、エンジニアリング・プラスチック又はスーパーエンジニアリング・プラスチックには通常分類しない。 |
| 化学式又は代表構造 | 代表構造:-R-NH-CO-O-R′-O-CO-NH-R-。実際には尿素結合、分岐、架橋及びセル構造を含む。 |
| CAS No. | ポリウレタンとして9009-54-5が用いられることがある。ただしフォームは配合物であり、単一CAS No.で一義的に表せない。 |
| 構造・主成分 | ポリエーテルポリオール又はポリエステルポリオール、TDI又はMDI系イソシアネート、水、触媒、シリコーン系整泡剤、架橋剤及び各種添加剤。 |
| 主な用途 | 家具、寝具、自動車シート、吸音材、緩衝材、包装材、フィルター、シール材、建築内装、医療・介護用クッション。 |
軟質ウレタンフォームは、ポリウレタン樹脂を発泡させた柔軟な多孔質材料である。一般に連続気泡を主体とし、低密度、圧縮回復性、クッション性、吸音性及び断熱性を利用する。密度、硬さ、反発弾性、通気量及びセル径を広い範囲で設計できる。
ポリエーテル系は一般に耐加水分解性、低温柔軟性及び弾性回復性に優れ、家具、寝具、自動車シートで多用される。ポリエステル系は引張強さ、耐摩耗性及び耐油性に優れる傾向があるが、高温多湿下では加水分解に注意が必要である。
本材料はペレットを再溶融する熱可塑性樹脂ではなく、原料液を混合して発泡・架橋させる反応成形材料である。選定時には短時間の引張特性だけでなく、密度、25%又は40%硬さ、反発弾性、圧縮永久ひずみ、通気性、VOC、燃焼性、熱老化及び湿熱老化を確認する必要がある。
特徴
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 長所 | 軽量であり、柔軟性、クッション性、衝撃吸収性、吸音性、断熱性及び加工性に優れる。密度や硬さを広範囲に調整できる。 |
| 短所 | 熱、紫外線、湿熱、酸化及び加水分解により劣化する場合がある。長期圧縮ではへたり、強溶剤では膨潤、軟化又は接着層剥離が生じ得る。 |
| 外観 | 白色、淡黄色、灰色、黒色又は着色品。一般に連続気泡のスポンジ状であり、光、熱及びNOxにより黄変しやすい。 |
| 耐熱性 | 連続使用温度は一般に70~100℃程度が目安である。耐熱グレードでも圧縮荷重、酸素、湿度及び時間により性能保持率が変わる。 |
| 耐薬品性 | 水、希薄中性洗剤及び短時間の低級アルコールには比較的耐える場合がある。強酸、強アルカリ、ケトン、エステル、芳香族及び塩素系溶剤には注意が必要である。 |
| 加工性 | スラブ発泡、モールド発泡、注入発泡、裁断、打抜き、スリット、貼合、含浸及び熱圧縮加工に適する。 |
| 分類上の注意 | ポリウレタンの発泡体であるが、熱可塑性ポリウレタン(TPU)とは加工法及び評価軸が異なる。硬質ウレタンフォームとも用途及びセル構造が異なる。 |
構造式

代表的な反応と構造単位
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ウレタン結合生成 | R-N=C=O + R′-OH → R-NH-CO-O-R′ |
| 水発泡反応 | 2R-N=C=O + H2O → R-NH-CO-NH-R + CO2↑ |
| 代表構造 | ソフトセグメントと、ウレタン結合及び尿素結合を含むハードセグメントからなる架橋構造。 |
| 構成成分 | ポリオール、ジイソシアネート、水、鎖延長剤、架橋剤、触媒、整泡剤、難燃剤等。 |
| 変性グレード | 高反発、低反発、低VOC、難燃、帯電防止、導電、抗菌、防カビ、親水、撥水及び耐加水分解グレードがある。 |
種類・代表グレード
| 種類 | 主成分又は特徴 | 長所 | 短所 | 主な用途 |
|---|---|---|---|---|
