概要
略記号:AS (SAN)
英語名:crylonitrile-styrene 、[AS]plastic、styrene- acrylonitrile
日本名:アクリロニトリル・スチレン共重合体
化学式:
特性
- ポリスチレン(PS)と同様の透明性をもち、硬度、耐衝撃性、耐薬品性、耐熱性が向上している。
- 力学的強度は、ポリスチレン(PS)より大きい。
- 引張強さ、衝撃強さ、耐熱温度にすぐれ、ロックウェル硬度が高い。
- 剛性が大きく、表面硬度も大きいので、傷つきにくい。
- 希酸、希アルカリ、洗剤、油などに対しては良好な耐性を持っている。
- ポリスチレン(PS)に比べ高い吸水性を示し、低級アルコールには弱い。
- 耐候性が良い。
- エポキシ系、ポリエステル系の接着剤で良く接着する。
- アクリロニトリルが多いと黄着色する。
- 成形前に予備乾燥が必要である。
- 成形性は非常に良く、射出成形では180~270℃、金型温度65~75℃、押出成形は180~230℃、成形収縮は0.2~0.7%である。
性質 | 単位 | 標準 | ガラス繊維 充填 |
---|---|---|---|
比重 | 1.07 | 0.36 | |
吸水率 | % | 0.2 | |
引張強さ | MPa | 80 | 126 |
引張伸び | % | 3.2 | 1.4 |
引張弾性率 | GPa | 3.6 | 10.5 |
圧縮強さ | MPa | 120 | 155 |
曲げ強さ | MPa | 120 | 180 |
アイゾット衝撃強さ (ノッチ付き、23℃) | J/m | 25 | 160 |
ロックウェル硬さ | M83 | E65 | |
荷重たわみ温度 (1.82MPa) | ℃ | 93 | 107 |
熱膨張率 | 10-5/℃ | 8.0 | 3.8 |
絶縁破壊強さ | kV/mm | 18 | 21 |
成形収縮率 | % | 0.2~0.7 |
製法
- アクリロニトリル(AN)とスチレン(ST)をラジカル重合することによって製造されるランダム共重合体である。
構造
利用用途
- バッテリーケース
- メーターカバー
- 扇風機の羽根
- 冷蔵庫内部成形品
- ジューサー
- ミキサー
- 積算電力カバー
- テレビのフロントスクリーン
- スケルトンタイプの機器のハウジング
- ガスライター
- 化粧品容器
- 食卓用品
- 文具
- 玩具
- ピアノの鍵盤