概要
略記号:EVA
英語名:ethylene-vinylacetate copolymer
化学式:
- エチレンと酢酸ビニル(VA)の共重合体。
- 酢酸ビニル(VA)を共重合させる目的は、ポリエチレンの結晶性を低下させ透明性、柔軟性などの物性を付与するためである。
- 低~中VA含量グレードがフィルム・成形材料に、高VA含量グレードが接着剤に用いられる。
- 重包装に用いられる酢酸ビニル(VA)含量数%のものはポリエチレンに分類される。
- 酢酸ビニル(VA)が約10%以上のものをエチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)という。
特性
- 性質は、内部可塑化ポリエチレンともいわれ、大きい反発性を有する無色透明のゴム状物質である。
- 耐候性、低温可塑性を有しており、-50℃まで可撓性がある。
- 加硫を要しないゴムである。
- 酢酸ビニル含量が増えるとゴム状になり、軟化点が低く、熱接着力が大きく、耐溶剤性がなくなる。
- トルエン、ベンゼン、トリクロロエチレン、THFに溶解するが、メチルエチルケトン、塩化メチレン、アセトン、酸、アルコール、、水などには不溶である。
- 耐オゾン性、水・紫外線によく耐える。
- 成形加工性にすぐれ、耐候性、耐ストレスクラック性にすぐれている。
- 他のプラスチックとブレンドすると成形時の流動性、低温下の耐衝撃性を向上させるのに効果的である。
EVAの特性
性質 | 単位 | 標準 |
---|---|---|
比重 | 0.92~0.95 | |
引張強さ | MPa | 5~26 |
引張伸び | % | 650~1,000 |
アイゾット衝撃強さ (ノッチ付き) | J/m | 破壊せず |
シェア硬さ | D30~95 | |
荷重たわみ温度 (0.45MPa) | ℃ | 60~64 |
体積固有抵抗 | Ω・cm | 1.5×108 |
誘電率 | (60Hz) | 2.5×3.2 |
透明性 | 透明 |
EVAの種類と性質
性質 | 単位 | 酢酸ビニル含量 40% | 酢酸ビニル含量 33% | 酢酸ビニル含量 28% | 酢酸ビニル含量 18% |
---|---|---|---|---|---|
引張強さ | MPa | 5 | 7 | 14 | 20 |
引張伸び | % | 1,300 | 700 | 750 | 850 |
硬さ(JIS) | 40 | 68 | 77 | 92 | |
軟化点 | ℃ | 59 | 61 | 69 | 87 |
メルトインデックス | g/10min | 55 | 25 | 15 | 2.5 |
製法
省略
構造
利用用途
- ドライラミ原反フィルム
- 農業用フィルム
- EVAフィルム
- 収縮フィルム
- 建設・土木用シート
- 自動車泥よけ
- 熱溶融接着ラベル
- 布製接着ラベル
- 本装丁
- ホットメルト型接着剤の主原料
- 防湿ヒートシールコーティング剤
- 食パン包装紙
- 紙コップなど紙へのコーティング用
- 人工芝
- 靴底
- テントの防水
- 硬質PVCの耐衝撃性改良剤
- アスファルト改質剤