| 汎用ポリエーテル系 | ポリエーテルポリオールとTDI系を用いることが多い。 | 低コスト、耐加水分解性、弾性回復性。 | 耐油性及び耐摩耗性には限界。 | 家具、寝具、包装、吸音材。 |
| ポリエステル系 | ポリエステルポリオール主体。 | 引張強さ、耐摩耗性、耐油性。 | 湿熱下で加水分解しやすい。 | フィルター、工業用スポンジ、研磨材。 |
| 高反発フォーム | 高弾性ポリオール及びMDI/TDI系。 | 反発弾性、支持性、耐へたり性。 | 配合管理が複雑で比較的高価格。 | 自動車シート、椅子、マットレス。 |
| 低反発フォーム | ガラス転移領域を室温付近に設計した粘弾性フォーム。 | 体圧分散、衝撃吸収、静粛性。 | 温度依存性、通気性、復元遅延。 | 枕、寝具、介護用品、保護材。 |
| 難燃グレード | 難燃剤又は難燃性ポリオールを配合。 | 各種燃焼規格への対応が可能。 | 物性、VOC、煙及びコストへの影響。 | 自動車、鉄道、建築、電気機器。 |
| 導電・帯電防止 | カーボン系材料又は帯電防止剤を配合。 | ESD対策が可能。 | 汚染性、湿度依存性、圧縮後抵抗変化。 | 電子部品包装、導電クッション。 |
| 再生チップフォーム | 粉砕端材をバインダーで再結合。 | 高密度、耐荷重性、端材利用。 | 物性ばらつき、臭気及び異物管理。 | 床下材、緩衝材、マット。 |
成形加工
| 加工方法 | 適性 | 理由・注意点 |
|---|---|---|
| スラブ発泡 | ◎ | 連続又はバッチで大ブロックを発泡し、裁断して使用する代表法。 |
| モールド発泡 | ◎ | 複雑形状、自動車シート及び一体成形に適する。 |
| 注入発泡 | ◎ | 混合比、液温、吐出量、発泡圧及び硬化時間を管理する。 |
| 圧縮・熱圧縮加工 | ○ | 厚み調整、形状付与が可能。セル潰れと硬さ上昇に注意。 |
| 切削・裁断・打抜き | ◎ | 刃物、バンドナイフ、ウォータージェット等が利用可能。 |
| 接着・貼合 | ○ | 溶剤攻撃、接着剤浸透、VOC及び可塑剤移行を確認する。 |
| 射出成形 | × | 通常の熱可塑性射出成形には不適。反応射出又はモールド発泡として扱う。 |
| 押出・ブロー・真空成形 | × | 再溶融成形材料ではないため、通常の熱可塑加工には不適。 |
| 3Dプリント | - | 一般的な軟質フォームとしては標準工法ではない。 |
代表的な発泡・成形条件
| 項目 | 単位 | 一般的な目安 | 備考 |
|---|---|---|---|
| ポリオール液温 | ℃ | 20~30 | 配合、粘度及び設備により調整。 |
| イソシアネート液温 | ℃ | 20~30 | 結晶化、粘度及び反応速度に注意。 |
| 金型温度 | ℃ | 40~70 | モールドフォームの代表範囲。原料系に依存。 |
| 脱型時間 | min | 3~15 | 部品厚さ、触媒系及び金型温度に依存。 |
| 後硬化・熟成 | h | 24~72 | 最終物性及びVOC評価前の一般的な養生目安。 |
| 成形収縮率 | % | 一般化困難 | 発泡倍率、セル開放度、金型拘束及び後収縮に依存するため、熱可塑性樹脂の収縮率と同列に扱わない。 |
代表的な物性値又は機械的性質
以下は非強化の一般的な軟質ポリエーテル系フォームを中心とした代表範囲である。フォーム密度、硬さ、セル構造、測定方向及び試験規格により大きく変動する。
| 項目 | 単位 | 下限 | 代表値 | 上限 | 規格・条件・備考 |
|---|---|---|---|---|---|
| 密度 | g/cm³ | 0.015 | 0.030 | 0.080 | 一般クッションフォームの代表範囲。特殊高密度品は範囲外。 |
| 比重 | - | 0.015 | 0.030 | 0.080 | 水を1とした概略値。 |
| 引張強さ・破断 | MPa | 0.07 | 0.12 | 0.30 | ISO 1798又はJIS K 6400系の代表範囲。方向依存性あり。 |
