| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 材料名 | エチレン・メチルメタクリレート共重合樹脂 |
| 略記号 | EMMA、E/MMA |
| IUPAC | poly(ethene-co-methyl 2-methylprop-2-enoate) |
| 英語名 | Ethylene-Methyl Methacrylate Copolymer、Poly(ethylene-co-methyl methacrylate) |
| 日本語名 | エチレン・メタクリル酸メチル共重合体、エチレン-MMA共重合体、EMMA樹脂 |
| 分類 | エチレン系極性共重合樹脂、オレフィン系共重合樹脂 |
| プラスチック分類 | 汎用プラスチック、特殊ポリオレフィン、軟質ポリオレフィン、接着・改質用樹脂 |
| 化学式または代表構造 | -[CH2-CH2]m-[CH2-C(CH3)(COOCH3)]n– |
| CAS No. | 25101-13-7として記載される例がある |
| 構造・主成分 | エチレン単位とメタクリル酸メチル単位からなるランダム共重合体である |
| 主な用途 | フィルム、押出ラミネート、樹脂改質、電線被覆、ホットメルト接着剤、ゴム用包装フィルム、蒸着フィルム改質 |
概要
エチレン・メチルメタクリレート共重合樹脂(EMMA)は、エチレンとメタクリル酸メチルを共重合した極性ポリオレフィン系樹脂である。ポリエチレン骨格を主鎖に持ちながら、メタクリル酸メチル由来のエステル基を含むため、一般のポリエチレンよりも柔軟性、透明性、接着性、改質効果を付与しやすい材料である。
EMMAは、エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)に近い軟質性を示す一方、酢酸由来の酸発生が少ないため、金属腐食性、臭気、VOC、熱劣化ゲルの面で有利になる場合がある。特に押出ラミネート、フィルム、電線被覆、ホットメルト接着剤、ゴムラッピングフィルムなどで使用される。
物性はMMA含量、分子量、MFR、分岐構造、添加剤、成形条件により大きく変化する。一般にはMMA含量が高いほど柔軟性、極性、接着性、透明性が高くなり、結晶性、剛性、耐熱変形性は低下する傾向がある。実使用では、グレード、温度、荷重、応力、接触薬品、使用時間を確認する必要がある。
特徴
長所
- LDPEに近い押出加工性を示し、フィルム成形、押出ラミネート、電線被覆などに使用しやすい。
- 一般のポリエチレンより柔軟性、透明性、低温特性に優れるグレードが多い。
- エステル基を持つため、ポリオレフィン、金属箔、PET、ナイロンなどとの接着性改善に有効な場合がある。
- EVAと比較して酸発生が少なく、金属腐食、臭気、VOCを抑えやすい。
- 高温押出時の熱安定性が比較的良好で、連続押出やリサイクル時の増粘が少ないグレードがある。
- 柔軟で低温脆化しにくく、低温シール、包装材、ゴムラッピング用途に適する。
短所
- 剛性、耐熱変形性、寸法安定性はエンジニアリングプラスチックより低い。
- 芳香族炭化水素、塩素系溶剤、ケトン、エステル類では膨潤、軟化、白化が生じる場合がある。
- MMA含量が高い軟質グレードではブロッキング、表面べたつき、耐傷付き性低下に注意が必要である。
- 高温下、荷重下、油中ではクリープ、応力緩和、膨潤が問題になることがある。
- 単独で高強度構造部品に用いる材料ではなく、主にフィルム、接着、改質、軟質用途に適する。
| 項目 | 特徴 |
|---|---|
| 外観 | 乳白色から半透明のペレットまたはフィルム。薄肉では透明性を示すグレードがある。 |
| 耐熱性 | 融点は概ね60〜110℃程度で、耐熱変形性は高くない。押出時の熱安定性はEVAより良好な場合がある。 |
| 耐薬品性 | 水、希酸、希アルカリ、アルコールには比較的安定である。芳香族溶剤、塩素系溶剤、ケトン、エステルでは注意を要する。 |
| 加工性 | LDPEに近い押出加工が可能である。MFRの高いグレードはホットメルトや接着用途に適する。 |
| 分類上の注意 | EMMAはメタクリル酸メチルとの共重合体であり、エチレン・メチルアクリレート共重合樹脂(EMA)、エチレン・メタクリル酸共重合樹脂(EMAA)、EVAとは異なる。 |
構造式
代表的な構造単位
| 項目 | 構造表記 |
|---|---|
| エチレン単位 | -CH2-CH2– |
