| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 材料名 | 熱可塑性コポリエステル |
| 略記号 | TPC、TPC-ET、TPEE |
| IUPAC | 単一のIUPAC名はない。代表例として、poly(butylene terephthalate)-block-poly(tetramethylene ether glycol) などのポリエステル系ブロック共重合体である。 |
| 英語名 | Thermoplastic Copolyester、Thermoplastic Polyester Elastomer、Copolyester Elastomer |
| 日本語名 | 熱可塑性コポリエステル、熱可塑性ポリエステルエラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、TPEE、TPC |
| 分類 | 熱可塑性エラストマー、ポリエステル系エラストマー |
| プラスチック分類 | エラストマー系材料である。硬質グレードや強化グレードではエンジニアリング・プラスチックに近い用途で使われることがある。 |
| 化学式または代表構造 | 代表構造:[-O-(CH2)4-O-CO-C6H4-CO-]m と [-O-(CH2)4-]n などを含むブロック共重合体 |
| CAS No. | 材料群であり、単一のCAS No.は一般に定まらない。グレード、共重合組成、メーカーにより異なる。 |
| 構造・主成分 | 一般に、ポリブチレンテレフタレート系の硬質セグメントと、ポリエーテルまたはポリエステル系の軟質セグメントからなるブロック共重合体である。 |
| 主な用途 | 自動車部品、ブーツ、ホース、チューブ、ケーブル被覆、機械部品、電気・電子部品、スポーツ用品、工業用ベルト、シール材など。 |
概要
熱可塑性コポリエステルは、ポリエステル系の硬質セグメントと柔軟な軟質セグメントを分子内に持つ熱可塑性エラストマーである。ゴム状の弾性、耐屈曲疲労性、耐油性、耐熱性、成形加工性のバランスがよく、射出成形、押出成形、ブロー成形などに使用される。
一般にはTPEEまたはTPCと呼ばれることが多く、ISO分類ではTPC-ETなどの表記が用いられる場合がある。ポリエーテル系軟質セグメントを含むグレードは低温柔軟性や耐屈曲性に優れ、ポリエステル系軟質セグメントを含むグレードは耐熱性や耐油性を重視する用途で選定されることがある。
熱可塑性コポリエステルは、加硫ゴムのような弾性を示しながら、熱可塑性樹脂と同様に溶融成形できる点が特徴である。ただし、高温水、蒸気、強アルカリ、加水分解条件では劣化しやすい場合があり、実使用ではグレード、温度、濃度、荷重、応力、使用時間を確認する必要がある。
特徴
長所
- ゴム状弾性と熱可塑性樹脂としての成形加工性を併せ持つ。
- 耐屈曲疲労性、耐反発弾性、耐摩耗性に優れるグレードが多い。
- 耐油性、耐グリース性、耐燃料性は一般的なオレフィン系エラストマーより良好な場合が多い。
- 低温柔軟性に優れるグレードがあり、寒冷環境でのブーツ、チューブ、ケーブル用途に使用される。
- 射出成形、押出成形、ブロー成形が可能で、加硫工程を必要としない。
- 硬度範囲が比較的広く、軟質グレードから硬質グレードまで設計しやすい。
短所
- 高温水、蒸気、強アルカリ条件では加水分解を受けやすい場合がある。
- 芳香族炭化水素、塩素系溶剤、ケトン、エステル類では膨潤または軟化することがある。
- 長期高温下ではクリープ、応力緩和、熱酸化劣化に注意が必要である。
- 難燃性が必要な用途では、難燃グレードの選定が必要になる。
- 一般的な汎用エラストマーやポリオレフィン系材料より高価になることが多い。
外観
