概要
略記号:PET
英語名:polyethyleneterephthalate
化学式:
- ポリエチレンテレフタレートはテレフタル酸またはテレフタル酸ジメチルとエチレングリコールを重縮合して得られる熱可塑性ポリエステルである。
- すぐれた性質を活かして繊維、フィルム、ボトルの用途で広く使用されている。
特性
- 強靭で融点が高く耐熱性であり、熱処理・延伸すると強度は著しく向上する。
- 毒性がない。
- エステル結合を有するため、耐熱水性、耐アルカリ性はよくない。
- 耐有機溶剤性、耐油性に優れているが、フェノール、クレゾール、0-クロロフェノール、塩素化炭化水素などには侵される。
- 濃硫酸、濃硝酸では分解する。
- 熱水、アルカリに弱い。
- 融点が256℃、Tgが約70℃の結晶性樹脂で、ポリブチレンテレフタレート(PBT)より分子鎖が短く、剛直な分子構造である。
- ポリブチレンテレフタレート(PBT)に比較し、結晶化速度が小さく、かつ高温でなければ結晶化が進まない。
- 疲労強さは大きい。
- 耐候性は比較的良好。
- 体積固有抵抗、絶縁破壊強さ、耐アーク性などの電気的性質はすぐれている。
- ガス透過性は小さい部類に入り、二軸延伸するとさらに向上する。
- 二軸延伸を行うことにより、強度、ガスバリア性が大きく改良される。そのため食品包装用フィルム、ボトルなどに使用される。
- 成形前に予備乾燥が必要である。
性質 | 単位 | 無定形 | 結晶 | ガラス充填 |
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比重 (製品により変動) | 1.27~1.33 | 1.33~1.38 | 1.5~1.6 | |
引張強さ | MPa | 57 | 75 | 140 |
引張伸び | % | 18 | 18 | |
曲げ弾性率 | GPa | 2.2 | 2.8 | 6.0 |
アイゾット衝撃強さ | J/m | 55 | 40 | 60 |
荷重たわみ温度 (1.82MPa) | ℃ | 70 | 85 | 200 |
熱膨張率 | 10-5/℃ | 8 | 6 | 2.4 |
融点 | ℃ | 250~255 | 250~255 | 250~255 |
製法
- テレフタル酸とエチレングリコールを重縮合することによりよって得られる。
構造
利用用途
- 磁気テープのベースフィルム
- 各種食品用包装フィルム
- FPD(フラットパネルディスプレイ)用光学フィルム
- FPD用工程用フィルム
- 清涼飲料水のPETボトル
- 洗剤容器
- 繊維