| メタクリル酸メチル単位 | -CH2-C(CH3)(COOCH3)- |
| EMMAの代表構造 | -[CH2-CH2]m-[CH2-C(CH3)(COOCH3)]n– |
| 白黒構造式用の簡易表記 | CH2=CH2 + CH2=C(CH3)COOCH3 → -[CH2-CH2]m-[CH2-C(CH3)(COOCH3)]n– |
モノマーまたは構成単位
| 構成成分 | 化学式 | 役割 |
|---|---|---|
| エチレン | CH2=CH2 | ポリオレフィン骨格を形成し、柔軟性、低密度、耐水性、加工性に寄与する。 |
| メタクリル酸メチル | CH2=C(CH3)COOCH3 | エステル基を導入し、透明性、接着性、極性、柔軟性、改質効果に寄与する。 |
EMMAは一般にランダム共重合体として扱われる。MMA含量が低いグレードではLDPEに近い性質を示し、MMA含量が高いグレードでは軟質性、透明性、接着性が高くなる傾向がある。ただし、分子量、分岐、MFR、添加剤の影響も大きいため、MMA含量だけで最終物性を判断することは適切ではない。
種類
| 種類の名称 | 主成分または特徴 | 長所 | 短所 | 主な用途 |
|---|---|---|---|---|
| 低MMA含量グレード | MMA含量が比較的低く、LDPEに近い結晶性を残す | 強度、耐熱変形性、フィルム加工性のバランスが良い | 接着性、柔軟性、透明性は高MMAグレードより限定的である | 一般フィルム、押出成形、樹脂改質 |
| 中MMA含量グレード | MMA含量を高め、柔軟性と極性を付与したグレード | 柔軟性、透明性、接着性、低温特性に優れる | 剛性、耐熱変形性は低下しやすい | 包装フィルム、ゴムラッピング、押出ラミネート |
| 高MMA含量グレード | 軟質性、極性、フィラー受容性を高めたグレード | 高柔軟、低硬度、改質効果、充填材受容性に優れる | ブロッキング、耐熱性、表面傷付きに注意を要する | 軟質フィルム、フィラー高充填、接着改質、樹脂改質 |
| 押出ラミネートグレード | 押出ラミネート時の接着性、熱安定性を重視したグレード | PET、ナイロン、アルミ、PEなどとの接着性改善に有効である | 基材表面処理、加工温度、酸化処理条件の影響を受ける | 食品包装、複合フィルム、蒸着フィルム改質 |
| 電線被覆グレード | 柔軟性、フィラー受容性、低腐食性を重視したグレード | 難燃剤や無機フィラーを配合しやすい場合がある | 高温長期使用、耐油、耐溶剤は配合設計に依存する | 電線被覆、ケーブル、マスキング、電材 |
| ホットメルト接着剤グレード | MFRが非常に高く、溶融流動性を重視したグレード | 低粘度、低臭気、熱安定性、接着性のバランスが良い | 機械強度、耐熱クリープは配合に依存する | ホットメルト接着剤、製本、包装、ラミネート |
成形加工
| 成形加工法 | 適性 | 備考 |
|---|---|---|
| 射出成形 | ○ | 高MFRグレードでは可能であるが、主用途はフィルム、押出、接着である。 |
| 押出成形 | ◎ | LDPEに近い押出加工性を示し、チューブ、シート、被覆材に適する。 |
| インフレーションフィルム | ◎ | 柔軟フィルム、低温シール、ゴムラッピング用途に適する。 |
| Tダイフィルム・シート | ◎ | 透明性、柔軟性、接着性を利用できる。 |
| 押出ラミネート | ◎ | PET、O-Ny、アルミ、PEなどの基材との接着性改善に使用される。 |
| ブロー成形 | △ | 単独での剛性が低いため、容器用途ではグレード選定が必要である。 |
| 圧縮成形・熱プレス | ○ | 試験片、シート、接着評価用サンプルの作製に用いられる。 |
| 真空成形 | △ | 軟化温度が低く、肉厚保持性に注意を要する。 |
| 切削加工 | △ | 軟質で粘りがあるため、精密切削よりもシート・フィルム加工が中心である。 |
| ホットメルト加工 | ◎ | 高流動グレードはホットメルト接着剤、コーティング、ラミネートに適する。 |
代表的な物性値又は機械的性質
下表は代表値・目安であり、規格値ではない。EMMAはMMA含量、MFR、分子量、添加剤、試験片形状により値が大きく変わる。設計時はメーカーの最新データシート、実測値、使用温度、荷重、薬品接触時間を確認する必要がある。
| 項目 | 単位 | 代表値・目安 | 備考 |
|---|---|---|---|
