変性ポリフェニレンエーテル

概要

記号:m-PPE

英語名:modified polyphenylene ether

化学式:

変性ポリフェニレンエーテル

 

  • 耐熱性、力学的性質、電気的性質のすぐれたPPEに成形性のすぐれたスチレン系樹脂をブレンドしたものが多く、PA、PPブレンド系もある。
  • PPEとPSは任意の比率で完全相溶が可能なために、ブレンド比により幅広い耐熱性のグレードの生産が出来る。

特性

  • 難燃性、耐油性、耐摩耗性、寸法安定性が優れている。
  • 耐熱劣化性もよく、UL温度レーティングは1/1ブレンド品の非強化グレードで、力学的性質(衝撃なし)および電気的性質ともに105℃、ガラス繊維強化グレードでは110℃である。
  • 酸、アルカリに対して耐性がある。
  • ベンゼン、トルエンに膨潤してしまい、メチルエチルケトン、酢酸エチル、四塩化炭素、ガソリンではストレスクラックやソルベントクラックが発生するなど耐有機溶剤性は良くない。
  • 汎用エンプラの中では耐熱水性が良く、かつ吸水率が小さいので水中使用時の寸法変化が少ない。
  • 疲労強さは汎用エンプラではポリカーボネート(PC)と同程度に小さい。
  • 紫外線性に対しては耐性があまり良くない。
  • 荷重たわみ温度はブレンド比によっては75~170℃まで変化する。
  • 1/1のブレンド品ではガラス転移温度(Tg)は約150℃で実用温度範囲ではガラス状態であり、力学的性質の温度依存性は小さい。
  • PPE/PSの1/1ブレンド品の基本グレードの比重は1.06で汎用エンプラの中で最小である。
  • 電気的性質に優れている。
  • 誘電率、誘電正接はきわめて小さく、かつ温度・湿度・周波数による変化も小さく、絶縁抵抗、絶縁強さも優れている。
  • 酸素指数は標準グレードで約22.5%である。難燃剤添加で難燃化できる。この樹脂は主に燐系難燃剤を使用する。
  • 非晶性であるため成形収縮率は0.5~0.7%と小さい。

性質単位PPEm-PPE
比重1.061.06~1.10
引張強さMPa7755~67
引張伸び%50~8020~30
曲げ強さMPa10590~95
圧縮強さMPa91115
アイゾット衝撃強さ
(ノッチ付き)
J/m80~10090~100
ロックウェル硬さR118~120R115~119
耐熱温度18080~100
荷重たわみ温度
(1.82MPa)
191100~130
透明度%透明不透明

製法

酸化縮合して合成する。

変性ポリフェニレンエーテル1

構造

変性ポリフェニレンエーテル

利用用途

  •  複写機・ファクシミリ・各種プリンタ・パソコンのハウジング
  • シャーシ
  • ホイールキャップ
  • インストルメントパネル
  • ルーバー
  • 外板部品
  • コイルボビン
  • LEDケース
  • モータ部品
  • ICケース
  • アダプタなど
  • ビデオカメラ・エアコン・炊飯器・加湿器などのハウジング
  • 各種部品
  • カメラ部品
  • 各種ポンプのインペラー
  • 水中ポンプのハウジングなど
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