| 引張破断伸び | % | 80 | 150 | 300 | 密度及び架橋密度に依存。 |
| 引裂強さ | N/cm | 2 | 4 | 10 | 試験方法及び切欠き形状により変動。 |
| 反発弾性 | % | 20 | 45 | 65 | 低反発品は低く、高反発品は高い。 |
| 圧縮永久ひずみ | % | 2 | 8 | 20 | 50~75%圧縮、常温又は加熱条件。条件併記が必須。 |
| 25%圧縮硬さ | kPa | 1.0 | 3.5 | 10.0 | ISO 3386又はJIS K 6400系。厚さ及び前処理に依存。 |
| ガラス転移温度 | ℃ | -70 | -50 | -20 | ソフトセグメントの組成に依存。低反発品は室温付近に別の緩和を示す場合がある。 |
| 融点 | ℃ | 該当なし | 架橋熱硬化性フォームであり、明確な再溶融温度を持たない。 | ||
| 連続使用温度 | ℃ | 70 | 80 | 100 | 無荷重又は軽荷重の一般目安。熱老化試験で確認する。 |
| 熱伝導率 | W/(m・K) | 0.030 | 0.040 | 0.055 | 密度、セル、温度及び含水率に依存。 |
| 吸水率・24時間 | % | 一般化困難 | 連続気泡率、表面皮膜及び試験方法で大差がある。質量増加率又は体積吸水率を区別する。 | ||
| 体積抵抗率 | Ω・cm | 1E10 | 1E13 | 1E15 | 乾燥状態の絶縁性フォームの概略。帯電防止・導電品は大幅に低い。 |
| UL 94燃焼性 | - | グレード依存 | 厚さ、密度、色、難燃剤及び認証ファイルを個別確認する。 | ||
比較用評価スコア
| 評価項目 | スコア | 評価理由 |
|---|---|---|
| 衝撃吸収性 | 5 | セル構造と粘弾性によりエネルギー吸収性に優れる。 |
| 低温特性 | 4 | ポリエーテル系は低温柔軟性が良い。低反発系は低温で硬化しやすい。 |
| 耐熱性 | 2 | 高温長期では酸化劣化及び圧縮永久ひずみが進む。 |
| 耐薬品性 | 2 | 水系には一定の耐性があるが、多くの有機溶剤で膨潤しやすい。 |
| 耐加水分解性 | 3 | ポリエーテル系は比較的良好、ポリエステル系は注意。 |
| 成形加工性 | 4 | 発泡一体成形と二次加工の自由度が高いが、反応管理を要する。 |
| リサイクル性 | 2 | 架橋体で再溶融できず、再結合フォーム等に限定される。 |
| 価格優位性 | 4 | 汎用品は比較的低価格で流通性が高い。 |
耐薬品性
下表はポリエーテル系軟質フォームの一般傾向である。フォームは表面積が大きく、接着剤、表皮材及び添加剤の影響も受ける。実使用条件で浸漬後の質量、体積、硬さ、引張強さ及び外観を確認する必要がある。
| 薬品 | 濃度 | 温度 | 接触条件 | 評価 | 主な劣化形態 | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 水 | - | 23℃ | 短時間~24h | ○ | 吸水、硬さ変化 | ポリエーテル系は比較的安定。乾燥後回復も確認。 |
| 温水 | - | 60~80℃ | 長時間 | △ | 加水分解、強度低下 | ポリエステル系は特に注意。 |
| 塩酸 | 5% | 23℃ | 短時間 | △ | 変色、結合劣化 | 濃度及び温度上昇で悪化。 |
| 硫酸 | 10% | 23℃ | 短時間 | △ | 炭化、脆化 | 濃硫酸は不適。 |
| 水酸化ナトリウム | 5% | 23℃ | 短時間 | △ | 加水分解、軟化 | ポリエステル系は不利。 |
| エタノール | 99% | 23℃ | 短時間 | ○ | 一時膨潤、抽出 | 長時間浸漬及び接着層には注意。 |
| IPA | 99% | 23℃ | 短時間 | ○ | 一時膨潤 | 乾燥後の寸法及び硬さ回復を確認。 |