一般に、自然色は乳白色から半透明、または白色系のペレットである。着色グレード、黒色グレード、ガラス繊維強化グレード、導電グレードでは外観が異なる。
耐熱性
融点はグレードによりおおむね160~225℃程度である。連続使用温度は一般に80~150℃程度が目安であり、硬質グレード、耐熱グレード、強化グレードでは高めに設計されることがある。ただし、荷重、応力、酸素、湿度、薬品の影響を受けるため、長期使用では実機評価が必要である。
耐薬品性
鉱物油、グリース、脂肪族炭化水素に対しては比較的良好である。一方、強酸、強アルカリ、高温水、蒸気、芳香族溶剤、塩素系溶剤、ケトン、エステル類では、条件により膨潤、軟化、加水分解、強度低下が起こることがある。
加工性
射出成形、押出成形、ブロー成形に適する。成形前には乾燥が必要であり、一般に80~120℃程度で2~4時間程度の予備乾燥が行われる。水分が多いと成形時に加水分解し、分子量低下、物性低下、外観不良を生じることがある。
分類上の注意
熱可塑性コポリエステルは、名称上はコポリエステルであるが、実務上は熱可塑性エラストマーとして扱われることが多い。硬質グレードではポリブチレンテレフタレートやポリエチレンテレフタレートに近い設計用途もあるが、一般的なポリエステル樹脂とは柔軟性、反発弾性、軟質セグメントの有無が異なる。
構造式
代表的な構造単位
代表構造は、ポリエステル硬質セグメントとポリエーテルまたはポリエステル軟質セグメントからなるブロック共重合体として表される。
硬質セグメント例:[-O-(CH2)4-O-CO-C6H4-CO-]m
ポリエーテル軟質セグメント例:[-O-(CH2)4-]n
ポリエステル軟質セグメント例:[-O-R-O-CO-R’-CO-]n
モノマーまたは構成単位
- テレフタル酸またはジメチルテレフタレート
- 1,4-ブタンジオール
- ポリテトラメチレンエーテルグリコールなどのポリエーテルジオール
- 脂肪族ポリエステルジオール
- 必要に応じて、共重合ジオール、共重合ジカルボン酸、安定剤、強化材などを使用する。
共重合体や変性グレード
熱可塑性コポリエステルは、硬質セグメントと軟質セグメントの比率により硬度、弾性率、融点、耐熱性、耐油性、低温特性が変化する。軟質セグメントが多いほど柔軟でゴム弾性に優れる傾向があり、硬質セグメントが多いほど剛性、耐熱性、寸法安定性が高くなる傾向がある。
種類
| 種類の名称 | 主成分または特徴 | 長所 | 短所 | 主な用途 |
|---|---|---|---|---|
| ポリエーテルエステル系TPC | PBT系硬質セグメントとポリエーテル系軟質セグメント | 低温柔軟性、耐屈曲疲労性、反発弾性に優れる。 | 高温水や蒸気では加水分解に注意が必要である。 | 自動車ブーツ、ホース、チューブ、ケーブル被覆 |
| ポリエステルエステル系TPC | 硬質・軟質の両方にポリエステル構造を持つグレード | 耐油性、耐熱性、機械強度に優れる傾向がある。 | 低温柔軟性はポリエーテル系より劣る場合がある。 | 機械部品、シール材、工業用部品 |
| 軟質グレード | 軟質セグメント比率が高いグレード | 柔軟性、反発弾性、低温特性に優れる。 | 剛性、耐荷重性、寸法安定性は低くなる。 | チューブ、ホース、パッキン、ブーツ |
| 硬質グレード | 硬質セグメント比率が高いグレード | 剛性、耐熱性、寸法安定性に優れる。 | 柔軟性、ゴム弾性は低くなる。 | ギア、コネクタ、機械部品、摺動部品 |
| ガラス繊維強化グレード | ガラス繊維を配合した強化タイプ | 剛性、耐熱性、寸法安定性が向上する。 | 伸び、柔軟性、耐衝撃性は低下することがある。 | 構造部品、電気部品、機械部品 |
| 難燃グレード | 難燃剤を配合したグレード | 電気・電子部品やケーブル用途に適用しやすい。 | 機械特性、耐加水分解性、成形性に影響する場合がある。 | ケーブル、コネクタ、電装部品 |
