| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 材料名 | ブタジエンゴム |
| 略記号 | BR |
| IUPAC | poly(buta-1,3-diene) / polybutadiene |
| 英語名 | Butadiene Rubber / Polybutadiene Rubber |
| 日本語名 | ブタジエンゴム、ポリブタジエンゴム、ポリブタジエン |
| 分類 | 合成ゴム、ジエン系ゴム、汎用合成ゴム |
| プラスチック分類 | 熱硬化性エラストマー・ゴム |
| 化学式または代表構造 | (C4H6)n、代表構造:[-CH2-CH=CH-CH2-]n |
| CAS No. | 9003-17-2 |
| 構造・主成分 | 1,3-ブタジエンを重合したポリブタジエンを主成分とする。cis-1,4構造、trans-1,4構造、1,2-ビニル構造の比率により特性が変化する。 |
| 主な用途 | タイヤ、ゴルフボール、自動車部品、靴底、ベルト、ホース、防振ゴム、樹脂改質材など |
概要
ブタジエンゴム(BR)は、1,3-ブタジエンを主原料とする代表的なジエン系合成ゴムである。一般に反発弾性、耐摩耗性、低温柔軟性に優れ、タイヤ用ゴム、耐摩耗部材、衝撃改質材などに広く用いられる。
BRは単独で使用されることもあるが、実用上はスチレンブタジエンゴム(SBR)、天然ゴム(NR)、クロロプレンゴム(CR)などとブレンドして使用されることが多い。これは、BR単独では加工性、引裂強さ、ウェットグリップ性などに課題があるためである。
物性はcis含有量、分子量、分子量分布、重合触媒、配合剤、加硫条件により大きく変化する。特にタイヤ用途では、耐摩耗性、転がり抵抗、グリップ性能のバランスを考慮して設計される。
特徴
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 長所 | 反発弾性、耐摩耗性、低温柔軟性、耐屈曲疲労性に優れる。発熱が比較的小さく、動的用途に適する。 |
| 短所 | 単独では加工性、引裂強さ、耐油性、耐オゾン性、耐候性が十分でない場合がある。芳香族溶剤や油類では膨潤しやすい。 |
| 外観 | 原料ゴムは白色から淡黄色の固体またはベール状である。配合後はカーボンブラックなどにより黒色となることが多い。 |
| 耐熱性 | 一般に常用温度は約70~100℃程度が目安である。耐熱老化性はEPDM、シリコーンゴム、フッ素ゴムなどより劣る。 |
| 耐薬品性 | 水、希酸、希アルカリ、低級アルコールには比較的安定である。鉱物油、ガソリン、芳香族炭化水素、塩素系溶剤では膨潤しやすい。 |
| 加工性 | 単独ではロール加工性や押出安定性に注意を要する。SBR、NR、IRなどとのブレンドにより加工性を改善することが多い。 |
| 分類上の注意 | BRは熱可塑性プラスチックではなく、加硫により弾性体となる熱硬化性エラストマー・ゴムに分類される。未加硫ゴム、加硫ゴム、液状ポリブタジエンでは性質が異なる。 |
構造式
ブタジエンゴムは、1,3-ブタジエン(CH2=CH-CH=CH2)を付加重合して得られるポリブタジエンである。代表的にはcis-1,4結合を多く含む高シスBRが用いられる。
代表的な構造単位
| 構造 | 表記 | 特徴 |
|---|---|---|
| cis-1,4構造 | [-CH2-CH=CH-CH2-]n(cis) | 反発弾性、低温柔軟性、耐摩耗性に寄与する。高シスBRの主要構造である。 |
| trans-1,4構造 | [-CH2-CH=CH-CH2-]n(trans) | 結晶性や硬さに影響する。含有率が高いと弾性や加工性が変化する。 |
| 1,2-ビニル構造 | [-CH2-CH(CH=CH2)-]n | ガラス転移温度や動的特性に影響する。高ビニルBRではグリップ性や粘弾性を調整しやすい。 |
モノマーまたは構成単位
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 主モノマー | 1,3-ブタジエン |
| モノマー構造 | CH2=CH-CH=CH2 |
| 重合後の代表構造 | [-CH2-CH=CH-CH2-]n |
| 共重合体・変性グレード | スチレンとの共重合体はスチレンブタジエンゴム(SBR)である。末端変性BR、液状ポリブタジエン、樹脂改質用BRなども使用される。 |