| MMA含量 | wt% | 約5〜32 | 高いほど柔軟性、透明性、接着性が高くなる傾向がある。 |
| MFR | g/10min | 約0.25〜450 | 190℃、2.16kg条件の例。フィルム用は低〜中MFR、ホットメルト用は高MFRが多い。 |
| 密度 | g/cm3 | 0.920〜0.950 | LDPEに近い低密度領域である。 |
| 引張強さ | MPa | 2〜25 | 高流動ホットメルト系では低く、フィルム・押出系では高くなる。 |
| 伸び | % | 320〜750 | 破断伸びが大きく、軟質フィルムに適する。 |
| 曲げ弾性率 | MPa | 6〜88 | 一般の硬質樹脂よりかなり低く、柔軟な材料である。 |
| アイゾット衝撃強さ | kJ/m2 | NB〜高い | 軟質で破断しにくいが、低温、ノッチ、肉厚により変わる。 |
| 荷重たわみ温度 | ℃ | 20〜60程度 | 軟質樹脂のためHDTよりビカット軟化温度を参照することが多い。 |
| ビカット軟化温度 | ℃ | 25未満〜85 | MMA含量、結晶性、MFRにより大きく変化する。 |
| 融点 | ℃ | 63〜106 | ポリエチレン結晶に由来する融解ピークであり、複数ピークを示す場合がある。 |
| 連続使用温度 | ℃ | -40〜70程度 | 荷重、寸法精度、薬品接触がある場合は低めに見る。 |
| 脆化温度 | ℃ | -75未満〜-46程度 | 低温柔軟性に優れるグレードが多い。 |
| 吸水率 | % | 0.01〜0.1程度 | ポリオレフィン系としては低いが、MMA含量によりやや増加する。 |
| 体積抵抗率 | Ω・cm | 1014〜1016程度 | 電気絶縁性は高いが、添加剤、湿度、フィラー配合により変化する。 |
| 無機フィラー配合グレード | – | 配合により大きく変化 | 剛性、難燃性、比重は上がるが、伸び、透明性、衝撃性は低下しやすい。 |
耐薬品性
EMMAの耐薬品性は、基本的にはポリエチレン系の耐水性、耐酸・耐アルカリ性を持つが、MMA由来のエステル基を含むため、溶剤、油、界面活性剤、温度条件の影響を受ける。下表は常温・短時間接触の目安であり、実使用では濃度、温度、浸漬時間、応力の有無を確認する必要がある。
| 薬品分類 | 代表薬品 | 評価 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 酸類 | 希塩酸、希硫酸、酢酸水溶液 | ○ | 常温・低濃度では比較的安定である。濃酸、高温では劣化に注意する。 |
| アルカリ類 | 水酸化ナトリウム、KOH、アンモニア水 | ○ | 希アルカリには比較的安定であるが、高温・高濃度ではエステル部の影響を確認する。 |
| 低級アルコール類 | エタノール、IPA、メタノール | ○ | 短時間接触では比較的安定である。長期浸漬では膨潤、白化を確認する。 |
| 高級アルコール類 | グリセリン、MMB、ブタノール | ○〜△ | 分子量、極性、温度により膨潤性が変わる。 |
| 芳香族炭化水素類 | トルエン、キシレン、エチルベンゼン | △〜× | 膨潤、軟化、寸法変化が起こりやすい。 |
| 脂肪族炭化水素類 | ヘキサン、ヘプタン、ミネラルスピリット | △ | 常温短時間では使用できる場合があるが、長期接触や高温では膨潤に注意する。 |
| ケトン | アセトン、MEK、MIBK | △〜× | 軟化、膨潤、表面荒れが生じる場合がある。 |
| エステル | 酢酸エチル、酢酸ブチル | △〜× | SP値が近く、膨潤や接着面の低下に注意する。 |
| 塩素系溶剤 | ジクロロメタン、クロロホルム、トリクロロエチレン | × | 溶解、膨潤、応力割れの可能性が高い。 |
| 水・温水 | 水、温水、湿気 | ◎〜○ | 吸水は小さいが、高温水、長期浸漬、応力下では確認が必要である。 |
| 油 | 鉱物油、潤滑油、植物油 | ○〜△ | 油種、添加剤、温度により膨潤する場合がある。 |
| 界面活性剤 | 洗剤、ノニオン系界面活性剤 | △ | 環境応力亀裂や表面変化を評価する必要がある。 |
SP値(溶解度パラメータ)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| EMMAの代表的なSP値 | 約17.0〜18.5 MPa1/2 |
| 基準値 | 本ページでは代表値としてδ=17.8 MPa1/2を用いる。 |