| 耐加水分解グレード | 安定剤や組成調整により耐湿熱性を高めたグレード | 湿熱環境、冷却水周辺部品で選定しやすい。 | 高温水や強アルカリでの長期使用には限界がある。 | 自動車冷却系周辺部品、屋外部品 |
| 導電・帯電防止グレード | カーボンブラック、導電フィラーなどを配合したグレード | 静電気対策、導電性付与が可能である。 | 外観、伸び、成形流動性が変化することがある。 | 搬送部品、電子部品トレー、帯電防止部品 |
成形加工
| 加工方法 | 適性 | 内容 |
|---|---|---|
| 射出成形 | ◎ | 最も一般的な加工方法である。ブーツ、コネクタ、機械部品、シール部品に適する。 |
| 押出成形 | ◎ | チューブ、ホース、ケーブル被覆、シート、フィルムに使用される。 |
| ブロー成形 | ○ | ブーツ、ダクト、中空部品に使用される。グレード選定と溶融粘度管理が重要である。 |
| 圧縮成形 | △ | 可能ではあるが、一般には射出成形や押出成形が優先される。 |
| 真空成形 | △ | シート化した材料では可能な場合があるが、一般的な主要加工法ではない。 |
| 切削加工 | ○ | 硬質グレードや強化グレードでは加工可能である。軟質グレードでは保持、バリ、寸法精度に注意が必要である。 |
| 溶着 | ○ | 熱板溶着、超音波溶着、振動溶着などが適用できる場合がある。 |
| 接着 | △ | 表面状態、グレード、接着剤との相性に依存する。実用前に接着強度確認が必要である。 |
熱可塑性コポリエステルは吸湿による成形時劣化を受けるため、成形前乾燥が重要である。乾燥不足では、シルバー、気泡、強度低下、粘度低下が発生することがある。
代表的な物性値又は機械的性質
| 項目 | 単位 | 未強化/ 標準グレード | 軟質グレード | GF強化グレード | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|
| 密度 | g/cm3 | 1.15~1.30 | 1.10~1.20 | 1.35~1.55 | 充填材、難燃剤、強化材により変化する。 |
| 引張強さ | MPa | 25~50 | 15~35 | 50~100 | 硬度、分子量、繊維量により大きく変化する。 |
| 伸び | % | 200~700 | 400~800 | 20~120 | 強化材配合では低下する。 |
| 曲げ弾性率 | MPa | 100~1,200 | 30~300 | 2,000~8,000 | 硬質グレードではPBTに近い剛性を示す場合がある。 |
| アイゾット衝撃強さ | kJ/m2 | 破壊せず~80 | 破壊せず | 5~25 | 試験片形状、ノッチ有無、温度により変化する。 |
| 荷重たわみ温度 | ℃ | 50~150 | 40~90 | 130~200 | 荷重条件により異なる。GF強化で上昇する。 |
| 融点 | ℃ | 160~225 | 150~210 | 180~225 | 硬質セグメント量により変化する。 |
| ガラス転移温度 | ℃ | -70~50 | -70~-20 | -50~50 | 軟質セグメントと硬質セグメントで複数の転移を示すことがある。 |
| 連続使用温度 | ℃ | 80~150 | 70~120 | 100~160 | 熱、湿度、応力、薬品の組み合わせで低下する。 |
| 吸水率 | % | 0.2~0.8 | 0.3~1.0 | 0.2~0.7 | 23℃水中または標準状態での目安である。 |
| 体積抵抗率 | Ω・cm | 1013~1016 | 1012~1015 | 1012~1015 | 導電グレード、帯電防止グレードでは大きく低下する。 |