種類
| 種類の名称 | 主成分または特徴 | 長所 | 短所 | 主な用途 |
|---|---|---|---|---|
| 高シスBR | cis-1,4構造を多く含むポリブタジエン | 反発弾性、耐摩耗性、低温柔軟性が良好 | 単独では加工性や引裂強さに注意が必要 | タイヤ、靴底、防振ゴム、ゴルフボール |
| 低シスBR | cis含有率が比較的低いポリブタジエン | 加工性やブレンド性を調整しやすい | 高シスBRほどの反発弾性が得られにくい場合がある | 一般工業用品、樹脂改質材 |
| 高ビニルBR | 1,2-ビニル構造を多く含むBR | 粘弾性、グリップ性、ガラス転移温度を調整しやすい | 低温柔軟性や反発弾性は組成により変化する | 高性能タイヤ、制振材料、特殊配合ゴム |
| Nd-BR | ネオジム系触媒で重合した高シスBR | 耐摩耗性、低発熱性、反発弾性に優れる | 用途により加工性改善の配合設計が必要 | 低燃費タイヤ、高耐摩耗タイヤ |
| Co-BR | コバルト系触媒で重合した高シスBR | 実績が多く、タイヤ用途で使用される | グレードにより分子量分布や加工性が異なる | タイヤ、工業用ゴム部品 |
| Li-BR | リチウム系触媒で重合したBR | 分子構造制御や末端変性がしやすい | 配合設計や用途選定に専門性を要する | 高性能タイヤ、樹脂改質、特殊ゴム |
| 液状ポリブタジエン | 低分子量の液状BR | 反応性希釈剤、可塑剤、バインダーとして使いやすい | 加硫ゴムとは物性が大きく異なる | 接着剤、シーラント、電気材料、改質剤 |
成形加工
ブタジエンゴムは熱可塑性樹脂のように単純に溶融成形する材料ではなく、配合、混練、成形、加硫を経てゴム製品となる。加工適性は配合、ムーニー粘度、充填材、加硫系、ブレンド比により変化する。
| 加工方法 | 適性 | 備考 |
|---|---|---|
| 射出成形 | ○ | ゴム射出成形として適用可能である。配合粘度、スコーチ、安全性、加硫条件の管理が必要である。 |
| 押出成形 | ○ | ホース、チューブ、プロファイルなどに用いられる。BR単独では形状保持性に注意する。 |
| ブロー成形 | × | 一般的な熱可塑性樹脂のブロー成形には適さない。 |
| 圧縮成形 | ◎ | ゴム成形の基本的な方法である。小ロット品、厚肉品、試作に適する。 |
| トランスファー成形 | ○ | 複雑形状や金具接着品に使用される場合がある。 |
| カレンダー加工 | ○ | シート、ゴム引き布などに用いられる。SBRやNRとのブレンドで加工性を調整することが多い。 |
| 真空成形 | × | 熱可塑性シートのような真空成形には適さない。 |
| 切削加工 | △ | 加硫ゴムの仕上げ加工は可能であるが、柔軟性が高いため寸法精度やバリに注意する。 |
| 接着・加硫接着 | ○ | 金属、繊維、他ゴムとの接着に用いられる。表面処理、プライマー、加硫条件の確認が必要である。 |
代表的な物性値又は機械的性質
以下の値は代表値・目安であり、未加硫ゴム、加硫ゴム、配合ゴム、カーボンブラック充填品、シリカ充填品で大きく変化する。実使用ではグレード、配合、温度、荷重、応力、使用時間、劣化条件を確認する必要がある。
| 項目 | 単位 | BR加硫ゴム代表値 | カーボンブラック充填BR | シリカ充填BR | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|
| 密度 | g/cm3 | 0.90~0.94 | 1.05~1.20 | 1.10~1.25 | 充填材量により増加する |
| 硬さ | Shore A | 35~75 | 50~80 | 45~80 | 配合、加硫条件により広く調整可能 |
| 引張強さ | MPa | 5~18 | 10~25 | 8~22 | BR単独配合では補強材の影響が大きい |
| 伸び | % | 250~700 | 200~600 | 250~650 | 硬さ、架橋密度により変化する |
| 引裂強さ | kN/m | 10~35 | 20~60 | 15~55 | NRやSBRとのブレンドで改善されることが多い |