| 注意点 | SP値は溶解・膨潤の目安であり、結晶性、MMA含量、温度、応力、溶剤分子サイズ、混合溶剤、添加剤の影響を含まない。 |
溶解性の目安
| SP値差 | 溶解・膨潤の目安 | 判定 |
|---|---|---|
| 0〜2 | 膨潤・軟化しやすい | × |
| 2〜5 | 条件により膨潤する | △ |
| 5〜8 | 短時間接触では比較的安定 | ○ |
| 8以上 | 溶解・膨潤しにくい | ◎ |
SP値から見た耐溶剤性
下表はEMMAの代表SP値を17.8 MPa1/2とした場合の目安である。SP値差が小さい溶剤でも、結晶性、分子量、温度、接触時間により実際の膨潤挙動は変わる。
| 薬品名 | SP値 MPa1/2 | SP値差 | 評価 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 水 | 47.9 | 30.1 | ◎ | SP値差は大きく、吸水も小さい。 |
| グリセリン | 36.2 | 18.4 | ◎ | 常温では比較的安定である。 |
| エタノール | 26.0 | 8.2 | ◎〜○ | 短時間接触では比較的良好である。 |
| IPA | 23.5 | 5.7 | ○ | 長期浸漬や高温では確認が必要である。 |
| MMB | 約21 | 約3.2 | △ | 条件により膨潤、表面変化を生じる場合がある。 |
| アセトン | 20.3 | 2.5 | △ | 短時間接触でも軟化や白化を確認する。 |
| MEK | 19.0 | 1.2 | △〜× | SP値が近く、膨潤しやすい。 |
| 酢酸エチル | 18.6 | 0.8 | △〜× | エステル系溶剤であり、接着面や軟質グレードでは注意する。 |
| トルエン | 18.2 | 0.4 | × | 膨潤、軟化、寸法変化が起こりやすい。 |
| キシレン | 17.8 | 0 | × | 芳香族溶剤として不適な場合が多い。 |
| ジクロロメタン | 20.2 | 2.4 | × | 塩素系溶剤であり、膨潤・溶解に注意する。 |
| n-ヘキサン | 14.9 | 2.9 | △ | 常温短時間では使用可能な場合もあるが、油類と同様に膨潤確認が必要である。 |
製法
原料
| 原料 | 内容 |
|---|---|
| エチレン | 主鎖となるオレフィンモノマーである。 |
| メタクリル酸メチル | 極性エステル基を導入する共重合モノマーである。 |
| 開始剤 | 有機過酸化物などのラジカル開始剤が用いられることが多い。 |
| 添加剤 | 酸化防止剤、滑剤、アンチブロッキング剤、加工助剤、難燃剤、フィラーなどが必要に応じて配合される。 |
重合方法
EMMAは、一般に高圧ラジカル共重合により製造される。エチレンを高圧下でメタクリル酸メチルと共重合し、MMA含量、分子量、分岐、MFRを制御することで、フィルム用、押出用、接着用、ホットメルト用などのグレードに調整される。
代表的な反応式
| 工程 | 反応式または内容 |
|---|---|
| 共重合 | m CH2=CH2 + n CH2=C(CH3)COOCH3 → -[CH2-CH2]m-[CH2-C(CH3)(COOCH3)]n– |
| 脱揮・回収 | 未反応モノマーを除去・回収し、樹脂中の揮発分を低減する。 |
| ペレット化 | 溶融押出後、ストランドカットまたはアンダーウォーターカットによりペレット化する。 |
| コンパウンド | 用途に応じて酸化防止剤、滑剤、アンチブロッキング剤、フィラー、難燃剤、顔料などを配合する。 |
製法上の特徴として、EVAのような酢酸ビニル単位を含まないため、高温加工時に酢酸が発生しにくい。このため、押出ラミネート、金属接触、電線被覆、長時間連続押出で有利になる場合がある。
詳細な利用用途
| 分野 | 用途例 | 採用理由 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 自動車 | 内装用発泡体、制振材、樹脂改質材、フィラー高充填材 | 柔軟性、低温特性、フィラー受容性、減衰性を利用できる。 | 耐熱、耐油、臭気、VOCを評価する。 |
| 電気・電子 | 電線被覆、ケーブル、マスキング材、低腐食性フィルム | 柔軟性、低腐食性、加工性、絶縁性に優れる。 | 難燃性、耐熱老化、体積抵抗率、添加剤移行を確認する。 |