| グリセリン | 99% | 23℃ | 短時間 | ○ | 吸着、べたつき | 洗浄性及び残留を確認。 |
| トルエン | 99% | 23℃ | 短時間 | × | 著しい膨潤、軟化 | 芳香族炭化水素は不適となる場合が多い。 |
| n-ヘキサン | 99% | 23℃ | 短時間 | △ | 膨潤、添加剤抽出 | 配合により差が大きい。 |
| アセトン | 99% | 23℃ | 短時間 | × | 著しい膨潤、軟化 | ケトン系は一般に不適。 |
| 酢酸エチル | 99% | 23℃ | 短時間 | × | 膨潤、接着層剥離 | エステル系は一般に不適。 |
| ジクロロメタン | 99% | 23℃ | 短時間 | × | 著しい膨潤、溶解様崩壊 | 塩素系溶剤は避ける。 |
| 鉱物油 | - | 23℃ | 24h | △ | 膨潤、硬さ変化 | ポリエステル系が有利な場合がある。 |
| ガソリン | - | 23℃ | 短時間 | × | 膨潤、抽出 | 燃料接触用途には専用評価が必要。 |
| 次亜塩素酸ナトリウム | 0.1~1% | 23℃ | 短時間 | △ | 酸化、黄変、脆化 | 有効塩素濃度、pH及び接触時間を確認。 |
| 過酸化水素 | 3% | 23℃ | 短時間 | △ | 酸化、変色 | 高濃度又は高温では劣化が加速。 |
SP値(溶解度パラメータ)
ポリウレタンのSP値はソフトセグメント、ハードセグメント及び架橋密度により幅があり、軟質フォームの代表値は概ね20~24 MPa1/2程度とされることが多い。ただしフォームは多相架橋体であり、単一のSP値で耐薬品性を一義的に判定できない。
溶解性の目安
| SP値差 | 溶解・膨潤の目安 | 判定 |
|---|---|---|
| 0~2 | 膨潤・軟化しやすい | × |
| 2~5 | 条件により膨潤する | △ |
| 5~8 | 短時間接触では比較的安定 | ○ |
| 8以上 | 溶解・膨潤しにくい | ◎ |
SP値から見た耐溶剤性
| 溶剤 | SP値 MPa1/2 | PUとの差の目安 | 評価 | 実務上の注意 |
|---|---|---|---|---|
| トルエン | 18.2 | 2~6 | × | 芳香族溶剤で膨潤しやすい。 |
| 酢酸エチル | 18.6 | 1~5 | × | エステル結合及びソフトセグメントとの親和性に注意。 |
| アセトン | 20.0 | 0~4 | × | 膨潤、軟化、添加剤抽出が起こり得る。 |
| IPA | 23.5 | 0~4 | △ | SP差は小さいが水素結合、揮発性及び短時間接触では挙動が異なる。 |
| エタノール | 26.0 | 2~6 | △ | 短時間では使用可能な場合があるが、長期浸漬は確認する。 |
| 水 | 47.9 | 24~28 | ○ | SP上は非膨潤側でも、加水分解及び吸水は別機構で進行する。 |
SP値差は物理的な親和性の一次スクリーニングであり、加水分解、酸化、ウレタン結合の開裂、添加剤抽出、接着層劣化及び応力状態を考慮しなければならない。
製法

| 工程 | 内容 |
|---|---|
| 原料調整 | ポリオール、水、触媒、整泡剤、架橋剤及び添加剤を均一化する。イソシアネート側は水分混入を避ける。 |
| 計量・混合 | ポリオール側とイソシアネート側を所定のNCO指数で高速混合する。温度、粘度及び混合時間がセル均一性に影響する。 |
| 発泡・ゲル化 | ウレタン生成反応と水発泡反応を同時進行させる。CO2発生、セル成長、架橋及びセル開放のバランスを制御する。 |
| 硬化・熟成 | スラブ又は金型内で硬化させ、脱型後に熟成する。未反応成分、アミン臭及びVOCを管理する。 |
| 仕上げ | 裁断、打抜き、スリット、貼合、含浸、洗浄、除膜及び検査を行う。 |
