イソプレンゴム

概要

略記号:IR

英語名:isoprene rubber, polyisoprene rubber

IUPAC:  

日本語:イソプレンゴム、ポリイソプレンゴム、合成天然ゴム、シス-1,4-ポリイソプレン、トランス-1,4-ポリイソプレン

CAS:104389-31-3:cis、104389-32-4:trans

化学式:C5H8

天然ゴム(NR)はシス-1,4-ポリイソプレンで構成されている。イソプレンゴムは、主構造はシス-1,4-ポリイソプレンであるが、トランス-1,4-ポリイソプレン、3,4-ポリイソプレンなどの異性体が混合された状態である。基本特性は天然ゴムと同等となり、タイヤや各種ゴム製品の主原料として利用されている。

特性

  • 使用温度範囲:―50~100°C
  • 圧縮性能:良好
  • 耐摩耗性:良好
  • ガス透過性:悪い
  • 耐候性:劣化しやすい
  • 耐水性:良好
  • 耐オゾン性:劣化しやすい
  • 耐鉱物油性溶解:悪い
  • 耐化学薬品性:(悪い/良い)
  • 難燃性:悪い(燃えやすい)
  • 耐熱性:悪い(溶解)

製造方法

不飽和炭化水素からなるゴムであり、イソプレン(IUPAC: 2-メチル-1,3-ブタジエン)の重合によって製造される。

イソプレンの重合では4 つの異なる異性体が生成され、ポリマー中の各異性体の相対量は、重合反応のメカニズムに依存している。

n-ブチルリチウムによって開始されるアニオン連鎖重合によるポリイソプレンゴムは、 90 ~ 92% が シス-1,4-ポリイソプレン、2 ~ 3% が トランス-1,4-ポリイソプレン、6 ~ 7% が 3,4-ポリイソプレンとなる。

チーグラー・ナッタ触媒 TiCl4/Al(i-C4H9)3 を使用した配位連鎖重合では、天然ゴムに似たより純粋な シス-1,4-ポリイソプレンが形成される。

チーグラー・ナッタ触媒 VCl3/Al(i-C4H9)3 を使用すると、トランス優性のポリイソプレンが形成されれる。

リン配位子とAl(OPhCH3)(i-Bu)2 助触媒によって担持された MoO2Cl2 触媒を使用した場合では、 1,2 および 3,4 が支配的なポリイソプレンが生成される。

イソプレンゴムの製造

利用用途

タイヤ

接着剤

シーラント

自動車車体接着剤

ゴムシート

各種エラストマーのブレンド用材料

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