| 曲げ弾性率 | MPa | 該当しにくい | 該当しにくい | 該当しにくい | ゴム材料では曲げ弾性率より硬さ、モジュラス、動的弾性率で評価することが多い |
| 100%モジュラス | MPa | 1~5 | 2~8 | 2~8 | 架橋密度と充填材に依存する |
| アイゾット衝撃強さ | kJ/m2 | 該当しにくい | 該当しにくい | 該当しにくい | ゴムでは衝撃強さより反発弾性や低温脆化温度を用いることが多い |
| 反発弾性 | % | 60~80 | 45~70 | 45~70 | 高シスBRで高い傾向がある |
| 荷重たわみ温度 | ℃ | 該当しにくい | 該当しにくい | 該当しにくい | 熱可塑性樹脂の評価項目であり、ゴムでは圧縮永久ひずみや耐熱老化を重視する |
| ガラス転移温度 | ℃ | -105~-80 | -105~-80 | -105~-80 | ビニル含有量により上昇する |
| 連続使用温度 | ℃ | -50~80 | -50~100 | -50~100 | 配合と劣化条件により異なる |
| 低温脆化温度 | ℃ | -70以下 | -60以下 | -60以下 | 低温柔軟性に優れる |
| 吸水率 | % | 0.1以下 | 0.1~0.3 | 0.1~0.5 | 充填材や配合剤により変化する |
| 体積抵抗率 | Ω・cm | 1013~1016 | 102~108 | 1010~1015 | カーボンブラック配合では導電性が大きく変化する |
耐薬品性
ブタジエンゴムは非極性の炭化水素系ゴムであり、水、希酸、希アルカリには比較的安定である。一方、油、燃料、芳香族炭化水素、塩素系溶剤では膨潤しやすく、耐油性を必要とする用途ではニトリルゴム(NBR)、フッ素ゴム(FKM)などを検討することが多い。
| 薬品分類 | 代表薬品 | 評価 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 酸類 | 希塩酸、希硫酸、酢酸水溶液 | ○ | 低濃度、常温では比較的安定である。高濃度酸、酸化性酸では劣化に注意する。 |
| アルカリ類 | 水酸化ナトリウム、KOH、アンモニア水 | ○ | 希薄アルカリでは比較的安定である。高温、高濃度では配合剤や接着界面の影響を確認する。 |
| 低級アルコール類 | メタノール、エタノール、IPA | ○ | 短時間接触では比較的安定である。配合剤の抽出に注意する。 |
| 高級アルコール類 | グリセリン、ブタノール、MMB | ○~△ | 薬品の種類、温度、接触時間により膨潤や軟化の可能性がある。 |
| 芳香族炭化水素類 | トルエン、キシレン、ベンゼン | × | 膨潤、軟化、強度低下を起こしやすい。 |
| 脂肪族炭化水素類 | ヘキサン、ヘプタン、ガソリン、灯油 | × | 非極性溶剤で膨潤しやすい。燃料用途には一般に適さない。 |
| ケトン | アセトン、MEK、MIBK | △ | 芳香族溶剤ほどではないが、配合や条件により膨潤、硬化、抽出が起こる。 |
| エステル | 酢酸エチル、酢酸ブチル | △~× | 膨潤や軟化が起こる場合がある。長時間接触には注意する。 |
| 塩素系溶剤 | ジクロロメタン、クロロホルム、トリクロロエチレン | × | 強い膨潤や溶解に近い劣化を起こすことがある。 |
| 水・温水 | 水道水、純水、温水 | ○ | 吸水は小さいが、温水、蒸気、加硫系、接着構造では確認が必要である。 |
| 油 | 鉱物油、潤滑油、作動油 | × | 耐油性は低い。油接触用途ではNBR、HNBR、FKMなどが候補となる。 |
| オゾン・屋外環境 | オゾン、紫外線、酸素 | △~× | 二重結合を含むため、耐オゾン性、耐候性には注意する。老化防止剤や保護ワックスを併用することが多い。 |
SP値(溶解度パラメータ)
ブタジエンゴムの代表的なSP値(δ)は、約16.5~17.5 MPa1/2程度が目安である。SP値が近い溶剤ほど膨潤・軟化しやすい傾向があるが、実際の耐薬品性は架橋密度、充填材、温度、濃度、応力、接触時間、配合剤の抽出性にも大きく左右される。
溶解性の目安
| SP値差 | 溶解・膨潤の目安 | 判定 |
|---|---|---|
| 0~2 | 膨潤・軟化しやすい | × |
| 2~5 | 条件により膨潤する | △ |
| 5~8 | 短時間接触では比較的安定 | ○ |
| 8以上 | 溶解・膨潤しにくい | ◎ |
