概要
略記号:NR
英語名:Rubber latex,
IUPAC:
日本語:天然ゴム、ラテックス、ゴムラテックス
CAS:9006-04-6
化学式:C6H11NO
工業的に使われている天然ゴムのほとんどはパラゴムノキ(Hevea braziliensis)の木から採取されるラテックスを主成分としたものである。
このラテックスを濃縮させた後に凝固剤で凝固させることで天然ゴム(生ゴム)となる。
天然ゴムの主産地は、タイ、インドネシア、ベトナム、マレーシアなどの東南アジアやアフリカ、中南米などの熱帯地域があるが、東南アジアだけで世界の80%程が生産されている。
天然ゴム(NR)はシス-1,4-ポリイソプレン35%,水60%,タンパク質2%,その他3% の成分構成されており、基本特性はイソプレンゴムとほとんど同等となるが、一般物性と加工面では合成ゴムより良い。
特性
- 使用温度範囲:―70~120°C
- 圧縮性能:良好
- 耐摩耗性:良好
- ガス透過性:悪い
- 耐候性:劣化しやすい
- 耐水性:良好
- 耐オゾン性:劣化しやすい
- 耐鉱物油性溶解:悪い
- 耐化学薬品性:(悪い/良い)
- 難燃性:悪い(燃えやすい)
- 耐熱性:悪い(溶解)
製造方法
パラゴムノキ(Hevea brasiliensis)の樹皮に傷を付け、その切り口から流出する乳白色の液体(ラテックス)を集める。
これに有機酸を加えてポリイソプレン粒子を凝固させ,乾燥させたものを生ゴムという。
この生ゴムに硫黄(5~8%)と加硫促進剤などを添加して練り上げて全体に硫黄が混合された状態で、約140℃に加熱しながら加圧すること(加硫)により、鎖状ゴム分子の二重結合の部分で硫黄原子が架橋構造(ジスルフィド結合)となることによりゴムの分子構造が変化する事で強い弾性と耐熱性のあるゴム製品が出来る。
この天然ゴムは,一般に物性と加工面で合成ゴムよりすぐれている点が多い.
利用用途
タイヤ
接着剤
シーラント
自動車車体接着剤
ゴムシート
各種エラストマーのブレンド用材料