概要
略記号:PF
英語名:phenol formaldehyde resin, phenolic plastic
化学式:省略
- フェノール・ホルマリン樹脂は、1907年アメリカで、L.H.Baeklandにより発明された。
- 合成プラスチックでは最初に実用化されたもので、非常に長い実績がある。
- 現在では一部の
特性
- 比重が1.25~1.3で、黄褐色~赤褐色~黒褐色に変化(主として酸化変色)
- 機械的性質は、充填材によって異なる。
- 一般的には、比較的高温下または荷重下での寸法安定性が良い。
- 広範囲の温度、湿度下での各種性能の保持性がよい。
- 長期間使用に対する耐老化性が良い。
- 耐酸・耐溶剤、耐水性に優れるが耐アルカリに弱い
- 熱硬化による網状3次元架橋構造
- 加熱減量は汎用樹脂中で最高レベル(最少)
- 残炭率は汎用樹脂中で最高レベル 炭素原料に適用可能
- 燃えにくい・燃焼時の煙発生が少ない
- 高強度・高硬度
- 高温・高応力下での結合、柔軟・低強度材料の補強に適用
- 硬すぎて脆く、硬化収縮もあってフィルム成形は通常困難
製法
- フェノール樹脂は、ノボラック型(直線構造)とレゾール型(立体構造)に分かれる。
上:レゾール型(立体構造)
下:ノボラック型(直線構造)
フェノール樹脂成形材料の製法
- 製法には、レゾール(1段法又は湿式法)からのものと、ノボラック(2段法又は乾式法)からのものの2種類がある。
- 1段法ではレゾールのアルコール液に木粉やその他の添加剤を加えて、加熱乾燥後に粉砕し、ベークライトB状態の成形粉とする。
- 成形粉の大半は、2段法によって製造されており、レゾール型のものは、積層用、含浸用、注型用などに用いられる。
- 2段法で反応させ、ノボラックを得て減圧脱水し、ボールミルで粉砕、これには硬化剤(ヘキサメチレンテトラミンなど)、滑剤(ステアリン酸カルシウムなど)、木粉、パルプ粉、ガラス繊維、マイカなどの充填剤、可塑剤、染料、顔料などを加えてブレンダーやニーダー、バンバリーミキサーなどで混合して、ハンマーミル、クラッシャーなどで粉砕して製品とする。
耐薬品性
- 耐薬品性一覧はこちら
構造
省略
利用用途
- クラッチフェーシング
- ブレーキライニング
- ディスクパッド
- フィルター
- セパレーター
- 塗料
- 積層含浸加工用
- ゴム系の溶剤系接着剤
- グラスウール
- ロックウール
- 合板
- パーティクルボード
- 集成材
- 半導体封止剤