SP値から見た耐溶剤性
以下はBRのSP値を17.0 MPa1/2とした場合の概算である。SP値差は溶解・膨潤傾向を推定する目安であり、実際の耐久性を保証するものではない。
| 薬品名 | SP値 MPa1/2 | BRとの差 | 評価 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| ヘキサン | 14.9 | 2.1 | △~× | 脂肪族炭化水素で膨潤しやすい |
| トルエン | 18.2 | 1.2 | × | SP値が近く、膨潤・軟化しやすい |
| キシレン | 18.0 | 1.0 | × | 芳香族炭化水素で不適 |
| 酢酸エチル | 18.6 | 1.6 | △~× | 条件により膨潤、軟化が起こる |
| MEK | 19.0 | 2.0 | △ | 短時間でも確認が必要 |
| IPA | 23.5 | 6.5 | ○ | 短時間接触では比較的安定なことが多い |
| エタノール | 26.0 | 9.0 | ◎~○ | 膨潤しにくいが配合剤抽出に注意する |
| 水 | 47.9 | 30.9 | ◎~○ | 吸水は小さいが、温水や加水分解性添加剤には注意する |
| 鉱物油 | 約15~17 | 0~2 | × | SP値が近く、油膨潤が大きい |
製法
主に1,3-ブタジエンを溶液重合または乳化重合により重合して製造される。高シスBRではチーグラー・ナッタ系触媒、ネオジム系触媒、コバルト系触媒などが用いられることが多い。
他のジエン(各分子に2つの二重結合を含む炭化水素)と同様に、ブタジエンは異性体。すなわち、複数の分子構造を有するものを製造することができる。主なバージョンはcis-1,4として知られており、ポリブタジエンの繰り返し単位として、次の構造を持っている。
他の2つの構造は、トランス-1,4および1,2側ビニル異性体である
原料
| 原料・材料 | 内容 |
|---|---|
| 1,3-ブタジエン | 主モノマーである。石油化学由来のC4留分から得られることが多い。 |
| 溶媒 | 溶液重合ではヘキサン、シクロヘキサンなどの炭化水素系溶媒が用いられる場合がある。 |
| 触媒 | ネオジム系、コバルト系、ニッケル系、リチウム系などがあり、ミクロ構造を制御する。 |
| 添加剤 | 老化防止剤、安定剤、伸展油などが用いられる場合がある。 |
代表的な反応式
n CH2=CH-CH=CH2 → [-CH2-CH=CH-CH2-]n
上記は1,4付加重合を模式的に示したものである。実際にはcis-1,4構造、trans-1,4構造、1,2-ビニル構造が生成し、その比率は触媒、溶媒、温度、重合条件により変化する。
代表的な工程
| 工程 | 内容 |
|---|---|
| モノマー精製 | 1,3-ブタジエン中の不純物、水分、阻害物質を管理する。 |
| 重合 | 触媒または開始剤を用いて重合し、目的の分子量、ミクロ構造、粘度に調整する。 |
| 停止・安定化 | 重合停止剤や老化防止剤を添加し、反応を停止させる。 |
| 脱溶媒・凝固 | 溶媒や未反応モノマーを除去し、ゴムを回収する。 |
| 乾燥・ベール化 | 水分や揮発分を除去し、ベール状またはブロック状に成形する。 |
| コンパウンド | カーボンブラック、シリカ、加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤、軟化剤などを混練する。 |
| 成形・加硫 | 押出、圧縮、射出などで成形し、硫黄加硫または過酸化物加硫により弾性体とする。 |
詳細な利用用途
| 分野 | 主な用途 | 採用理由 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 自動車 | タイヤトレッド、サイドウォール、ベルト、ブッシュ、防振ゴム | 耐摩耗性、反発弾性、低発熱性、低温柔軟性 | 耐油性、耐オゾン性、耐熱老化性を配合で補う必要がある |
| タイヤ | 乗用車用タイヤ、トラック用タイヤ、高耐摩耗タイヤ、低燃費タイヤ | 転がり抵抗低減、耐摩耗性、耐屈曲疲労性 | ウェットグリップとのバランスが重要である |
| 電気・電子 | 防振部材、緩衝材、絶縁性ゴム部品 | 弾性、耐衝撃性、絶縁性 | カーボンブラック配合では電気特性が変化する |