| 再資源化 | 端材は粉砕し、再結合フォーム、充填材又はケミカルリサイクル原料として利用される場合がある。 |
詳細な利用用途
| 分野 | 適性 | 用途例 | 選定上の注意 |
|---|---|---|---|
| 家具・寝具 | ◎ | ソファ、椅子、マットレス、枕。 | 密度、硬さ、反発弾性、へたり、VOC。 |
| 自動車内装 | ◎ | シート、ヘッドレスト、吸音材、シール。 | FMVSS 302、臭気、フォギング、熱老化。 |
| 包装・緩衝 | ◎ | 精密機器、電子部品、輸送用緩衝材。 | 静電気、復元性、圧縮クリープ。 |
| フィルター | ○ | 空気、水、油用の粗ろ過材。 | 除膜状態、孔径、耐薬品性、加水分解。 |
| 建築・設備 | ○ | 吸音、目地、シール、断熱補助材。 | 難燃性、耐候性、結露、発煙性。 |
| 医療・介護 | ○ | 体圧分散パッド、装具、クッション。 | 生体適合性、溶出、洗浄、滅菌耐久。 |
| 食品機械接触部 | △ | 清掃スポンジ、限定的なシール材。 | 食品接触適合、吸液、洗浄剤、微生物管理。 |
| 高荷重ギア・軸受 | × | 通常は不適。 | 剛性、寸法精度及び耐摩耗性が不足。 |
注意点・劣化及び故障モード
| 劣化現象 | 主な原因 | 発生しやすい条件 | 影響 | 予防策 | 推奨確認試験 |
|---|---|---|---|---|---|
| 熱酸化劣化 | 酸素、熱、触媒残渣。 | 80℃以上、長期圧縮。 | 黄変、硬化、脆化、粉化。 | 耐熱処方、温度低減、酸化防止剤。 | 70~120℃熱老化、硬さ・引張保持率。 |
| 加水分解 | エステル結合の開裂。 | 高温高湿、温水、酸・アルカリ。 | 軟化、粘着、強度低下。 | ポリエーテル系又は耐加水分解グレード。 | 85℃/85%RH、温水浸漬。 |
| 圧縮永久ひずみ | 粘弾性、架橋切断、セル座屈。 | 高圧縮率、高温、長時間。 | へたり、支持力低下。 | 高密度・高反発品、圧縮率低減。 | 50~75%圧縮、22~70h、常温及び加熱。 |
| 溶剤膨潤 | ポリマーと溶剤の親和性。 | 芳香族、ケトン、エステル、塩素系。 | 寸法変化、軟化、接着剥離。 | 接触回避、バリア層、耐溶剤材へ変更。 | 実薬品浸漬、質量・体積・硬さ測定。 |
| 黄変・耐候劣化 | UV、NOx、熱、芳香族イソシアネート。 | 屋外、蛍光灯、高温保管。 | 色差、表面粉化、強度低下。 | 遮光、耐候処方、表皮材。 | キセノンアーク、色差及び強度保持率。 |
| VOC・アウトガス | 触媒、未反応物、添加剤。 | 高温、密閉空間、成形直後。 | 臭気、フォギング、電子部品汚染。 | 低VOC処方、十分な熟成・換気。 | VOC、フォギング、TML/CVCM又は用途別試験。 |
法規制・認証
| 法規制・認証 | 一般的な位置付け | 確認事項 |
|---|---|---|
| RoHS・REACH・SVHC | 対応可能なグレードが存在 | 難燃剤、触媒、顔料、再生材及び製造拠点を含む最新証明書を確認する。 |
| 自動車燃焼規格 | 適合グレードが存在 | FMVSS 302等は厚さ、密度、積層構成及び表皮材を含めて評価する。 |
| UL 94 | 個別グレード認証 | 認証ファイル、色、試験片厚さ及び等級を確認する。 |
| 日本食品衛生法・FDA・EU食品接触 | 限定的な適合グレード | 材料群全体の適合ではない。接触食品、温度、時間及び抽出条件を確認する。 |
| ISO 10993・USP Class VI | 医療用個別グレード | 最終製品の生体適合性、滅菌方法及び溶出物を用途別に評価する。 |
| PFAS関連規制 | 配合依存 | 撥水剤、離型剤、加工助剤等の含有有無をサプライヤーへ確認する。 |
環境・リサイクル性及び価格・供給性