| 包装・食品包装 | シーラント、押出ラミネート、複合フィルム、低温シール材 | 低温シール性、柔軟性、基材接着性、透明性を利用できる。 | 食品接触適合性、臭気、ブロッキング、シール強度を確認する。 |
| 蒸着フィルム | VMCPP改質、アルミ蒸着層の接着強度向上 | 極性基の効果により、蒸着強度や層間接着を改善できる場合がある。 | 添加量、相溶性、ヘイズ、熱収縮を確認する。 |
| 機械部品 | 軟質スペーサー、緩衝材、滑り止め、保護フィルム | 柔軟性、低温衝撃性、加工性を利用できる。 | 高荷重部品や精密寸法部品には適しにくい。 |
| 医療・衛生材 | 衛生材料、包装材、軟質フィルム | 柔軟性、低臭気、低温特性を利用できる。 | 医療適合性、滅菌条件、抽出物、安全規格を確認する。 |
| 食品機械 | 保護フィルム、包装補助材、低温シール材 | 柔軟性、シール性、加工性を利用できる。 | 食品衛生法適合、洗浄薬品、温水、油脂への耐性を確認する。 |
| 建築・設備 | 防水・養生フィルム、接着層、カーペットバッキング | 柔軟性、接着性、フィラー配合性を利用できる。 | 屋外使用では耐候性、紫外線、可塑剤移行を評価する。 |
| 接着剤 | ホットメルト接着剤、製本、包装、ラミネート | 高流動グレードでは溶融塗工性、接着性、熱安定性を利用できる。 | 耐熱クリープ、開放時間、接着対象材との相性を確認する。 |
| ゴム関連 | ゴムラッピングフィルム、剥離フィルム | ゴムへの付着が低いグレードがあり、作業性を改善できる。 | ゴム種、温度、圧力、保管期間により剥離性が変わる。 |
関連材料との比較
| 比較材料 | 特徴 | EMMAとの違い |
|---|---|---|
| 低密度ポリエチレン(LDPE) | 柔軟で加工性に優れる汎用ポリエチレンである。 | EMMAはLDPEより極性、透明性、接着性が高いが、耐溶剤性や耐熱変形性はグレードにより低下する。 |
| 直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE) | 強靭でフィルム強度に優れるポリエチレンである。 | LLDPEは機械強度に優れ、EMMAは柔軟性、接着性、低温シール性を付与しやすい。 |
| エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂(EVA) | 柔軟性、透明性、低温シール性に優れるエチレン系共重合体である。 | EMMAはEVAに近い柔軟性を持ちながら、酸発生、金属腐食、臭気を抑えやすい。 |
| エチレン・メチルアクリレート共重合樹脂(EMA) | エチレンとメチルアクリレートの共重合体で、柔軟性と極性を持つ。 | 名称が近いが、EMMAはメタクリル酸メチル単位を持つ。性能は類似するが同一材料ではない。 |
| エチレン・エチルアクリレート共重合樹脂(EEA) | エチレンとエチルアクリレートの共重合体で、柔軟性、接着性に優れる。 | EEAはアクリレート系であり、EMMAとはエステル置換基と熱安定性、臭気、接着挙動が異なる。 |
| エチレン・メタクリル酸共重合樹脂(EMAA) | カルボン酸基を含むエチレン系共重合体で、金属接着性やアイオノマー原料として使われる。 | EMAAは酸基を持つため極性が高く、EMMAはメチルエステル基を持つため酸性が低い。 |
| アイオノマー | エチレン系酸共重合体を金属イオンで中和した材料で、透明性、靭性、反発弾性に優れる。 | アイオノマーはイオン架橋により高靭性を示すが、EMMAは非イオン性の極性共重合体である。 |
| ポリメチルメタクリレート(PMMA) | 透明性、剛性、耐候性に優れるアクリル樹脂である。 | PMMAは硬質透明樹脂であり、EMMAはエチレン骨格を持つ軟質・接着・改質用途の樹脂である。 |
代表的なメーカー
EMMAは、EMA、EVA、EEAなどと混同されやすい材料である。下表はエチレン・メチルメタクリレート共重合樹脂として明確に確認できる代表例である。不確かなメーカー名やブランド名は記載していない。
| メーカー | 代表製品・ブランド | 概要 |
|---|---|---|
| 住友化学株式会社 | アクリフト、ACRYFT | エチレン・メタクリル酸メチル共重合体(EMMA)として展開される代表的な製品例である。フィルム、押出ラミネート、電線被覆、ホットメルト接着剤、樹脂改質などのグレードがある。 |
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