| 機械部品 | ロール、ベルト、カップリング、緩衝材、パッキン | 耐摩耗性、反発弾性、疲労性 | 油、溶剤接触がある場合は材料変更を検討する |
| スポーツ用品 | ゴルフボール、靴底、弾性部材 | 高反発性、耐摩耗性、低温柔軟性 | 硬さと反発性の配合設計が必要である |
| 医療 | 一般には限定的 | 柔軟性、弾性 | 生体適合性、抽出物、滅菌条件の確認が必要であり、医療用途では専用グレードを確認する |
| 食品機械 | 一般工業用緩衝材など限定的 | 弾性、耐摩耗性 | 食品接触、油脂接触、洗浄薬品への適合確認が必要である |
| 建築・設備 | 防振材、緩衝材、ゴムシート | 弾性、耐摩耗性、低温柔軟性 | 屋外では耐候性、耐オゾン性の対策が必要である |
| 樹脂改質 | 耐衝撃性ポリスチレン、ABS系材料、各種樹脂改質 | 衝撃吸収性、ゴム弾性 | 粒子径、グラフト構造、相溶性により効果が変わる |
関連材料との比較
| 比較材料 | 特徴 | ブタジエンゴムとの違い |
|---|---|---|
| スチレンブタジエンゴム(SBR) | スチレンとブタジエンの共重合ゴム。タイヤ、靴底、一般工業用品に多い。 | BRより加工性やバランスに優れることが多いが、反発弾性や低温柔軟性はBRが有利な場合がある。 |
| 天然ゴム(NR) | 高い引張強さ、引裂強さ、反発弾性を持つ天然由来ゴム。 | NRは機械強度に優れるが、BRは耐摩耗性、低温柔軟性、耐屈曲疲労性に優れる傾向がある。 |
| イソプレンゴム(IR) | 天然ゴムに近い構造を持つ合成ゴム。 | IRはNRに近いバランスを持つ。BRはより低いガラス転移温度と高い反発弾性が特徴である。 |
| ニトリルゴム(NBR) | 耐油性に優れるアクリロニトリル・ブタジエン共重合ゴム。 | NBRは耐油性に優れるが、BRは低温柔軟性、反発弾性、耐摩耗性に優れる。 |
| クロロプレンゴム(CR) | 耐候性、耐油性、難燃性のバランスが良い合成ゴム。 | CRは耐候性や耐油性がBRより良好であるが、BRは反発弾性や低温柔軟性で有利な場合がある。 |
| エチレンプロピレンゴム(EPDM) | 耐候性、耐オゾン性、耐水性に優れる非ジエン系に近いゴム。 | EPDMは屋外や水系用途に適する。BRは耐摩耗性、反発弾性、タイヤ用途で強みがある。 |
| フッ素ゴム(FKM) | 耐熱性、耐油性、耐薬品性に優れる高機能ゴム。 | FKMは高温・油・薬品環境に強いが、BRは低コストで反発弾性と耐摩耗性に優れる。 |
| 熱可塑性エラストマー(TPE) | 加硫を必要とせず、熱可塑性樹脂のように成形できるエラストマー。 | TPEはリサイクル性、射出成形性に優れる。BRは加硫ゴムとして耐疲労性や動的特性に優れる場合がある。 |
代表的なメーカー
以下はブタジエンゴムを扱う実在メーカーの代表例である。製品名、供給地域、グレード構成は変更される場合があるため、採用時は各メーカーの最新資料を確認する必要がある。
| メーカー | 代表製品・ブランド | 概要 |
|---|---|---|
| JSR株式会社 | BR、低シスBR、高シスBRなどの代表例 | 合成ゴム、エラストマー、樹脂材料を扱う日本の主要化学メーカーである。 |
| 日本ゼオン株式会社 | Nipol BR などの代表例 | 合成ゴム、特殊ゴム、ラテックスなどを扱う日本の化学メーカーである。 |
| UBE株式会社 | UBEPOL BR などの代表例 | 高シスBRなどの合成ゴムを扱う日本の化学メーカーである。 |
| ENEOSマテリアル株式会社 | BR系グレードの代表例 | 合成ゴム、ラテックス、樹脂材料を扱う日本の素材メーカーである。 |
| Kumho Petrochemical | KBR などの代表例 | BR、SBR、NBRなどを扱う韓国の合成ゴムメーカーである。 |
| ARLANXEO | Buna CB などの代表例 | タイヤ用・工業用の合成ゴムを扱うグローバルメーカーである。 |
| SIBUR | BR系グレードの代表例 | 合成ゴム、石油化学製品を扱うメーカーである。 |
| Reliance Industries | PBR系グレードの代表例 | ポリブタジエンゴムを含む石油化学材料を扱うメーカーである。 |
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