上記は代表値の目安であり、保証値ではない。実使用では、グレード、成形条件、アニール条件、温度、湿度、荷重、応力、使用時間を確認する必要がある。
耐薬品性
| 薬品分類 | 代表例 | 評価 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 酸類 | 希塩酸、希硫酸、酢酸 | ○ | 希酸では比較的安定であるが、濃酸、高温、長時間では劣化に注意が必要である。 |
| 強酸類 | 濃硫酸、濃硝酸 | × | 分解、変色、強度低下の可能性が高い。 |
| アルカリ類 | NaOH、KOH、水酸化ナトリウム水溶液 | △~× | ポリエステル結合が加水分解を受けやすい。高温、濃厚条件では不適である。 |
| 低級アルコール類 | メタノール、エタノール、IPA | ○ | 短時間接触では比較的安定であるが、温度と応力により膨潤する場合がある。 |
| 高級アルコール類 | グリセリン、ベンジルアルコール、MMB | ○~△ | 溶剤種、温度、接触時間により評価が変わる。 |
| 芳香族炭化水素類 | トルエン、キシレン | △ | 膨潤、軟化、寸法変化に注意が必要である。 |
| 脂肪族炭化水素類 | ヘキサン、ヘプタン、ミネラルスピリット | ◎~○ | 比較的良好であるが、燃料成分や添加剤により変化する。 |
| ケトン | アセトン、MEK、MIBK | △~× | 膨潤、軟化、応力割れに注意が必要である。 |
| エステル | 酢酸エチル、酢酸ブチル | △~× | SP値が近く、膨潤または軟化しやすい。 |
| 塩素系溶剤 | ジクロロメタン、クロロホルム、トリクロロエチレン | × | 膨潤、溶解、物性低下の可能性が高い。 |
| 水・温水 | 水、温水、冷却水 | ○~△ | 常温水では比較的安定である。高温水、蒸気、長期浸漬では加水分解に注意する。 |
| 油 | 潤滑油、グリース、作動油 | ◎~○ | 耐油性は比較的良好であるが、添加剤、温度、圧力により確認が必要である。 |
| 燃料 | ガソリン、軽油、燃料油 | ○~△ | 芳香族成分、アルコール混合燃料、温度により膨潤が変化する。 |
SP値(溶解度パラメータ)
熱可塑性コポリエステルの代表的なSP値(δ)は、グレードにより異なるが、おおむね19~22 MPa1/2程度が目安である。ポリエーテル軟質セグメントを多く含むグレードでは低め、ポリエステル硬質セグメントを多く含むグレードでは高めに見積もられる場合がある。
SP値は溶剤との親和性を推定するための目安であり、耐薬品性を単独で判断する指標ではない。実際の耐薬品性は、結晶性、分子量、軟質セグメント比率、添加剤、温度、応力、薬品濃度、接触時間、加水分解性の影響を受ける。
溶解性の目安
| SP値差 | 溶解・膨潤の目安 | 判定 |
|---|---|---|
| 0~2 | 膨潤・軟化しやすい | × |
| 2~5 | 条件により膨潤する | △ |
| 5~8 | 短時間接触では比較的安定 | ○ |
| 8以上 | 溶解・膨潤しにくい | ◎ |
SP値から見た耐溶剤性
下表では、熱可塑性コポリエステルの代表SP値を20.5 MPa1/2として、各種溶剤とのSP値差を目安として示す。実際には、加水分解、酸化、結晶性、応力割れ、抽出、添加剤移行などが関係するため、SP値差が大きい場合でも実使用試験が必要である。
| 薬品名 | SP値 MPa1/2 | SP値差 | 目安評価 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| n-ヘキサン | 14.9 | 5.6 | ○ | 脂肪族炭化水素であり、比較的安定な場合が多い。 |
| トルエン | 18.2 | 2.3 | △ | 膨潤、軟化、寸法変化に注意する。 |
| キシレン | 18.0 | 2.5 | △ | 高温または長時間接触では不適となる場合がある。 |