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 熱可塑性/熱硬化性 | 一般に架橋熱硬化性であり、再溶融成形できない。 |
| マテリアルリサイクル | 粉砕チップの再結合フォーム、充填材利用等が中心である。 |
| ケミカルリサイクル | グリコリシス等の検討例があるが、分別、採算性及び再生品質が課題となる。 |
| バイオベース | 植物由来ポリオールを一部使用した製品が存在する。バイオベースは生分解性を意味しない。 |
| 価格区分 | 汎用品は比較的低価格~中価格。高反発、低VOC、難燃、導電及び医療用は中価格~比較的高価格。 |
| 供給形態 | ブロック、シート、ロール、打抜き品、成形品、再結合フォーム等。国内入手性は良好である。 |
関連材料との比較
| 比較材料 | 特徴 | 軟質ウレタンフォームとの違い |
|---|---|---|
| 硬質ウレタンフォーム | 独立気泡、高断熱、高剛性。 | 軟質品は連続気泡主体でクッション用途、硬質品は断熱・構造用途。 |
| 熱可塑性ポリウレタン | 熱可塑性、耐摩耗、高強度。 | TPUは再溶融成形可能で高密度。軟質フォームは軽量・多孔質。 |
| EVA | 独立気泡発泡体、耐水性、軽量。 | EVAフォームは吸水しにくく成形安定性が高いが、軟質PUはクッション設計幅が広い。 |
| 発泡ポリエチレン | 耐水、耐薬品、軽量。 | PEフォームは耐水・耐薬品性に優れ、軟質PUは柔らかさと吸音性に優れる。 |
| EPDM | 耐候、耐オゾン、耐水。 | EPDMスポンジは屋外耐久性に優れ、PUはクッション性と成形自由度に優れる。 |
| シリコーンゴム | 耐熱、耐寒、耐候。 | シリコーンフォームは高温域に強いが高価格。PUは汎用クッション用途に有利。 |
| ニトリルゴム | 耐油性に優れる。 | NBRスポンジは油接触に有利。PUは軽量、吸音、クッション用途に有利。 |
代表的なメーカー
| メーカー | 代表製品・ブランド | 概要 |
|---|---|---|
| 株式会社イノアックコーポレーション | カラーフォーム等 | 軟質ウレタンフォーム、モールド品、機能性フォームを広範囲に展開する国内主要メーカー。 |
| アキレス株式会社 | エアロン、AIRLON ECO、CRIIN FOAM、FITTY等 | 寝具、内装、包装、自動車及び工業用途向けの軟質ウレタンフォームを展開する。 |
| 株式会社ブリヂストン | ウレタンフォーム関連製品 | 自動車用シートパッド等の発泡ポリウレタン製品を扱う。採用可否は個別仕様確認が必要。 |
| 積水化成品工業株式会社 | 発泡体・複合発泡材料 | 用途によりウレタン系を含む発泡材料を展開する。具体的な製品系統は最新カタログで確認する。 |
関連キーワード
軟質ウレタンフォーム / ポリウレタン / 硬質ウレタンフォーム / TPU / 発泡プラスチック / 発泡ポリエチレン / EVA / ゴム・エラストマー / 耐薬品性 / SP値
用途決定前の推奨確認試験
- 実薬品浸漬試験:実濃度、実温度、実接触時間で、質量、体積、硬さ、引張強さ及び外観を評価する。
- 圧縮永久ひずみ・へたり試験:実圧縮率、実温度及び実寿命を模擬する。
- 高温高湿・加水分解試験:ポリエステル系では85℃・85%RH及び温水条件を優先する。
- 熱老化・紫外線促進耐候試験:色差だけでなく、硬さ、引張強さ及び粉化を確認する。
- 燃焼性試験:最終厚さ、密度、表皮材、接着剤及び積層構成で評価する。
- VOC・臭気・フォギング試験:自動車、寝具、医療及び密閉空間用途で確認する。
- 実部品耐久試験:荷重、応力、湿度、温度サイクル、繰返し回数及び接着構成を含めて評価する。
本ページの値は材料群としての代表値又は目安である。実使用では、メーカー、グレード、密度、セル構造、試験片厚さ、温度、濃度、荷重、応力、湿度、接触時間、成形条件及び法規制適合を個別に確認する必要がある。