熱可塑性エラストマー

概要

略記号:TPE
英語名:thermoplastic elastomer
化学式:省略

特性

  • 硬質相(ハードセグメント)となるプラスチックと軟質相(ソフトセグメント)となるプラスチックを掛け合わせたプラスチックとゴムとの中間の性質を持つ樹脂である。
  • 熱可塑性プラスチック同様に加熱して成形することができる。
  • 成形加工がゴムと比較して簡単なため、不良品の再生も可能である。
  • 分子にゴム相と樹脂相があり、樹脂相は冷却により固化して分子同士を結合さ(ドメイン)せ、ゴムと同様の性質を示す。
  • 上記を加熱すると、ドメインが外れて流動化する。
  • ゴム相と樹脂相の割合を変えることで、プラスチックに近いものからゴムに近いものまで作成が可能となる。
  • 二重結合のないものは耐候性がすぐれている。
  • 次のような分類がある。
    (1) ポリスチレン系(スチレンブタジエンブロック共重合体)
    (2) ポリウレタン系
    (3) オレフィン系(EPDM)
    (4) ポリエステル系
    (5) ポリアミド系
    (6) その他(エチレン・酢酸ビニル共重合体、1,2-ポリブタジエン、アイオノマーエチレン・アクリル酸エチル共重合体ポリ塩化ビニル系など)

特性一覧

性能スチレン系オレフィン系塩化ビニル系ウレタン系エステル系
比重0.95 - 1.20.89 - 1.01.1 - 1.31.1 - 1.31.1 - 1.2
硬度30A - 75D60A - 75D40A - 75D70A - 55D40A - 72D
機械的強度
圧縮永久ひずみX
低温特性X
高温特性X - △X
耐候性X - 〇
耐油性XX
耐温水性XX
成形加工性射出成型
押出成形XX

製法

掛け合わせるプラスチック類により、製造方法は異なる。

エステル系は、ブチレンジオールとポリテトラメチレンエーテルグリコールの混合物とジメチルテレフタレートとのエステル交換反応後、重縮合により製造される。

アミド系は、ジカルボン酸を使用してラウロラクタムを開環重合後、ポリエーテルと重縮合させて製造される。

オレフィン系は、ポリオレフィンとエチレンプロピレンゴム(EPR)又はエチレンプロピレンジエンゴムを混練機で混合して製造される。

フッ素系は、ヨウ素化合物を連鎖移動剤を用いて、二段階のラジカル重合により製造される。

構造

省略

利用用途

  1.  履物接着剤
  2. コーティング材原料
  3. 電解製品ゴムパーツ
  4. 樹脂添加剤
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