| エタノール | 26.0 | 5.5 | ○ | 短時間では比較的安定であるが、応力下では確認が必要である。 |
| IPA | 23.5 | 3.0 | ○~△ | 温度、時間、グレードにより膨潤する場合がある。 |
| アセトン | 19.9 | 0.6 | × | SP値が近く、膨潤または軟化しやすい。 |
| MEK | 19.0 | 1.5 | × | 長時間接触、応力下では不適である。 |
| 酢酸エチル | 18.6 | 1.9 | ×~△ | 膨潤、軟化の可能性がある。 |
| ジクロロメタン | 20.2 | 0.3 | × | 溶解・膨潤リスクが高い。 |
| 水 | 47.9 | 27.4 | ○~△ | SP値差は大きいが、高温水や蒸気では加水分解に注意する。 |
| グリセリン | 33.8 | 13.3 | ○ | 高温条件や添加成分により確認が必要である。 |
| 鉱物油 | 16~18 | 2.5~4.5 | ◎~○ | 耐油性は比較的良好であるが、添加剤の影響を確認する。 |
評価基準:◎非常に良好、○概ね良好、△注意が必要、×不適。
製法
原料
- テレフタル酸またはジメチルテレフタレート
- 1,4-ブタンジオール
- ポリテトラメチレンエーテルグリコールなどのポリエーテルジオール
- 脂肪族ポリエステルジオール
- チタン系触媒、安定剤、酸化防止剤、加水分解防止剤、紫外線吸収剤など
重合方法
一般には、エステル交換または直接エステル化によりポリエステルオリゴマーを形成し、その後、ポリエーテルジオールまたはポリエステルジオールと共重縮合させてブロック共重合体を得る。反応は高温、減圧下で進められ、低分子副生成物を除去しながら分子量を高める。
代表的な反応式
PBT硬質セグメントの形成例:
n HOOC-C6H4-COOH + n HO-(CH2)4-OH → [-O-(CH2)4-O-CO-C6H4-CO-]n + 2n H2O
ポリエーテルエステル系TPCの概念式:
PBTオリゴマー + HO-[R-O]n-H → [-PBT-]m-block-[-R-O-]n + 低分子副生成物
ペレット化やコンパウンド
重合後のポリマーは押出機でペレット化される。用途に応じて、酸化防止剤、熱安定剤、耐加水分解剤、滑剤、着色剤、難燃剤、ガラス繊維、炭素繊維、カーボンブラック、帯電防止剤などを配合する。
添加剤、充填材、強化材
耐湿熱性が必要な場合は、加水分解防止剤を配合したグレードが用いられることがある。剛性や寸法安定性が必要な場合はガラス繊維強化グレード、導電性が必要な場合はカーボンブラックや導電フィラーを配合したグレードが選定される。
詳細な利用用途
| 分野 | 主な用途 | 採用理由 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 自動車 | 等速ジョイントブーツ、ラックブーツ、エアダクト、燃料系部品、ホース、クリップ | 耐屈曲疲労性、耐油性、低温柔軟性、ブロー成形性 | 高温水、冷却液、燃料成分、長期疲労を確認する。 |
| 電気・電子 | ケーブル被覆、コネクタ、グロメット、電装保護部品 | 柔軟性、耐摩耗性、電気絶縁性、成形性 | 難燃性、耐トラッキング性、温湿度環境を確認する。 |
| 機械部品 | ギア、ローラー、ベルト、カップリング、摺動部品 | 耐摩耗性、反発弾性、耐油性、寸法安定性 | 荷重、発熱、潤滑油、クリープを確認する。 |
| 医療 | チューブ、カテーテル部材、柔軟部品 | 柔軟性、押出加工性、耐屈曲性 | 医療適合グレード、生体適合性、滅菌条件を確認する。 |
| 食品機械 | 搬送ベルト、ホース、パッキン、柔軟カバー | 耐油性、耐摩耗性、弾性、加工性 | 食品接触適合性、洗浄剤、温水、アルカリ洗浄を確認する。 |
| 建築・設備 | シール材、ガスケット、ホース、保護カバー | 耐候性、柔軟性、耐摩耗性 | 紫外線、湿熱、薬品洗浄、長期圧縮永久ひずみを確認する。 |
| スポーツ・日用品 | 靴部品、グリップ、保護具、弾性部材 | 反発弾性、耐屈曲性、低温柔軟性 | 着色性、耐汗性、耐候性、摩耗を確認する。 |
関連材料との比較
| 比較材料 | 特徴 | 対象材料との違い |
|---|---|---|
| 熱可塑性ポリウレタン | 耐摩耗性、機械強度、弾性に優れる熱可塑性エラストマーである。 | TPCはTPUより耐油性、耐熱性、反発弾性で有利な場合がある。一方、TPUは耐摩耗性や高強度で選定されることが多い。 |
| 熱可塑性加硫ゴム | EPDM系ゴム相を動的架橋したTPEで、自動車シール材に多い。 | TPCは耐油性、剛性、成形部品用途で有利な場合がある。TPVは柔軟性、耐候性、シール性で選定されることが多い。 |
| スチレン系熱可塑性エラストマー | 柔軟性、低比重、触感に優れる汎用TPEである。 | TPCは耐熱性、耐油性、機械強度で有利である。SEBS系は低硬度、低比重、軟質成形品で有利である。 |
| 熱可塑性ポリアミドエラストマー | ポリアミド硬質セグメントを持つ熱可塑性エラストマーである。 | TPCは吸水による寸法変化が小さい傾向がある。ポリアミド系TPEは耐薬品性、低温柔軟性、軽量性で有利な場合がある。 |
| ポリブチレンテレフタレート | 結晶性ポリエステル系エンジニアリング・プラスチックである。 | TPCはPBT系硬質セグメントを含むことがあるが、軟質セグメントにより柔軟性とゴム弾性を示す。 |
| ポリエチレンテレフタレート | 繊維、フィルム、ボトル、成形品に使われるポリエステル樹脂である。 | PETは剛性や透明性で使われることが多く、TPCは柔軟性、耐屈曲性、弾性部品で使われる。 |
| ポリアセタール | 摺動性、耐疲労性、寸法安定性に優れるエンプラである。 | TPCは柔軟性、弾性、衝撃吸収性で有利である。POMは剛性、摺動性、精密機械部品で有利である。 |
| ポリアミド12 | 低吸水性、耐薬品性、柔軟性を持つポリアミドである。 | TPCは反発弾性や耐屈曲性で有利な場合があり、PA12は燃料チューブ、耐薬品チューブで選定されることが多い。 |
代表的なメーカー
| メーカー | 代表製品・ブランド | 概要 |
|---|---|---|
| DuPont | Hytrel | 代表的な熱可塑性ポリエステルエラストマーであり、自動車、電気・電子、工業部品などに使用される。 |
| Toyobo | PELPRENE | ポリエステル系熱可塑性エラストマーの代表例であり、ブーツ、チューブ、工業部品などに使用される。 |
| Envalior | Arnitel | ポリエステル系熱可塑性エラストマーの代表ブランドであり、自動車、電気・電子、フィルム、スポーツ用途などに展開される。 |
| Mitsubishi Chemical Group | PRIMALLOY | ポリエステル系熱可塑性エラストマーの代表例であり、柔軟性、耐熱性、耐油性を活かした用途で使用される。 |
| Celanese | Riteflex | 熱可塑性ポリエステルエラストマーの代表例であり、成形部品、押出部品、工業用途で使用される。 |
| Kolon Plastics | KOPEL | ポリエステル系熱可塑性エラストマーの代表例であり、自動車部品、電気・電子部品、工業用部品に使用される。 |
| LG Chem | KEYFLEX | 熱可塑性ポリエステルエラストマーの代表例であり、自動車、電気・電子、工業部品用途に展開される。 |
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